ときの忘れものでは明日から10月16日(土)までの約3週間「マン・レイと宮脇愛子展」を開催します(会期中無休)。
案内状 編集版_600
会期=2010年9月28日[火]―10月16日[土] 
12:00-19:00 *会期中無休
10月1日(金)17時~18時半、宮脇愛子さんを囲んでのレセプションを開催します。ぜひお出かけください。

10月16日(土)17時より、巌谷國士さんを講師にギャラリー・トークを開催します(*要予約(参加費1,000円/1ドリンク付)
参加ご希望の方は、電話またはメールにてお申し込み下さい。
Tel.03-3470-2631/Mail.info@tokinowasuremono.com

昨2009年4月に開催した「マン・レイ展」はとても好評で、京都からお招きした石原輝雄さんのギャラリートークも心に残るすばらしいひとときでした。マン・レイについてはこれからも優れた作品を紹介し続けてゆきたいと思っています。
今回のギャラリートークは巌谷國士さんと宮脇愛子さんを迎えて10月16日(土)に開催しますが、東京の国立新美術館で開催され、次いで大阪の国立国際美術館でも明日から開催されるマン・レイの大規模な回顧展には親交の厚かった「宮脇愛子」の小コーナーが設けられ、マン・レイが撮影した宮脇のポートレートと、マン・レイに贈った宮脇の油彩小品が展示されています。
1959年、パリのフェルー通りにあるマン・レイとジュリエット夫人が暮らすアトリエの小さなドアを宮脇愛子が開けたときから彼らの交流は始まりました。そのアトリエにはダダイスト・マン・レイの作品がいたるところにあり、そこに毎日のように通ううち、宮脇は自然とマン・レイの薫陶を受けることになります。

マン・レイ自身は、ウィットに富んだ少年が、ただ大きくなったといった感じで、どこまでも偉大な芸術家風ではありませんでした。日常的な何でもない毎日の生活が、すべて創造であるような、そんな毎日を送っていた人でした。」(宮脇愛子著『はじめもなく終わりもない-ある彫刻家の軌跡』〈岩波書店刊〉より)

今回のときの忘れものの展示では、1959年からマン・レイの亡くなる1976年まで続いた二人の交流の軌跡をマン・レイ撮影の宮脇愛子やジュリエット夫人のポートレートのヴィンテージプリントをはじめ、オブジェなどのオリジナル作品他で辿り、当時の宮脇愛子の平面作品(油彩他、ミクストメディア)も展示します。
作品の他にも磯崎新撮影によるマン・レイのアトリエでの貴重な写真や、マン・レイやジュリエット夫人、瀧口修造たちの手紙、マン・レイから宮脇に贈られた夥しいカタログ、書籍、案内状などの一部も初公開します。

さらに宮脇愛子の版画(銅版、シルクスクリーン)、マルチプル作品なども展示し、宮脇へのインタビューを収録したDVDの上映などによりその多彩な制作活動の一端もご紹介します。
会期も10月16日までたっぷり3週間(会期中無休)とりましたので、ぜひ遠方の方もご来場ください。

マンレイ1
マン・レイが宮脇愛子に贈ったオブジェ
《Boite d’allumettes(マッチ箱)》
1962年頃

なお、この展覧会のために、宮脇愛子のオリジナル・シルクスクリーン入り小冊子を限定発行します。

シルクスクリーン入り小冊子『宮脇愛子 マン・レイへのオマージュ』(DVD付き)
マン・レイの作品「パン・パン 回転扉」よりインスパイアーされ、宮脇愛子がマン・レイとコラボレーションした作品。マン・レイと宮脇愛子の交流の軌跡をたどる。
限定25部
サイズ:18.0x14.5cm
折本形式(蛇腹)、表裏各15ページ、

宮脇愛子オリジナルドローイング、自筆サイン入り
宮脇愛子が1959年より2010年まで制作したドローイングより厳選のシルクスクリーン13点挿入
(シルクスクリーン刷り:石田了一)
磯崎新撮影・「アトリエのマン・レイと宮脇愛子」カラー写真1点貼り込み
宮脇愛子に贈られたマン・レイ作品の画像貼り込み(印刷)
マン・レイとの交流と、『うつろひ』への宮脇愛子インタビュー DVD(約10分)付

