野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」 第5回
明日から個展開始です
明日からときの忘れものさんで二年ぶり二回目の個展を開催させて頂くので、今回は出展する作品についての解説を書こうと思いますが、その前にシンガポールでのアートフェアのご報告を手短に。
シンガポールへは行くのも初めてでしたが、治安も良く、古いものと新しいもの、様々な文化や民族が混ざりながらもバランスのとれているとても刺激的な面白い国でした。
今回のアートフェアは第一回という事もあり、来場者数的にもまだまだ認知度が高いとは思えませんでしたが、ときの忘れものブースは葉栗剛さんのインパクトある木彫作品や、何処へ行っても人気のある秋葉シスイさんの作品などの相乗効果もあり、フェア全体をみても最も注目を浴びていたと思います。
僕の作品も最終日に何とか大作「I unleash」を売約頂く事ができ、やっと売上にも貢献する事ができたので一安心でした。
また、斬新な植物園をはじめ、少し観光にも行く事ができて充実した滞在となりました。
またチャンスを頂ける事があれば、ぜひまたシンガポールで展示ができればと思います。
では簡単に、個展に出展する作品の解説をしたいと思います。
出展作品数は全12点、一番の大作は150号Mの「Landscape#32」で、このシリーズ内では最大となる迫力ある作品になりました。
Landscapeシリーズは記憶に残る風景の断片をコラージュするように制作していますが、今回出展するLandscapeシリーズ全4点、どれも個性の違う魅力ある作品になったと思います。
野口琢郎
「Landscape#32」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
227.3x145.5cm (150号M)
サインあり
野口琢郎
「Landscape#31」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
65.2x53.0cm (15号F)
サインあり
野口琢郎
「Landscape#30」
2013年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
91.0x182.0cm サインあり
野口琢郎
「Landscape#28」
2013年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
116.7x90.9cm (50号F)
サインあり
また、今年から制作を始めた「I …」シリーズを今回は6点出展致します。
「I …」シリーズは 、まず先に I …(私は…)で始まるタイトルを決めてから制作をしています。
「I think」は作品の構想や様々な人間関係の中でまさに「考えている」イメージを表現したもので、
「I thought」は考えた結果を少し客観視して表現した作品です。
「I pray」は隠しながら密かに願い、祈るイメージを表現し、
「I feel」は繊細に、敏感に感じる感覚を表現、
「I wish」は願いの想いが空へ沸き立つイメージを表現しました。
野口琢郎
「I think」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
65.2x45.5cm (15号M)
サインあり
野口琢郎
「I think」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
41.0x24.2cm (6号M)
サインあり
野口琢郎
「I thought」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
65.2x50.0cm (15号P)
サインあり
野口琢郎
「I pray」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂)
41.0x24.2cm (6号M)
サインあり
野口琢郎
「I feel」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
40.9x31.8cm (6号F)
サインあり
野口琢郎
「I wish」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
45.5x37.9cm (8号F)
サインあり
その他「Quiet hope」は夕暮れの最後の光が水平線に残る風景、星に静かな願いを込めました。
野口琢郎
「Quiet hope」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
42.5x91.0cm サインあり
「光へ」は闇を越え、希望の光に向かって飛ぶ鳥を描いています。
野口琢郎
「光へ」
2011年
箔画(木パネル、漆、土、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
37.9x45.5cm (8号F)
サインあり
以上12点、色々なシリーズが混じる展示となりますが、
試行錯誤しながら、もがき、作る、今現在の野口琢郎の最大限のすべてを感じて頂ける個展になるかと思います。
箔画の魅力は光によって変化する輝きであり、大作の迫力や、「I…」シリーズの画面盛り上げによる立体感は実物の作品を観て頂かなければ伝える事ができませんので、ぜひギャラリーにて実物の作品をご高覧くださいませ。
毎日在廊し、皆様のご来場をお待ちしております、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(のぐち たくろう)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。12月にはときの忘れもので新作個展を開催します。
◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・新連載frgmの皆さんによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は毎月5日の更新です。
・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」は毎月8日の更新です。
・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は毎月11日の更新です。
