小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」第17回
11月22日(木)に開催された「一日だけの須賀敦子展」。
おかげさまでたくさんの方々にご来場いただきました。「一日だけではもったいない。」が当日の合言葉のように会場で交わされ、私も何度もそう思いました。が、この「一日だけ」という言葉にかかる熱量の高さは、須賀敦子の文章が没後20年経っても愛され続けるその熱量とリンクしているようで、案外に相応しかったのかもしれない、とも、終わった今は思います。
今回はご来場いただけなかった方に、少しでも当日の雰囲気を感じていただこうと、レポート(のようなもの)を書かせていただきます。
まず、この展示のきっかけは大竹昭子さんからの一通のメールでした。
今年は多くの須賀敦子さんの著作や関連書の刊行が相次ぎ、その中の一冊に大竹さんの『須賀敦子の旅路』(文春文庫)があります。

もともとの単行本はミラノ・ヴェネツィア・ローマと3冊だった本書、それが1冊にまとまり、さらに須賀敦子がイタリアから帰国して後、最初の著作が刊行されるまでの空白を埋めるような「東京編」も書下ろされています。当店でも発売からずっと販売を続けていますが、この本がご縁で大竹さんから「ときの忘れものさんで、須賀敦子のトークを植田実さんと開催できれば」とお声掛けいただきました。それが9月のこと。そしてここからアイデアはどんどん広がっていきます。瞬く間に、『須賀敦子の旅路』文庫化の際に収録できなかった写真を展示する写真展、イベント関連書籍の販売、そして、須賀敦子がイタリアでセレクトし翻訳・出版した『Narratori giapponesi moderni』(現代日本文学選、1965)をはじめ、須賀のはじめて活字になり、コルシア書店から出版された作品『こうちゃん』の展示など、日に日に充実のイベントになっていきました。これはすべて大竹さんの企画力と実行力の賜物。
そしていよいよ迎えた展示当日、11時と同時にお客様にご来場いただきスタートとなりました!



展示されている大竹昭子さんの写真作品。「私の作品がコンクリートにこんなに映えるなんて。」と驚かれていた大竹さん。後のトークイベントの中でも「須賀が描くヴェネツィアは夏ではなく、冬。」と仰っていましたが、本当にどの作品も、写した風景を見ながらも、実は自分や人間の内側を深く見つめていくような作品で、長い時間鑑賞していても見飽きない作品でした。
本の販売は、こんな感じ。


お店で売っていただけでは売れないような、たくさんの須賀敦子作品が買われていきました。個人的には大好きな須賀敦子訳タブッキが売れたのもうれしい。
今回の展示の目玉のひとつ、イタリアで須賀が編纂・翻訳出版した『現代日本文学選』には、漱石鷗外鏡花などの文豪の作品のほか、現在の日本でも人気の高い庄野潤三も含まれ、そして同じく須賀が翻訳したイタリア語版『夕べの雲』は、なんと原著刊行の翌年。須賀敦子の庄野潤三への強い思い入れと愛情が伝わってきます。
「庄野は、郊外に住む人々の単調な生活を事細かに描く。おそらく世界のどこにでもある、記録にも残らない暮らしである。」(『文藝別冊 須賀敦子の本棚』より)
この須賀の解説はそのまま、須賀敦子が生涯をかけてその「記録にも残らない暮らし」を記録し、そして未だに私たちの心を掴んでいる文学性を解説しているようにも思えます。
そして、夜の植田実さんとのトークイベント。

須賀敦子を、気になっていても読むタイミングがつかめない作家だった、と言う植田さん。須賀のミラノ大聖堂の描写などの建築の描写は、それだけでは建造物としての構造は想像できないけれど、その建築の本質を一挙に鷲づかみするような作家だと語る植田さんと大竹さんとのトークは、須賀敦子ファンにとっては新しい視点を、まだこれからの読者には、最良の案内になるようなものでした。
大竹さんの『須賀敦子の旅路』文庫化に際し、いかに細かく手を入れられているかという植田さんの指摘から、文庫化の裏話が飛び出したり、須賀敦子と編集者の付き合い、大竹さんの須賀敦子の思い出話など、あっという間の90分。立ち見がでるほどの満席のイベントで、「一日だけの須賀敦子展」は締めくくられました。

