東京国立近代美術館で<瑛九 1935-1937 闇の中で「レアル」をさがす>展が開催されています(2016年11月22日~2017年2月12日)。
外野応援団のときの忘れものは会期終了まで瑛九について毎日発信していますが、お読みになっている人たちは瑛九のファン(支援者たち)が故郷宮崎や東京のみならず、遠く山形県酒田や、福井県に広く存在していることに驚かれたのではないでしょうか。
瑛九に関連して私たちが最もお世話になったのが福井県勝山の中上光雄・陽子ご夫妻でした。
最晩年の点描大作はほとんどが公立美術館に収蔵されていますが、中上ご夫妻は点描大作を含む瑛九の有数のコレクターでした。
ご夫妻のことについては、亭主の駄文「台所なんて要りませんから」をお読みいただければ幸いです。
福井県には木水育男(鯖江市)を中心に、原田勇、中村一郎(勝山市)、堀栄治(大野市)、谷口等(福井市)などの教師たちが熱心に瑛九の作品をコレクションし、またその普及につとめました。亭主にとっては大先輩の諸氏は既に全員が鬼籍に入られています。
福井瑛九の会の面々がいかに熱心だったか、それは現存する(であろう)油彩作品約600点のうち、1970年代には約100点が福井にあったことでもおわかりになると思います。
瑛九の謦咳に直に接した第一世代のあと、それらの人たちの夢を引き継いだのが荒井由泰さんたちの「アートフル勝山の会」であり、「大野市玄関に子供の絵をかける会」でした。
福井県には美術館もありますが、不思議なことに瑛九をコレクションしてきたわけではありません。県立美術館にようやく瑛九の作品が中上家からの寄贈という形で収蔵されたのはつい数年前です。
福井県勝山市の医師として活躍する傍ら、現代美術を熱心に蒐集し続けた中上光雄先生がお亡くなりになったのはちょうど2年前の2015年1月27日、福井県立美術館で中上コレクションが公開中の訃報でした。

「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み
―中上光雄・陽子コレクションによる―」
会期:2015年1月3日[土]~2月8日[日]
主催:福井県立美術館

出品作家:北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄(19作家150点)
下中央から時計回りに、中上光雄、荒井由泰、荒井多恵子、中上陽子、綿貫令子、浪川和江、綿貫不二夫
1995年10月
撮影:浪川正男
中上邸イソザキホール
撮影:マイク・ヨコハマ 2014年
既に陽子夫人が亡くなり、ご自身も病床にあった中上先生のコレクションについては、ご家族の依頼でときのわすれものがお手伝いして、「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―」という展覧会が実現しました。
このときは東京、岩手、新潟、京都などのお客様たちと「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」を企画しました。
勝山市という人口3万人にも満たない山間の小都市には磯崎新先生設計の小住宅が二つもあり、さらに黒川紀章設計の恐竜博物館もあります。

磯崎新設計
中上邸イソザキホール外観
1983年竣工
撮影:古舘克明

磯崎新設計
中上邸イソザキホール内観
1983年竣工
撮影:古舘克明
展覧会終了後、中上家から福井県立美術館に瑛九作品などが寄贈されました。
中上コレクションの素晴らしさ、お住まいだった「中上邸イソザキホール」については、ツアーに参加された皆さんのレポートをお読みください。
●石原輝雄「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その1
●浜田宏司「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その2
●酒井実通男「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その3
40年以上、私たちを支えてくれた中上光雄先生と陽子夫人のご冥福をあらためてお祈りいたします。
●『福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―』図録
2015年 96ページ 25.7x18.3cm
発行:中上邸イソザキホール運営委員会(荒井由泰、中上光雄、中上哲雄、森下啓子)
出品作家:北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄(19作家150点)
執筆:西村直樹(福井県立美術館学芸員)、荒井由泰(アートフル勝山の会代表)、野田哲也(画家)、丹阿弥丹波子(画家)、北川健次(美術家・美術評論)、綿貫不二夫(ときの忘れもの)
編集:ときの忘れもの
価格:1,200円 ※送料別途250円
ときの忘れもので扱っています。メールにてお申し込みください。