・土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は毎月13日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・故・木村利三郎のエッセイ、70年代NYのアートシーンを活写した「ニューヨーク便り」は毎月17日に再録掲載します。
・井桁裕子のエッセイ「私の人形制作」は毎月20日の更新です。
・小林美香のエッセイ「母さん目線の写真史」は毎月25日の更新です。
・「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」は終了しました。
「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」は英文版とともに随時更新します。
・浜田宏司のエッセイ「展覧会ナナメ読み」は随時更新します。
・深野一朗のエッセイは随時更新します。
・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイ他を随時更新します。
・故・針生一郎の「現代日本版画家群像」の再録掲載は終了しました。
・故・難波田龍起のエッセイ「絵画への道」の再録掲載は終了しました。
・森下泰輔のエッセイ「私のAndy Warhol体験」は終了しました。
・ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
今までのバックナンバーはコチラをクリックしてください。
◆ときの忘れものは2014年12月16日[火]―12月27日[土]「野口琢郎展」を開催します(*会期中無休)。
ときの忘れものでは、2012年の個展に続き、2回目となる作品展を開催します。新作を中心に、大作の〈Landscape〉など約12点をご覧いただきます。
家業である京都西陣の箔屋に代々伝わる伝統的な引箔制作の技法を用いながら、漆と箔を駆使した新たな美術表現に取り組む野口琢郎ですが、最近はソウル、シンガポールのアートフェアに参加し、またNHK海外向け放送で紹介されるなど、国際的な舞台での活躍が増えています。
様々な風景の断片をコラージュするように制作する〈Landscape〉シリーズや、花火をモチーフにしたシリーズ、海と空、夜明けや星空などの風景を題材に、希望の光を感じられる「美しさ」を作品に表現しています。
●初日16日(火)17時より野口琢郎さんを囲んでオープニングを開催します。
●12月19日(金)18時より野口琢郎さんと三上豊さん(和光大学教授)を迎えてギャラリートークを開催します。
※要予約/参加費1,000円
※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
明日から個展開始です
明日からときの忘れものさんで二年ぶり二回目の個展を開催させて頂くので、今回は出展する作品についての解説を書こうと思いますが、その前にシンガポールでのアートフェアのご報告を手短に。
シンガポールへは行くのも初めてでしたが、治安も良く、古いものと新しいもの、様々な文化や民族が混ざりながらもバランスのとれているとても刺激的な面白い国でした。
今回のアートフェアは第一回という事もあり、来場者数的にもまだまだ認知度が高いとは思えませんでしたが、ときの忘れものブースは葉栗剛さんのインパクトある木彫作品や、何処へ行っても人気のある秋葉シスイさんの作品などの相乗効果もあり、フェア全体をみても最も注目を浴びていたと思います。
僕の作品も最終日に何とか大作「I unleash」を売約頂く事ができ、やっと売上にも貢献する事ができたので一安心でした。
また、斬新な植物園をはじめ、少し観光にも行く事ができて充実した滞在となりました。
またチャンスを頂ける事があれば、ぜひまたシンガポールで展示ができればと思います。
では簡単に、個展に出展する作品の解説をしたいと思います。
出展作品数は全12点、一番の大作は150号Mの「Landscape#32」で、このシリーズ内では最大となる迫力ある作品になりました。
Landscapeシリーズは記憶に残る風景の断片をコラージュするように制作していますが、今回出展するLandscapeシリーズ全4点、どれも個性の違う魅力ある作品になったと思います。
野口琢郎「Landscape#32」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
227.3x145.5cm (150号M)
サインあり
野口琢郎「Landscape#31」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
65.2x53.0cm (15号F)
サインあり
野口琢郎「Landscape#30」
2013年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
91.0x182.0cm サインあり
野口琢郎「Landscape#28」
2013年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
116.7x90.9cm (50号F)
サインあり
また、今年から制作を始めた「I …」シリーズを今回は6点出展致します。
「I …」シリーズは 、まず先に I …(私は…)で始まるタイトルを決めてから制作をしています。
「I think」は作品の構想や様々な人間関係の中でまさに「考えている」イメージを表現したもので、
「I thought」は考えた結果を少し客観視して表現した作品です。
「I pray」は隠しながら密かに願い、祈るイメージを表現し、
「I feel」は繊細に、敏感に感じる感覚を表現、
「I wish」は願いの想いが空へ沸き立つイメージを表現しました。
野口琢郎「I think」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
65.2x45.5cm (15号M)
サインあり
野口琢郎「I think」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
41.0x24.2cm (6号M)
サインあり
野口琢郎「I thought」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
65.2x50.0cm (15号P)
