浜田宏司の展覧会ナナメ読み No.5
「韓国アートツアー2013 <夏>」
記録的な猛暑日が続いたのこの夏、どのように過ごされましたか?
アートファンにとっても今年の夏は、「瀬戸内芸術祭」「あいちトリエンナーレ2013」、「堂島ビエンナーレ」、ミュージック×アートの併催フェスティバル「SNIF OUT」など、例年になく大型イベントが重なり、日本列島を文字通りアートウエーブが席巻した熱い夏だったのではないでしょうか?
我がときの忘れものも、7月のアート大阪に始まり8月に開催されたアート名古屋など、獅子奮迅・・・・? いや、孤軍奮闘でアートウエーブを乗り切った夏になったと亭主から聞き及んでおります。
さて、日本のアートウエーブは日本だけではなく、おとなり韓国にもその影響を及ぼしているようです。8月の初めに韓国出張したときの状況をレポートしましょう。




現在、六本木ヒルズでユニークなインスタレーションが展開されている草間彌生は、「韓国で最も人気のあるアーティストです」と、言い切っても過言ではないでしょう。その草間彌生の大規模な企画展が、大邱市美術館で開催されていました。渡航前の朝日新聞の記事で「過去最大規模の企画展」と紹介されているように、広々とした空間を利用した展示は圧巻でした。正直言って、個人的には大味な展示ではないかと感じるところもあるのですが、アジア圏の来場者を想定した場合、希少性や資料性の高い作品展示よりもインパクトの強い展示構成に内容が偏ってしまうのは否めないのかなと推測しています。また、当初は予定に入れていたにも関わらず、移動時間の都合で今回は観る事が出来なかったのですが、サムスン美術館プラトー(ソウル)で開催されている村上隆の回顧展は、アート系雑誌の表紙を飾るなどその他メディアでの露出も多く、期待の展覧会として話題を集めているようです。次回韓国出張の楽しみとしましょう。




今回の韓国出張の主な目的は、今年で16回の開催を数えるイチョン市で開催されている国際彫刻シンポジウムのオープニングセレモニーに出席する事でした。この歴史ある彫刻シンポジウムに、本年度の岡本太郎賞を受賞した"鉄の芸術家"加藤智大がGallery CAUTIONの推薦で参加する運びとなり、3週間の滞在制作ののち、コンセプチュアル且つスケールの大きな作品を制作しました。この作品は市の買い上げ作品となり市内の彫刻公園にパブリックアートとして設置される予定です。
また、9月には、元数寄屋大工というキャリアを持つ美術家佐野文彦が、釜山ビエンナーレの関連企画展として開催される野外彫刻展でスチール製の茶室を制作します。そう、釜山といえば、ときの忘れものの大阪ー名古屋と続いたアートフェアツアーで大好評だった韓国の若手作家ハ・ミョンウンさんの新作を見る機会を得ました。場所は韓国の大手ギャラリーガナアートのブランチ「GANA ART BUSAN」です。今年6月の個展で発表された作品ですが、壁一面を使った大胆なインスタレーションが作家の成長を感じさせてくれました。
ハ・ミョンウンさんの新作展示


個人的には、巨匠から若手作家まで日本のアートウエーブを隣国で体験する夏の旅となりましたが、9月に入り韓国も秋の観光シーズンを迎えます。草間彌生の展覧会は11月まで、村上隆の展覧会も12月まで開催されています。ちなみに、ときの忘れものがブースを出すKIAF2013は10月3日から7日の会期となっております。みなさまの旅の予定に入れてみてはいかがでしょうか?
浜田宏司(Gallery CAUTION)
「韓国アートツアー2013 <夏>」
記録的な猛暑日が続いたのこの夏、どのように過ごされましたか?
アートファンにとっても今年の夏は、「瀬戸内芸術祭」「あいちトリエンナーレ2013」、「堂島ビエンナーレ」、ミュージック×アートの併催フェスティバル「SNIF OUT」など、例年になく大型イベントが重なり、日本列島を文字通りアートウエーブが席巻した熱い夏だったのではないでしょうか?
我がときの忘れものも、7月のアート大阪に始まり8月に開催されたアート名古屋など、獅子奮迅・・・・? いや、孤軍奮闘でアートウエーブを乗り切った夏になったと亭主から聞き及んでおります。
さて、日本のアートウエーブは日本だけではなく、おとなり韓国にもその影響を及ぼしているようです。8月の初めに韓国出張したときの状況をレポートしましょう。




現在、六本木ヒルズでユニークなインスタレーションが展開されている草間彌生は、「韓国で最も人気のあるアーティストです」と、言い切っても過言ではないでしょう。その草間彌生の大規模な企画展が、大邱市美術館で開催されていました。渡航前の朝日新聞の記事で「過去最大規模の企画展」と紹介されているように、広々とした空間を利用した展示は圧巻でした。正直言って、個人的には大味な展示ではないかと感じるところもあるのですが、アジア圏の来場者を想定した場合、希少性や資料性の高い作品展示よりもインパクトの強い展示構成に内容が偏ってしまうのは否めないのかなと推測しています。また、当初は予定に入れていたにも関わらず、移動時間の都合で今回は観る事が出来なかったのですが、サムスン美術館プラトー(ソウル)で開催されている村上隆の回顧展は、アート系雑誌の表紙を飾るなどその他メディアでの露出も多く、期待の展覧会として話題を集めているようです。次回韓国出張の楽しみとしましょう。




今回の韓国出張の主な目的は、今年で16回の開催を数えるイチョン市で開催されている国際彫刻シンポジウムのオープニングセレモニーに出席する事でした。この歴史ある彫刻シンポジウムに、本年度の岡本太郎賞を受賞した"鉄の芸術家"加藤智大がGallery CAUTIONの推薦で参加する運びとなり、3週間の滞在制作ののち、コンセプチュアル且つスケールの大きな作品を制作しました。この作品は市の買い上げ作品となり市内の彫刻公園にパブリックアートとして設置される予定です。
また、9月には、元数寄屋大工というキャリアを持つ美術家佐野文彦が、釜山ビエンナーレの関連企画展として開催される野外彫刻展でスチール製の茶室を制作します。そう、釜山といえば、ときの忘れものの大阪ー名古屋と続いたアートフェアツアーで大好評だった韓国の若手作家ハ・ミョンウンさんの新作を見る機会を得ました。場所は韓国の大手ギャラリーガナアートのブランチ「GANA ART BUSAN」です。今年6月の個展で発表された作品ですが、壁一面を使った大胆なインスタレーションが作家の成長を感じさせてくれました。
ハ・ミョンウンさんの新作展示

個人的には、巨匠から若手作家まで日本のアートウエーブを隣国で体験する夏の旅となりましたが、9月に入り韓国も秋の観光シーズンを迎えます。草間彌生の展覧会は11月まで、村上隆の展覧会も12月まで開催されています。ちなみに、ときの忘れものがブースを出すKIAF2013は10月3日から7日の会期となっております。みなさまの旅の予定に入れてみてはいかがでしょうか?
浜田宏司(Gallery CAUTION)
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