西麻布の「Super Deluxe」へ、ヴィルジニー・マルシャンさんの公開イベント『リーラの遊びのなかで(IN THE PLAY OF LEELA)』を見に行く。
昨年10月、ときの忘れものでジョナス・メカスさんの個展を開いた。
ヴィルジニーさんは、そのときジョナス・メカスさんと一緒に来日。東京を拠点に横浜・京都・倉敷で撮影を行なっており、今夜その作品が放映される。
雨模様の中、20時前に会場に入り、冷たいコンクリートの床に座る。観客は70名くらいだろか・・・ヒマワリやガーベラで客席と舞台の境界線を示してある。壁には、4つの映像が映し出されている。
20時開演、白のサテン生地のシャツにグレーのロンTの重ね着で、ずいぶん髪が伸びたヴィルジニーさんが客席に背を向けて座り、スタート。何かに取り付かれたような踊り。てっきり跳んだり跳ねたりするダンスかと思っていたが、指がピクピク動いたり、眼がくるっと白眼にむくというもの。ハットを被ったメカスさんと、もう一人のカメラマン、ゾルタン・オヴィーユさんは脇を閉めてハンディービデオカメラを構えている。この『リーラの遊びのなかで』の様子を撮り、一つの画面に二人が撮っているヴィルジニーさんの動きがリアルタイムで映し出される。VJにより両者撮影の映像が切り替えられる生放映だ。客席の後方ではDJとVJがMacを操作する。サングラスを掛けた詩人で音楽演奏家のトミー・ロジャーズさんが、即興で鐘の音のするものや机やアコギのボディを叩き、音を鳴らす。また、思いついたように、低い声で詩を読む。
もう一つの映像は、昨年の来日の際に、大野家で撮影された大野一雄さんとヴィルジニーさんによるダンスのセッション。クランク式ベッドで上半身が少し起こされ、話すことも動くことも不可能そうに見受けられる大野さんの姿であるが、ヴィルジニーさんは大野さんの手を握り、踊る。大野さんの表情は何ひとつ変わらないが、ヴィルジニーさんの踊りに応えているように見える。ヴィルジニーさんのコメントには、「2人のダンサーはたちまち舞踏言語でコミュニケートしあい、その後、11月中に2度、それぞれ3時間以上も通しでダンスのセッションをおこなった。」と記されている。3時間以上も通しでダンス・・・恐ろしい。その姿をハンディービデオカメラで撮るメカスさんのことは考えているのだろうか・・・。芸術とはこんなものなのだろうか。
もうすぐ22時だ。目の前の公演『リーラの遊びのなかで』は永遠に終わらないんじゃないかと思ってきた。つまらなかったわけではない。インスタレーションとして見ると、素晴らしいものだ。しかし“程度”というものがある。少し動きが止まるが音は止まず、音が止みそうになると動き始める。それが何度も続き、正直疲れた。
21時半あたりから、客が荷物を抱えて逃げるように出る姿が目立つ。終電の時間が近いわけではないが、皆限界に達したのだろう。綿貫さんから“死にそうなので、どこかお店で待ちます”というメールが届いた。“私も死にそうです”と打つと、“脱出せよ”と返信。この公演の終り方はすごく気になるが、花束を受付に託して、三浦さんと奥さんと共に脱出。近くの飲食店で「あれは30分でいいよ。」など、文句を肴にお酒を飲んだ。
(おだちれいこ)



昨年10月、ときの忘れものでジョナス・メカスさんの個展を開いた。
ヴィルジニーさんは、そのときジョナス・メカスさんと一緒に来日。東京を拠点に横浜・京都・倉敷で撮影を行なっており、今夜その作品が放映される。
雨模様の中、20時前に会場に入り、冷たいコンクリートの床に座る。観客は70名くらいだろか・・・ヒマワリやガーベラで客席と舞台の境界線を示してある。壁には、4つの映像が映し出されている。
20時開演、白のサテン生地のシャツにグレーのロンTの重ね着で、ずいぶん髪が伸びたヴィルジニーさんが客席に背を向けて座り、スタート。何かに取り付かれたような踊り。てっきり跳んだり跳ねたりするダンスかと思っていたが、指がピクピク動いたり、眼がくるっと白眼にむくというもの。ハットを被ったメカスさんと、もう一人のカメラマン、ゾルタン・オヴィーユさんは脇を閉めてハンディービデオカメラを構えている。この『リーラの遊びのなかで』の様子を撮り、一つの画面に二人が撮っているヴィルジニーさんの動きがリアルタイムで映し出される。VJにより両者撮影の映像が切り替えられる生放映だ。客席の後方ではDJとVJがMacを操作する。サングラスを掛けた詩人で音楽演奏家のトミー・ロジャーズさんが、即興で鐘の音のするものや机やアコギのボディを叩き、音を鳴らす。また、思いついたように、低い声で詩を読む。
もう一つの映像は、昨年の来日の際に、大野家で撮影された大野一雄さんとヴィルジニーさんによるダンスのセッション。クランク式ベッドで上半身が少し起こされ、話すことも動くことも不可能そうに見受けられる大野さんの姿であるが、ヴィルジニーさんは大野さんの手を握り、踊る。大野さんの表情は何ひとつ変わらないが、ヴィルジニーさんの踊りに応えているように見える。ヴィルジニーさんのコメントには、「2人のダンサーはたちまち舞踏言語でコミュニケートしあい、その後、11月中に2度、それぞれ3時間以上も通しでダンスのセッションをおこなった。」と記されている。3時間以上も通しでダンス・・・恐ろしい。その姿をハンディービデオカメラで撮るメカスさんのことは考えているのだろうか・・・。芸術とはこんなものなのだろうか。
もうすぐ22時だ。目の前の公演『リーラの遊びのなかで』は永遠に終わらないんじゃないかと思ってきた。つまらなかったわけではない。インスタレーションとして見ると、素晴らしいものだ。しかし“程度”というものがある。少し動きが止まるが音は止まず、音が止みそうになると動き始める。それが何度も続き、正直疲れた。
21時半あたりから、客が荷物を抱えて逃げるように出る姿が目立つ。終電の時間が近いわけではないが、皆限界に達したのだろう。綿貫さんから“死にそうなので、どこかお店で待ちます”というメールが届いた。“私も死にそうです”と打つと、“脱出せよ”と返信。この公演の終り方はすごく気になるが、花束を受付に託して、三浦さんと奥さんと共に脱出。近くの飲食店で「あれは30分でいいよ。」など、文句を肴にお酒を飲んだ。
(おだちれいこ)
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