瑛九《作品》
1959年
ペンデッサン
イメージサイズ:28.5×18.0cm
シートサイズ:35.1×24.9cm
ペンサインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「Circles 円の終わりは円の始まり」を開催しています。
会期:2017年1月18日[水]―2月4日[土] *日・月・祝日休廊
オノサト・トシノブの油彩を中心に、円をモチーフに描かれた作品をご覧いただきます。
出品作家:オノサト・トシノブ、ソニア・ドローネ、菅井汲、瑛九、高松次郎、吉原治良
外野応援団のときの忘れものは会期終了まで瑛九について毎日発信していますが、お読みになっている人たちは瑛九のファン(支援者たち)が故郷宮崎や東京のみならず、遠く山形県酒田や、福井県に広く存在していることに驚かれたのではないでしょうか。
瑛九に関連して私たちが最もお世話になったのが福井県勝山の中上光雄・陽子ご夫妻でした。
最晩年の点描大作はほとんどが公立美術館に収蔵されていますが、中上ご夫妻は点描大作を含む瑛九の有数のコレクターでした。
ご夫妻のことについては、亭主の駄文「台所なんて要りませんから」をお読みいただければ幸いです。
福井県には木水育男(鯖江市)を中心に、原田勇、中村一郎(勝山市)、堀栄治(大野市)、谷口等(福井市)などの教師たちが熱心に瑛九の作品をコレクションし、またその普及につとめました。亭主にとっては大先輩の諸氏は既に全員が鬼籍に入られています。
福井瑛九の会の面々がいかに熱心だったか、それは現存する(であろう)油彩作品約600点のうち、1970年代には約100点が福井にあったことでもおわかりになると思います。
瑛九の謦咳に直に接した第一世代のあと、それらの人たちの夢を引き継いだのが荒井由泰さんたちの「アートフル勝山の会」であり、「大野市玄関に子供の絵をかける会」でした。
福井県には美術館もありますが、不思議なことに瑛九をコレクションしてきたわけではありません。県立美術館にようやく瑛九の作品が中上家からの寄贈という形で収蔵されたのはつい数年前です。
福井県勝山市の医師として活躍する傍ら、現代美術を熱心に蒐集し続けた中上光雄先生がお亡くなりになったのはちょうど2年前の2015年1月27日、福井県立美術館で中上コレクションが公開中の訃報でした。

「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み
―中上光雄・陽子コレクションによる―」
会期:2015年1月3日[土]~2月8日[日]
主催:福井県立美術館

出品作家:北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄(19作家150点)
下中央から時計回りに、中上光雄、荒井由泰、荒井多恵子、中上陽子、綿貫令子、浪川和江、綿貫不二夫1995年10月
撮影:浪川正男
中上邸イソザキホール撮影:マイク・ヨコハマ 2014年
既に陽子夫人が亡くなり、ご自身も病床にあった中上先生のコレクションについては、ご家族の依頼でときのわすれものがお手伝いして、「福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―」という展覧会が実現しました。
このときは東京、岩手、新潟、京都などのお客様たちと「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」を企画しました。
勝山市という人口3万人にも満たない山間の小都市には磯崎新先生設計の小住宅が二つもあり、さらに黒川紀章設計の恐竜博物館もあります。

磯崎新設計
中上邸イソザキホール外観
1983年竣工
撮影:古舘克明

磯崎新設計
中上邸イソザキホール内観
1983年竣工
撮影:古舘克明
展覧会終了後、中上家から福井県立美術館に瑛九作品などが寄贈されました。
中上コレクションの素晴らしさ、お住まいだった「中上邸イソザキホール」については、ツアーに参加された皆さんのレポートをお読みください。
●石原輝雄「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その1
●浜田宏司「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その2
●酒井実通男「現代美術と磯崎建築~北陸の冬を楽しむツアー」に参加して~その3
40年以上、私たちを支えてくれた中上光雄先生と陽子夫人のご冥福をあらためてお祈りいたします。
●『福井の小コレクター運動とアートフル勝山の歩み―中上光雄・陽子コレクションによる―』図録2015年 96ページ 25.7x18.3cm
発行:中上邸イソザキホール運営委員会(荒井由泰、中上光雄、中上哲雄、森下啓子)
出品作家:北川民次、難波田龍起、瑛九、岡本太郎、オノサト・トシノブ、泉茂、元永定正、 木村利三郎、丹阿弥丹波子、吉原英雄、靉嘔、磯崎新、池田満寿夫、野田哲也、関根伸夫、小野隆生、舟越桂、北川健次、土屋公雄(19作家150点)
執筆:西村直樹(福井県立美術館学芸員)、荒井由泰(アートフル勝山の会代表)、野田哲也(画家)、丹阿弥丹波子(画家)、北川健次(美術家・美術評論)、綿貫不二夫(ときの忘れもの)
編集:ときの忘れもの
価格:1,200円 ※送料別途250円
ときの忘れもので扱っています。メールにてお申し込みください。

瑛九《作品》
1959年
ペンデッサン
イメージサイズ:28.5×18.0cm
シートサイズ:35.1×24.9cm
ペンサインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「Circles 円の終わりは円の始まり」を開催しています。
会期:2017年1月18日[水]―2月4日[土] *日・月・祝日休廊
オノサト・トシノブの油彩を中心に、円をモチーフに描かれた作品をご覧いただきます。出品作家:オノサト・トシノブ、ソニア・ドローネ、菅井汲、瑛九、高松次郎、吉原治良
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