イベント終了後送られてきた大竹さんからのメールに
<短期間に準備したにしてはとても盛り上がり、本についてできることはまだまだあるなと感じ入りました。
本好きはいるけれど、本に関連する環境が衰弱しているのですね。
どこに行ったら好きな本に出会えるのか、本の歓びをどのように分かちあったらいいのか分からないのです。
今回は、ふたつの場所が結びつくことで魅力が倍加し、駒込でなにか起きているという熱が人々に伝わったような気がします。
これからもアタマをやわらかくしていろいろと知恵を絞りましょう!>
とありました。まさにその通り。もちろん営業しているお店の日常があってこそ、ではありますが、ふたつの場所がつながることで、これまで見えていなかったお客様の期待や情熱が見えてくる。この経験は素晴らしいものでした。本はまだまだ売れると感じたイベント。
また大竹さんや植田さん、須賀敦子のような素晴らしい書き手の本がまだたくさんある、ということに改めて気付かされたイベントでもありました。
「一日だけの須賀敦子展」は終わったのですが、「一日だけの」本を売るお祭りは、まだまだ続きそうです。
大竹昭子さん、植田実さん、ときの忘れものスタッフの皆さん、そしてご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
(おくに たかし)
■小国貴司 Takashi OKUNI
「BOOKS青いカバ」店主。学生時代より古書に親しみ、大手書店チェーンに入社後、店長や本店での仕入れ・イベント企画に携わる。書店退職後、新刊・古書を扱う書店「BOOKS青いカバ」を、文京区本駒込にて開業。
*画廊亭主敬白
主催:BOOKS青いカバ(小国貴司)、会場提供:ときの忘れもの、講師:大竹昭子・植田実、主役はもちろん須賀敦子さん。
私たち画廊の役割(というようなものがあるとすれば)は多くの人たちが触れ合う場(空間)を提供することだと思っています。
一年前には面識もなかった小国さんと大竹先生、植田先生の三人がときの忘れものの縁で結びつき、今回の素敵な「一日」をつくってくれました。
参加してくださったお客様にも心より御礼申し上げます。
twitterでのつぶやきをご紹介します。
●ネリさん 20181123
物理的にも精神的にもさまざまな制約のもとに編み直され磨かれた『須賀敦子の旅路』。「自分がいいと思ったものを感覚的にがっとつかんで肉体化するまで突き詰める」須賀さんのテキストの強さと深さ。大竹さんと植田さんの対話に引き込まれた1時間でした。
●古書ほうろうさん 20181122
おはようございます。開店してます。ギャラリーときの忘れものでの「一日だけの須賀敦子展」を観てから出勤。大竹昭子さんが撮影したイタリアの写真が、ギャラリーのモダンな建築によく映え、須賀敦子の義父が働いていた信号所やナタリア・ギンズブルグ邸など、とくに引き込まれました。本日19時まで!
●ミランフ洋書店 / Kazumi UNOさん 20181123
トークは出遅れて参加できませんでしたが、夕方〈ときの忘れもの〉に行ってきました。ずっとそこにあったかのように写真が空間になじんでいてとてもよかった。日記の入った文庫の全集の巻と、大竹さんの『須賀敦子の旅路』(文春文庫)を購入。楽しみに少しずつ読もう。
昨日、ときの忘れもので大竹昭子さんに「須賀敦子さんとはどうやって出会いましたか」と聞かれ、あの頃は本屋さんに定期的に立ち寄っては新刊や話題の本の棚を見ていたなと思いだしました。見ることで、思いがけない本につながっていった。そんな発見がある本屋さんには、今も足を運びたくなります。
●萬福亭さん 20181122
駒込の「ギャラリーときの忘れもの」へ寄り道してから出勤しました。
大竹昭子さんの写真がすばらしいです。 あぁここだ って。須賀敦子の文章の中で見た景色が懐かしく、胸が熱くなる。 今日だけ、夜7時まで。
●須山実さん 20181123
BOOKS青いカバ主催のトークイベント「没後20年 須賀敦子の文学を読み直す」(大竹昭子×植田実)を聴く。ピラネージやピエロ・デラ・フランチェスカからの語りが鮮やかで惹きこまれる。会場の「ときの忘れもの」のコンクリート打ちっぱなしの壁に大竹さんの写真が映えていた。講演録が出ないかな。
● sunny sideさん 20181122
ときの忘れもの、すごく素敵なギャラリーでした。
大竹昭子さんの視点、須賀敦子さんが生きた場所。住んでいたムジェッロ街のアパートのドアの向こうに須賀さんを探したくなる時間旅行。
~~~~
●今日のお勧め作品は、オノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO
《Silk-16》
1968年
シルクスクリーン
Image size: 20.0×20.0cm
Sheet size: 34.0×32.0cm
Ed.150 Signed
*Raisonne No.37
(『ONOSATO オノサトトシノブ版画目録 1958-1989』ART SPACE出版、1989年 )
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「今週の特集展示:岡本信治郎とオノサト・トシノブ」

会期:2018年11月27日(火)~12月8日(土)
*日曜・月曜・祝日は休廊