発行:ときの忘れもの

価格:ステップアップ方式
  1/25~8/25  105,000円
  9/25~20/25  157,500円
21/25~25/25 210,000円

納品:一冊一冊手作りですので、納品は展覧会終了後、順次申し込み順にお送りします。
受付を開始しましたので、お早めにお申し込みください。

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マン・レイ(Man Ray)
1890年アメリカ生まれ、本名エマニュエル・ラドニツキー。1915年頃からマン・レイと名乗る。建築を学ぶが、1908年頃からアルフレッド・スティーグリッツの291画廊などに通うようになり、絵画の道を選んで1912年フェレール・センターで絵を学ぶ。1915年初個展を開催するが不評に終わる。同年、マルセル・デュシャンと知り合う。この頃から自分の作品を記録するためカメラで撮影する。1920年デュシャンらと前衛芸術の美術館「ソシエテ・アノニム」を創設。翌年、デュシャンと雑誌『ニューヨーク・ダダ』を発行(1号で廃刊)。同年、パリに移住しダダイストたちと交流を始める。画家の作品や作家のポートレートを撮影し、写真家として知られる。偶然見つけた技法にトリスタン・ツァラがレイヨグラフと命名(マン・レイ自身が命名したという説もあり)。キキと知り合い同棲を始める。1922年頃からファッション写真や肖像写真などを撮る。1924年以降ブルトンらのシュルレアリスム運動に協力するが、ダダイストとの交流も継続。1926年初の映像作品「エマク・バキア」発表。1929年リー・ミラーが暗室助手となり、ソラリゼーションを発見する。1940年ドイツ軍のパリ侵攻に伴い、単身アメリカに戻る。ニューヨークからハリウッドに行き、ジュリエットと知り合う。1941年写真を撮らないと宣言、パリに残してきた油彩の複製を制作。1951年再びパリに移る。この頃からピエール・ガスマンがプリンターとして手伝う。1961年ヴェネツィア・ビエンナーレで金賞を受賞。1966年アメリカで初の大回顧展がロサンゼルス・カウンティ美術館で開かれる。1976年ヴェネツィア・ビエンナーレで回顧展開催。フランス政府より芸術功労章を授与される。同年永逝(享年86)。

宮脇愛子(Aiko MIYAWAKI)
1929年東京生まれ。1952年日本女子大学文学部史学科卒業。阿部展也、斎藤義重に師事。1957-66年欧米各地に滞在し、制作活動を行なう。真鍮、石、ガラスを用いた立体作品のほか油彩や墨絵を制作。代表的な彫刻作品《うつろひ》は、モンジュイック・オリンピック広場(バルセロナ)、ラ・デファンス(パリ)、奈義町現代美術館など世界各地にコレクションされている。1998年神奈川県立近代美術館で回顧展、国内外で個展を多数開催。宮脇のシルクスクリーンや銅版画からは繊細で静かな華やかさが漂う。マン・レイが撮影したモナリザのポーズの若き日の宮脇の肖像写真は、夫君の磯崎新のデザインでシルクスクリーンのポスターにもなった。しなやかな金属ワイヤーによる〈うつろい〉がもたらす軽やかで爽やかな空間のゆらぎは、宮脇の独創で、 自然と人間の感性が共鳴する新たな現代美術の可能性を人々に訴えかけている。

◆マン・レイと宮脇愛子展会期中の10月8日(金)の午後7時から「写真を買おう!! ときの忘れものフォトビューイング」の第2回を開催します。
ホストをつとめるコレクターの原茂さんが第2回目のゲストに招いたのは写真家の渡部さとるさんです。渡部さんはワークショップや、フォトビューイングも自ら主宰しており、今回のテーマは写真を買うと・・・写真が上手になる。渡部コレクションから、森山大道、ウィリアム・クライン、田中長徳、北井一夫、ハービー山口、小林紀晴らの作品も購入可能です。
予約制、参加費1,000円です。参加のお申し込みは、メール(info@tokinowasuremono.com)またはお電話(03-3470-2631)でお願いいたします。