サインあり
野口琢郎「I pray」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀・プラチナ箔、石炭、樹脂)
41.0x24.2cm (6号M)
サインあり
野口琢郎「I feel」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
40.9x31.8cm (6号F)
サインあり
野口琢郎「I wish」
2014年
箔画(木パネル、漆、金箔、石炭、樹脂)
45.5x37.9cm (8号F)
サインあり
その他「Quiet hope」は夕暮れの最後の光が水平線に残る風景、星に静かな願いを込めました。
野口琢郎「Quiet hope」
2014年
箔画(木パネル、漆、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
42.5x91.0cm サインあり
「光へ」は闇を越え、希望の光に向かって飛ぶ鳥を描いています。
野口琢郎「光へ」
2011年
箔画(木パネル、漆、土、金・銀箔、石炭、樹脂、透明アクリル絵具)
37.9x45.5cm (8号F)
サインあり
以上12点、色々なシリーズが混じる展示となりますが、
試行錯誤しながら、もがき、作る、今現在の野口琢郎の最大限のすべてを感じて頂ける個展になるかと思います。
箔画の魅力は光によって変化する輝きであり、大作の迫力や、「I…」シリーズの画面盛り上げによる立体感は実物の作品を観て頂かなければ伝える事ができませんので、ぜひギャラリーにて実物の作品をご高覧くださいませ。
毎日在廊し、皆様のご来場をお待ちしております、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(のぐち たくろう)
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
■野口琢郎 Takuro NOGUCHI(1975-)
1975年京都府生まれ。1997年京都造形芸術大学洋画科卒業。2000年長崎市にて写真家・東松照明の助手に就く。2001年京都西陣の生家に戻り、家業である箔屋野口の五代目を継ぐため修行に入る。その後も精力的に創作活動を続け、2004年の初個展以来毎年個展を開催している。12月にはときの忘れもので新作個展を開催します。
◆ときの忘れもののブログは下記の皆さんのエッセイを連載しています。
・大竹昭子のエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
・新連載frgmの皆さんによるエッセイ「ルリユール 書物への偏愛」は毎月3日の更新です。
・石原輝雄のエッセイ「マン・レイへの写真日記」は毎月5日の更新です。
・笹沼俊樹のエッセイ「現代美術コレクターの独り言」は毎月8日の更新です。
・芳賀言太郎のエッセイ「El Camino(エル・カミーノ) 僕が歩いた1600km」は毎月11日の更新です。
・土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」は毎月13日の更新です。
・野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
・故・木村利三郎のエッセイ、70年代NYのアートシーンを活写した「ニューヨーク便り」は毎月17日に再録掲載します。
・井桁裕子のエッセイ「私の人形制作」は毎月20日の更新です。
・小林美香のエッセイ「母さん目線の写真史」は毎月25日の更新です。
・「スタッフSの海外ネットサーフィン」は毎月26日の更新です。
・森本悟郎のエッセイ「その後」は毎月28日の更新です。
・植田実のエッセイ「美術展のおこぼれ」は、更新は随時行います。
同じく植田実のエッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」は終了しました。
「本との関係」などのエッセイのバックナンバーはコチラです。
・飯沢耕太郎のエッセイ「日本の写真家たち」は英文版とともに随時更新します。
・浜田宏司のエッセイ「展覧会ナナメ読み」は随時更新します。
・深野一朗のエッセイは随時更新します。
・「久保エディション」(現代版画のパトロン久保貞次郎)は随時更新します。
・「殿敷侃の遺したもの」はゆかりの方々のエッセイ他を随時更新します。
・故・針生一郎の「現代日本版画家群像」の再録掲載は終了しました。
・故・難波田龍起のエッセイ「絵画への道」の再録掲載は終了しました。
・森下泰輔のエッセイ「私のAndy Warhol体験」は終了しました。
・ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」として紹介します。土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
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◆ときの忘れものは2014年12月16日[火]―12月27日[土]「野口琢郎展」を開催します(*会期中無休)。
ときの忘れものでは、2012年の個展に続き、2回目となる作品展を開催します。新作を中心に、大作の〈Landscape〉など約12点をご覧いただきます。家業である京都西陣の箔屋に代々伝わる伝統的な引箔制作の技法を用いながら、漆と箔を駆使した新たな美術表現に取り組む野口琢郎ですが、最近はソウル、シンガポールのアートフェアに参加し、またNHK海外向け放送で紹介されるなど、国際的な舞台での活躍が増えています。
様々な風景の断片をコラージュするように制作する〈Landscape〉シリーズや、花火をモチーフにしたシリーズ、海と空、夜明けや星空などの風景を題材に、希望の光を感じられる「美しさ」を作品に表現しています。
●初日16日(火)17時より野口琢郎さんを囲んでオープニングを開催します。
●12月19日(金)18時より野口琢郎さんと三上豊さん(和光大学教授)を迎えてギャラリートークを開催します。
※要予約/参加費1,000円
※必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、メールにてお申込ください。
E-mail. info@tokinowasuremono.com
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