「オノサトさんの”花筵(はなむしろ)”みたいなのは僕はきらいだよ」
亭主が長年オノサト作品を扱ってきた中で聞いた最大の誉め言葉(?)の発言主は、井上房一郎(1898年5月13日 - 1993年7月27日)さんでした。
出品No.7)
オノサト・トシノブ
「四つの丸 白・黒・グレー」
1958年
水彩
28.4x19.0cm Signed
出品No.9)
オノサト・トシノブ
「二つの丸 朱と紺」
1959年
水彩
16.7x26.0cm Signed
出品No.11)
オノサト・トシノブ
「作品(水彩)」
1985年
水彩、和紙
Image size: 21.2x14.0cm
Signed
出品No.85)
オノサト・トシノブ
「F-9」
1985年
シルクスクリーン
Image size: 22.0x27.2cm
Ed.100 Signed
※レゾネNo.205
出品No.86)
オノサト・トシノブ
「F-10」
1985年
シルクスクリーン
Image size: 22.0x27.2cm
Ed.100 Signed
※レゾネNo.206
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
「はなむしろ」とは言いも言ったり、自信満々でオノサト作品を高崎の井上邸(アントニン・レーモンドの自邸のコピー)に持参したときのことを思い出すと、今でもふき出しそうになります。
井上さんの寸鉄人を刺す言葉の数々は亭主の大切な宝ものです。
1961年、群馬県吾妻郡嬬恋村の高原地帯で育った山猿が毎日映画をやっている(映画館が何軒もある)きらめく大都会高崎に下りてきてバンカラな校風の高崎高校に入学しました。
校庭には男子校に似合わぬ薔薇の花が700株も植えられていて毎朝三つ揃いを着た小柄な紳士が手入れに登校してくるのでした。
周囲にいる高校生たちに手伝わせ、水遣りや剪定が終わると校長室に土足のままでずかずか入り、迎えの車が来るまで一休みするその紳士は、気が向くと突然美術教師を追い出し、セザンヌの講義をするという15歳の少年にとっては不思議な人でした。
井上さんは戦前ナチスを逃れて来日したブルー・タウトを高崎に招き、戦中は特高に付狙われる左翼やリベラリストを軍需産業だった自分の会社(井上工業)に入社させ庇護します。
「僕はアカ(共産主義者)は嫌いだが、若く才能のある人が思想でもって処罰されるのは反対だったから」
戦後は地方初のオーケストラ(群馬交響楽団)を創設、その本拠としてアントニン・レーモンドに設計を依頼し群馬音楽センターの建設に尽力し、群馬県立近代美術館の設計者に若き日の磯崎新先生を選んだのも井上さんでした。
10代の少年たちに語る井上さんの夢は「高崎に音楽、美術、そして哲学の場をつくる」ことでした。
ブログで熊倉浩靖著『井上房一郎・人と功績』の紹介を3回にわけて紹介したことがあるのでお読みください。(その1、その2、その3)。
1964年
高崎高校マンドリン・オーケストラ(TMO)の送別会にて
中央が井上房一郎さん
右端の俯く美少年が亭主です。
音楽と井上さんのことは拙文「萩原朔太郎と井上房一郎 TMOと群響を結ぶ音楽への夢」をお読みください。
井上さんが亡くなったのは1993年の今日でした。享年95。
亭主は15歳から約30年にわたり、ことあるごとに井上さんを訪ね、泣き言を言い、助けを求め、教えを乞いました。
井上さんを偲びながら、「花筵の画家」オノサト先生の作品をこれからも多くの人たちに紹介してゆきたいと思っています。
●井上さんの愛したブルーノ・タウトに関する本をご紹介しましょう。
『ブルーノ・タウトの工芸 ニッポンに遺したデザイン』
2013年
LIXIL出版 発行
76ページ
20.5x21.1cm
目次:
・ブルーノ・タウトの工芸作品
螺鈿/木工/竹工/硝子/漆/照明/椅子/玩具
・建築家の休日 水原徳言
・面影を求めて
意匠/手技/次代へ/再考
工芸デッサン i~viii
・SIEDLUNG 建築作品
・「ブルーノ・タウトと建築作品」田中辰明
・「工芸作品に見る創造―偉大な日本の伝統との対話」庄子晃子
◆ときの忘れものは2015年7月25日[土]―8月8日[土]「オノサト・トシノブ展―初期具象から晩年まで」を開催しています(*会期中無休)。
1934年の長崎風景をはじめとする戦前戦後の具象作品から、1950年代のベタ丸を経て晩年までの油彩、水彩、版画をご覧いただき、オノサト・トシノブ(1912~1986)の表現の変遷をたどります。
会場が狭いので実際に展示するのは20数点ですが、作品はシートを含め92点を用意したのでお声をかけてくれればば全作品をご覧にいれます。
全92点のリストはホームページに掲載しました。
価格リストをご希望の方は、「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してメールにてお申し込みください。
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●作家と作品については亭主の駄文「オノサト・トシノブの世界」をお読みください。
