日本有数のコレクターであり、児童画教育運動(創美)を展開し、小コレクター運動を唱導した久保貞次郎先生は跡見女子短大学長、町田市立国際版画美術館初代館長などを歴任して、日本の美術界に大きな足跡を残しました。
社長の恩師であり、亭主にとっては美術のイロハを教えてくれ現代版画センターの顧問として物心ともに支援してくださった大恩人です。
久保先生は19年前の今日、1996年10月31日に亡くなられました(享年87)。
私たちが10年ぶりに美術業界に復帰し「ときの忘れもの」を開設して一年後のことでした。
1991年7月27日
旧軽井沢の久保家別荘にて
社長と久保先生

同じく亭主と久保先生
「支持することは買うことだ」という言葉が端的に示しているように、久保先生の作家への支援は文字とおり作品を即金で買い、エディションをつくり、つくった版画は自らが全国の久保シンパに売るという、非常に明快、具体的なものでした。
私たちが版元として多くの作家のマルチプル(版画や立体)をエディションできたのも久保先生のご指導があったればこそでした。
久保先生が集められた作品はいま日本各地の美術館に収蔵され、瑛九やオノサト・トシノブ、靉嘔など多くの作家やコレクターが訪れた栃木県真岡の本宅は久保記念観光文化交流館として一般に公開されています。
このブログでは久保先生が折りにふれて執筆された作家論を<久保貞次郎のエッセイ>として再録しています。
また久保先生が直接関わった版画作品を「久保エディション」として紹介しています。
第1回 桂ゆき
第2回 瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』
第3回 吉田克朗
第4回 殿敷侃
第5回 久保卓治
まだまだたくさんあるのですが、時間を見つけてこれからも順次紹介してまいります。
●東京ステーションギャラリーでは<『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎>展が開催されています。
会期:2015年9月19日(土)-11月3日(火・祝)
1914年に刊行された作品集『月映』は、当時20代前半の美術学生、田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎らによる木版画と詩の雑誌です。田中恭吉の死を迎えた頃、1年ほどで終刊となりましたが、日本の版画史に清冽な足跡を残しました。
恩地孝四郎(1891-1955)は創作版画というより、日本の抽象絵画の先駆者としてもっともっと評価されていい世界的な作家だと亭主は考えています。
その再評価のきっかけとなったのが1975年に形象社から刊行された『恩地孝四郎版画集』です。出版に奔走したのが恩地の長女・三保子さんですが、それを知った久保先生が惜しみない支援の手を差し伸べたことは記憶されていいでしょう。
●今日はちょっと珍品を紹介しましょう。やはり久保エディションのひとつですが、オノサト・トシノブ先生が久保先生の求めに応じて制作した蔵書票です。

オノサト・トシノブ
「久保蔵書票(黄)」
Image size: 9.8x7.0cm
サインあり
●さらに一点、恩地孝四郎作品をご紹介します。
恩地孝四郎
「失題」
1936年
色鉛筆、紙
Image size :表25.0x19.5cm
Image size :裏26.5x22.0cm
Sheet size :27.7x24.3cm
裏
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「瀧口修造展 IV」は本日が最終日です。

ときの忘れものでは昨年から3度にわたり「瀧口修造展」を開催してまいりましたが、本展はその第4回目に当たり、また昨年11月に開催した「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展の後半ということにもなります。
瀧口修造の『マルセル・デュシャン語録』と未発表のデカルコマニーを中心に、同語録の製作に協力した作家たち(マルセル・デュシャン、ジャスパー・ジョーンズ、ジャン・ティンゲリー、荒川修作、他)の作品を約25点展示します。
●ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」としてまとめています。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
●出品リストはホームページに掲載しました。
価格リストをご希望の方は、「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してメールにてお申し込みください。
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社長の恩師であり、亭主にとっては美術のイロハを教えてくれ現代版画センターの顧問として物心ともに支援してくださった大恩人です。
久保先生は19年前の今日、1996年10月31日に亡くなられました(享年87)。
私たちが10年ぶりに美術業界に復帰し「ときの忘れもの」を開設して一年後のことでした。
1991年7月27日旧軽井沢の久保家別荘にて
社長と久保先生

同じく亭主と久保先生
「支持することは買うことだ」という言葉が端的に示しているように、久保先生の作家への支援は文字とおり作品を即金で買い、エディションをつくり、つくった版画は自らが全国の久保シンパに売るという、非常に明快、具体的なものでした。
私たちが版元として多くの作家のマルチプル(版画や立体)をエディションできたのも久保先生のご指導があったればこそでした。
久保先生が集められた作品はいま日本各地の美術館に収蔵され、瑛九やオノサト・トシノブ、靉嘔など多くの作家やコレクターが訪れた栃木県真岡の本宅は久保記念観光文化交流館として一般に公開されています。
このブログでは久保先生が折りにふれて執筆された作家論を<久保貞次郎のエッセイ>として再録しています。
また久保先生が直接関わった版画作品を「久保エディション」として紹介しています。
第1回 桂ゆき
第2回 瀧口修造の詩による版画集『スフィンクス』
第3回 吉田克朗
第4回 殿敷侃
第5回 久保卓治
まだまだたくさんあるのですが、時間を見つけてこれからも順次紹介してまいります。
●東京ステーションギャラリーでは<『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎>展が開催されています。
会期:2015年9月19日(土)-11月3日(火・祝)
1914年に刊行された作品集『月映』は、当時20代前半の美術学生、田中恭吉、藤森静雄、恩地孝四郎らによる木版画と詩の雑誌です。田中恭吉の死を迎えた頃、1年ほどで終刊となりましたが、日本の版画史に清冽な足跡を残しました。
恩地孝四郎(1891-1955)は創作版画というより、日本の抽象絵画の先駆者としてもっともっと評価されていい世界的な作家だと亭主は考えています。
その再評価のきっかけとなったのが1975年に形象社から刊行された『恩地孝四郎版画集』です。出版に奔走したのが恩地の長女・三保子さんですが、それを知った久保先生が惜しみない支援の手を差し伸べたことは記憶されていいでしょう。
●今日はちょっと珍品を紹介しましょう。やはり久保エディションのひとつですが、オノサト・トシノブ先生が久保先生の求めに応じて制作した蔵書票です。

オノサト・トシノブ
「久保蔵書票(黄)」
Image size: 9.8x7.0cm
サインあり
●さらに一点、恩地孝四郎作品をご紹介します。
恩地孝四郎「失題」
1936年
色鉛筆、紙
Image size :表25.0x19.5cm
Image size :裏26.5x22.0cm
Sheet size :27.7x24.3cm
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◆「瀧口修造展 IV」は本日が最終日です。

ときの忘れものでは昨年から3度にわたり「瀧口修造展」を開催してまいりましたが、本展はその第4回目に当たり、また昨年11月に開催した「瀧口修造とマルセル・デュシャン」展の後半ということにもなります。
瀧口修造の『マルセル・デュシャン語録』と未発表のデカルコマニーを中心に、同語録の製作に協力した作家たち(マルセル・デュシャン、ジャスパー・ジョーンズ、ジャン・ティンゲリー、荒川修作、他)の作品を約25点展示します。
●ときの忘れものでは2014年からシリーズ企画「瀧口修造展」を開催し、関係する記事やテキストを「瀧口修造の世界」としてまとめています。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造とマルセル・デュシャン」、「瀧口修造の箱舟」と合わせてお読みください。
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