台湾に出張してから、いまいちからだの調子がよくありません。画廊に出てきても午後になるとウツラウツラ・・・・
実務はほとんどスタッフに丸投げ状態なので、仕事は回って行くのですが、それでもどうしても外せない打合せもあるし、そもそも見ておかねばならない展覧会もたくさんある。

●11月27日掃除洗濯に忙しい社長を拝み倒して群馬県桐生の大川美術館に行ってまいりました。
いつもは浅草から東武線で向かっていたのですが、今回は初めて宇都宮線の小山経由のルートをとりました、がこれが大失敗。小山駅構内で湘南新宿ラインのホームの端から両毛線のホームまでが、はるか延々・・・・
階段をかけ下りた途端、電車がスーと出て行ってしまった。一時間に一本しか電車はない(トホホ)。
20161127_桐生大川美術館「松本竣介と野田英夫展」_01結局朝の11時に家を出て、大川美術館にたどり着いたのはもう薄暗くなった午後3時半でした。
今回の「松本竣介と野田英夫展」は私たちも少しお手伝いしたので、桐生の親戚にも連絡しようと思ったのですが展示を見ただけで帰路につきました。

20161127_桐生大川美術館「松本竣介と野田英夫展」_03小規模ですが期待にたがわずしみじみとしたいい展覧会でした。
昨日の喜夛孝臣さんのエッセイをぜひお読みください。
松本竣介の「街(1938)」はこの美術館の宝ですね。

20161127_桐生大川美術館「松本竣介と野田英夫展」_05夭折した野田英夫の作品が関東でまとまって見られるのはありがたい。
「ポキプシー(1937年頃)」(左)と、「風景」(右)

20161127_桐生大川美術館「松本竣介と野田英夫展」_06常設もなかなかよくて、難波田龍起ベン・ニコルソン瑛九の佳品にも満足。
左から池田満寿夫、瑛九、磯辺行久

桐生に行った前後、二つの会合があり、多くの建築家の皆さんにお目にかかりました。
ふたつとも故人を偲び、また故人を送る夕べでした。
●11月25日石山修武編著/毛綱毅曠著『異形建築巡礼』の出版記念パーティがありました。
20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_08会場の国際文化会館は、前川國男、坂倉準三、吉村順三の共同設計で国の登録有形文化財です。

20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_02<亡き盟友毛綱モン太(毅曠)と併走し、廃刊になった雑誌月刊「建築」に50年弱の昔に連載した「異形の建築」を、国書刊行会より初めて単行本化する運びとなりました。
今の時代は何処にも異形の影も形も見当たりませんが、それだからこそ再び世に問うのも意味ないことではあるまいとも考えました。(石山修武先生の挨拶文より)>
右下は石山友美さん

20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_06発起人を代表して安藤忠雄先生がスピーチ。ご病気のあと随分とおやつれになったのですが、この日は久しぶりに元気な安藤節を聞かせてくれました。
2001年に59歳で亡くなった毛綱毅曠さんを偲び、安藤忠雄、難波和彦、渡辺豊和、六角鬼丈、横河健、千葉学など多くの建築家が集まり石山先生との共著の出版を祝いました。

20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_07世田谷美術館館長の酒井忠康さんは、2008年に開催した「建築がみる夢―石山修武と12の物語」展のエピソードを。他の作家とはまったく違うやり方で世田谷美術館を石山アトリエ(研究室)に変えてしまったさまはまさに異形の展覧会でした。

20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_03左から、亭主、六角鬼丈先生、植田実先生

20161125_国際文化会館・石山修武出版記念会_05写真家の宮本隆司さん(左)と植田実先生。
初めて単行本になった『異形建築巡礼』については近々このブログで特集します。

●11月28日藤江秀一さんのお通夜に。
11月21日に亡くなられた藤江秀一さん(享年72)は、私たちが磯崎新先生の版画エディションに取り組んだ1970年代からずっと磯崎新アトリエのチーフとして磯崎先生を支え、多くのスタッフたちに慕われた方でした。川崎でのお通夜には磯崎新先生はじめ、六角鬼丈、坂茂、妹島和世、山本理顕、 渡辺真理、玄ベルトー進来、元倉眞琴らの多くの建築家がかけつけ、故人の冥福を祈りました。
磯崎新喜寿4磯崎2008年9月14日磯崎先生の喜寿のお祝い
伊香保のハラミュージアムにて、藤江秀一さん(左)と磯崎新先生(右)。

亭主と社長は皆さんにお世話になってきたので、二つの会に出席させていただきましたが、次々と周りの人たちが亡くなり、去って行くのはとてもさびしく辛いことです。

●昨日11月29に日は竹橋の東京国立近代美術館の瑛九展に。
20161129_東京国立近代美術館「瑛九展 1935-1937」_01瑛九 1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす
張り切って朝一で切符売り場に並んだら「65歳以上は無料です」といわれました(笑)。
国立近代美術館で遂に実現した瑛九展、小規模ですが、さすが近美、見ごたえのある展示です。
カタログまとめ買いして宅急便で送ってもらいました。

20161129_東京国立近代美術館「瑛九展 1935-1937」_14今回の瑛九展については、下記のように毎日瑛九情報を発信し、スタッフはもちろん中村茉貴さんのレポートなど次々とご紹介しますので、ご期待ください。


本日の瑛九情報!
~~~
私はけさ眼をさますと、ふと「通りすぎるもの」という言葉が頭のなかを去来しているのに気がついたのである。まだ半ば夢うつつのなかに浮かんだ単一の言葉なのだが、それが覚めてからなぜか第一に思いだした瑛九のイメージと結びついてしまったのである。(瀧口修造【通りすぎるもの……】より)~~~
瑛九の良き理解者の一人が瀧口修造でした。瀧口が瑛九について書いた七つの文章を今日から12月6日まで順次ご紹介します。
瑛九 1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす>展が東京国立近代美術館で始まりました(11月22日~2017年2月12日)。ときの忘れものは会期終了まで瑛九について毎日発信します。