亭主が長年オノサト作品を扱ってきた中で聞いた最大の誉め言葉(?)の発言主は、井上房一郎(1898年5月13日 - 1993年7月27日)さんでした。
出品No.7)オノサト・トシノブ
「四つの丸 白・黒・グレー」
1958年
水彩
28.4x19.0cm Signed
出品No.9)オノサト・トシノブ
「二つの丸 朱と紺」
1959年
水彩
16.7x26.0cm Signed
出品No.11)オノサト・トシノブ
「作品(水彩)」
1985年
水彩、和紙
Image size: 21.2x14.0cm
Signed
出品No.85)オノサト・トシノブ
「F-9」
1985年
シルクスクリーン
Image size: 22.0x27.2cm
Ed.100 Signed
※レゾネNo.205
出品No.86)オノサト・トシノブ
「F-10」
1985年
シルクスクリーン
Image size: 22.0x27.2cm
Ed.100 Signed
※レゾネNo.206
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
「はなむしろ」とは言いも言ったり、自信満々でオノサト作品を高崎の井上邸(アントニン・レーモンドの自邸のコピー)に持参したときのことを思い出すと、今でもふき出しそうになります。
井上さんの寸鉄人を刺す言葉の数々は亭主の大切な宝ものです。
1961年、群馬県吾妻郡嬬恋村の高原地帯で育った山猿が毎日映画をやっている(映画館が何軒もある)きらめく大都会高崎に下りてきてバンカラな校風の高崎高校に入学しました。
校庭には男子校に似合わぬ薔薇の花が700株も植えられていて毎朝三つ揃いを着た小柄な紳士が手入れに登校してくるのでした。
周囲にいる高校生たちに手伝わせ、水遣りや剪定が終わると校長室に土足のままでずかずか入り、迎えの車が来るまで一休みするその紳士は、気が向くと突然美術教師を追い出し、セザンヌの講義をするという15歳の少年にとっては不思議な人でした。
井上さんは戦前ナチスを逃れて来日したブルー・タウトを高崎に招き、戦中は特高に付狙われる左翼やリベラリストを軍需産業だった自分の会社(井上工業)に入社させ庇護します。
「僕はアカ(共産主義者)は嫌いだが、若く才能のある人が思想でもって処罰されるのは反対だったから」
戦後は地方初のオーケストラ(群馬交響楽団)を創設、その本拠としてアントニン・レーモンドに設計を依頼し群馬音楽センターの建設に尽力し、群馬県立近代美術館の設計者に若き日の磯崎新先生を選んだのも井上さんでした。
10代の少年たちに語る井上さんの夢は「高崎に音楽、美術、そして哲学の場をつくる」ことでした。
ブログで熊倉浩靖著『井上房一郎・人と功績』の紹介を3回にわけて紹介したことがあるのでお読みください。(その1、その2、その3)。
1964年高崎高校マンドリン・オーケストラ(TMO)の送別会にて
中央が井上房一郎さん
右端の俯く美少年が亭主です。
音楽と井上さんのことは拙文「萩原朔太郎と井上房一郎 TMOと群響を結ぶ音楽への夢」をお読みください。
井上さんが亡くなったのは1993年の今日でした。享年95。
亭主は15歳から約30年にわたり、ことあるごとに井上さんを訪ね、泣き言を言い、助けを求め、教えを乞いました。
井上さんを偲びながら、「花筵の画家」オノサト先生の作品をこれからも多くの人たちに紹介してゆきたいと思っています。
●井上さんの愛したブルーノ・タウトに関する本をご紹介しましょう。
『ブルーノ・タウトの工芸 ニッポンに遺したデザイン』2013年
LIXIL出版 発行
76ページ
20.5x21.1cm
目次:
・ブルーノ・タウトの工芸作品
螺鈿/木工/竹工/硝子/漆/照明/椅子/玩具
・建築家の休日 水原徳言
・面影を求めて
意匠/手技/次代へ/再考
工芸デッサン i~viii
・SIEDLUNG 建築作品
・「ブルーノ・タウトと建築作品」田中辰明
・「工芸作品に見る創造―偉大な日本の伝統との対話」庄子晃子
◆ときの忘れものは2015年7月25日[土]―8月8日[土]「オノサト・トシノブ展―初期具象から晩年まで」を開催しています(*会期中無休)。
1934年の長崎風景をはじめとする戦前戦後の具象作品から、1950年代のベタ丸を経て晩年までの油彩、水彩、版画をご覧いただき、オノサト・トシノブ(1912~1986)の表現の変遷をたどります。会場が狭いので実際に展示するのは20数点ですが、作品はシートを含め92点を用意したのでお声をかけてくれればば全作品をご覧にいれます。
全92点のリストはホームページに掲載しました。
価格リストをご希望の方は、「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してメールにてお申し込みください。
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●作家と作品については亭主の駄文「オノサト・トシノブの世界」をお読みください。
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