2000年7月4日に植田正治が亡くなってもう10年になります。今年は、「写真とボク」という回顧展が全国を巡回しており、また植田作品を見直す良い機会となるのではないかと思います。現在は、新潟市新津美術館で10月17日まで開催中です。
植田正治にとって砂丘は、「どこをどう撮っても写真になる」「巨大なホリゾント」であり、オブジェとして群像を配するには格好の場所でした。1939年の『少女四態』『群童』、翌年の『茶谷老人とその娘』など、すでに砂浜を舞台として撮影されていましたが、1949年、鳥取砂丘での撮影会で、撮影場所としての砂丘に魅せられ、《砂丘劇場》が始まります。「奥行きのない平面な画面構成」のシュルレアリスムを思わせる作品は、そのオリジナリティが世界的に評価され、1980年代には『砂丘モード』の斬新なセンスが若者に支持されました。
「妻のいる砂丘風景(III)」は、「砂丘」シリーズの中でも代表作といえる作品で、東京都写真美術館の壁を巨大なこの作品が飾っています。砂丘による地平線と海の水平線、まさにホリゾントをひじょうに効果的に使った美しい作品です。人物の配置も面白く、影の方向も絶妙で、撮影する時間を考えて撮られたことが容易に推察されます。価格は決して安くはありませんが、世界で最も知られた日本の写真作品のひとつであることは間違いないことを考えれば、高くはないといえます。
植田正治
「妻のいる砂丘風景(III)」
1950年頃(Printed later)
ゼラチンシルバープリント
23.6×28.0cm サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
■植田正治(うえだ しょうじ)
1913年、鳥取県生まれ。15歳頃から写真に夢中になる。1932年上京、オリエンタル写真学校に学ぶ。第8期生として卒業後、郷里に帰り19歳で営業写真館を開業。この頃より、写真雑誌や展覧会に次々と入選、特に群像演出写真が注目される。1937年石津良介の呼びかけで「中国写真家集団」の創立に参加。1949年山陰の空・地平線・砂浜などを背景に、被写体をオブジェのように配置した演出写真は、植田調(Ueda-cho)と呼ばれ世界中で高い評価を得る。1950年写真家集団エタン派を結成。1954年第2回二科賞受賞。1958年ニューヨーク近代美術館出展。1975年第25回日本写真協会賞年度賞受賞。1978年文化庁創設10周年記念功労者表彰を受ける。1989年第39回日本写真協会功労賞受賞。1996年鳥取県岸本町に植田正治写真美術館開館。1996年フランス共和国の芸術文化勲章を授与される。2000年歿(享年88)。2005~2008年ヨーロッパで大規模な回顧展が巡回、近年さらに評価が高まっている。
◆ときの忘れものは、2010年8月27日[金]―9月4日[土]まで「銀塩写真の魅力II―Noir et Blanc」を開催しています(会期中無休)。

マン・レイやアンドレ・ケルテス、篠山紀信、荒木経惟、植田正治らによるゼラチン・シルバー・プリント作品を展示します。
会期中の9月3日(金)19時より、原茂さんをホストに、大河原良子さんをゲストにお招きして「第一回写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」を開催します(要予約、参加費1000円)。
第一回目となる今回は、原さんご自身のコレクションから、アジェ、ベロック、植田正治、高梨豊、荒木経惟などオールドマスタークラスのプリントをご覧いただきながら、ギャラリーとコレクターの関係についてゲストの大河原さんとお話しいただきます。また、ときの忘れもののコレクションからマン・レイ、細江英公のプリントを当日限りの特別価格で頒布するほか、原さんのコレクションもご購入いただけます。写真のコレクションを考えていらっしゃる方は、どうぞご参加ください!
参加希望者はメール、または電話でお申し込みください。
植田正治にとって砂丘は、「どこをどう撮っても写真になる」「巨大なホリゾント」であり、オブジェとして群像を配するには格好の場所でした。1939年の『少女四態』『群童』、翌年の『茶谷老人とその娘』など、すでに砂浜を舞台として撮影されていましたが、1949年、鳥取砂丘での撮影会で、撮影場所としての砂丘に魅せられ、《砂丘劇場》が始まります。「奥行きのない平面な画面構成」のシュルレアリスムを思わせる作品は、そのオリジナリティが世界的に評価され、1980年代には『砂丘モード』の斬新なセンスが若者に支持されました。
「妻のいる砂丘風景(III)」は、「砂丘」シリーズの中でも代表作といえる作品で、東京都写真美術館の壁を巨大なこの作品が飾っています。砂丘による地平線と海の水平線、まさにホリゾントをひじょうに効果的に使った美しい作品です。人物の配置も面白く、影の方向も絶妙で、撮影する時間を考えて撮られたことが容易に推察されます。価格は決して安くはありませんが、世界で最も知られた日本の写真作品のひとつであることは間違いないことを考えれば、高くはないといえます。
植田正治「妻のいる砂丘風景(III)」
1950年頃(Printed later)
ゼラチンシルバープリント
23.6×28.0cm サインあり
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■植田正治(うえだ しょうじ)
1913年、鳥取県生まれ。15歳頃から写真に夢中になる。1932年上京、オリエンタル写真学校に学ぶ。第8期生として卒業後、郷里に帰り19歳で営業写真館を開業。この頃より、写真雑誌や展覧会に次々と入選、特に群像演出写真が注目される。1937年石津良介の呼びかけで「中国写真家集団」の創立に参加。1949年山陰の空・地平線・砂浜などを背景に、被写体をオブジェのように配置した演出写真は、植田調(Ueda-cho)と呼ばれ世界中で高い評価を得る。1950年写真家集団エタン派を結成。1954年第2回二科賞受賞。1958年ニューヨーク近代美術館出展。1975年第25回日本写真協会賞年度賞受賞。1978年文化庁創設10周年記念功労者表彰を受ける。1989年第39回日本写真協会功労賞受賞。1996年鳥取県岸本町に植田正治写真美術館開館。1996年フランス共和国の芸術文化勲章を授与される。2000年歿(享年88)。2005~2008年ヨーロッパで大規模な回顧展が巡回、近年さらに評価が高まっている。
◆ときの忘れものは、2010年8月27日[金]―9月4日[土]まで「銀塩写真の魅力II―Noir et Blanc」を開催しています(会期中無休)。

マン・レイやアンドレ・ケルテス、篠山紀信、荒木経惟、植田正治らによるゼラチン・シルバー・プリント作品を展示します。
会期中の9月3日(金)19時より、原茂さんをホストに、大河原良子さんをゲストにお招きして「第一回写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」を開催します(要予約、参加費1000円)。
第一回目となる今回は、原さんご自身のコレクションから、アジェ、ベロック、植田正治、高梨豊、荒木経惟などオールドマスタークラスのプリントをご覧いただきながら、ギャラリーとコレクターの関係についてゲストの大河原さんとお話しいただきます。また、ときの忘れもののコレクションからマン・レイ、細江英公のプリントを当日限りの特別価格で頒布するほか、原さんのコレクションもご購入いただけます。写真のコレクションを考えていらっしゃる方は、どうぞご参加ください!
参加希望者はメール、または電話でお申し込みください。
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