日本のポップ・アートの先駆的作家としてユーモラスな形態のなかにニヒルさを込めたシリーズを制作し続けてきた岡本信治郎と、ときの忘れもののメイン作家の一人であるオノサト・トシノブを特集展示しています。
◆ときの忘れものは「第306回企画◆佐藤研吾展―囲いこみとお節介 」を開催します。
会期:2018年12月13日[木]―12月22日[土] 11:00-19:00 ※会期中無休

インド、東京、福島という複数の拠点を往還しながら創作活動に取り組んでいる建築家・佐藤研吾の初個展を開催します。
本展では、自身でデザインし制作した家具としてのハコや、ピンホールカメラ(ハコ)とそれを使って撮影したハコの写真、またハコのドローイングなど、独自の世界観をご覧いただきます。
会期中、作家は毎日在廊予定です。
以下の日程で以下のゲストをお迎えし、ギャラリートークを開催します。
※要予約、参加費1,000円、複数回参加の方は二回目からは500円
12/13(木)13時~ ゲスト:中島晴矢さん(現代美術家)
12/14(金)18時~ ゲスト:岸井大輔さん(劇作家)
12/15(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
12/21(金)18時~ ゲスト:小国貴司さん(Books青いカバ店主)
12/22(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
全5回のギャラリートーク、予約受付を開始しました。メールにてお申し込みください。 info@tokinowasuremono.com
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は通常は休廊ですが、次回企画「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」(12月13日[木]―12月22日[土])開催中は無休で開廊しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

11月22日(木)に開催された「一日だけの須賀敦子展」。
おかげさまでたくさんの方々にご来場いただきました。「一日だけではもったいない。」が当日の合言葉のように会場で交わされ、私も何度もそう思いました。が、この「一日だけ」という言葉にかかる熱量の高さは、須賀敦子の文章が没後20年経っても愛され続けるその熱量とリンクしているようで、案外に相応しかったのかもしれない、とも、終わった今は思います。
今回はご来場いただけなかった方に、少しでも当日の雰囲気を感じていただこうと、レポート(のようなもの)を書かせていただきます。
まず、この展示のきっかけは大竹昭子さんからの一通のメールでした。
今年は多くの須賀敦子さんの著作や関連書の刊行が相次ぎ、その中の一冊に大竹さんの『須賀敦子の旅路』(文春文庫)があります。

もともとの単行本はミラノ・ヴェネツィア・ローマと3冊だった本書、それが1冊にまとまり、さらに須賀敦子がイタリアから帰国して後、最初の著作が刊行されるまでの空白を埋めるような「東京編」も書下ろされています。当店でも発売からずっと販売を続けていますが、この本がご縁で大竹さんから「ときの忘れものさんで、須賀敦子のトークを植田実さんと開催できれば」とお声掛けいただきました。それが9月のこと。そしてここからアイデアはどんどん広がっていきます。瞬く間に、『須賀敦子の旅路』文庫化の際に収録できなかった写真を展示する写真展、イベント関連書籍の販売、そして、須賀敦子がイタリアでセレクトし翻訳・出版した『Narratori giapponesi moderni』(現代日本文学選、1965)をはじめ、須賀のはじめて活字になり、コルシア書店から出版された作品『こうちゃん』の展示など、日に日に充実のイベントになっていきました。これはすべて大竹さんの企画力と実行力の賜物。
そしていよいよ迎えた展示当日、11時と同時にお客様にご来場いただきスタートとなりました!



展示されている大竹昭子さんの写真作品。「私の作品がコンクリートにこんなに映えるなんて。」と驚かれていた大竹さん。後のトークイベントの中でも「須賀が描くヴェネツィアは夏ではなく、冬。」と仰っていましたが、本当にどの作品も、写した風景を見ながらも、実は自分や人間の内側を深く見つめていくような作品で、長い時間鑑賞していても見飽きない作品でした。
本の販売は、こんな感じ。


お店で売っていただけでは売れないような、たくさんの須賀敦子作品が買われていきました。個人的には大好きな須賀敦子訳タブッキが売れたのもうれしい。
今回の展示の目玉のひとつ、イタリアで須賀が編纂・翻訳出版した『現代日本文学選』には、漱石鷗外鏡花などの文豪の作品のほか、現在の日本でも人気の高い庄野潤三も含まれ、そして同じく須賀が翻訳したイタリア語版『夕べの雲』は、なんと原著刊行の翌年。須賀敦子の庄野潤三への強い思い入れと愛情が伝わってきます。
「庄野は、郊外に住む人々の単調な生活を事細かに描く。おそらく世界のどこにでもある、記録にも残らない暮らしである。」(『文藝別冊 須賀敦子の本棚』より)
この須賀の解説はそのまま、須賀敦子が生涯をかけてその「記録にも残らない暮らし」を記録し、そして未だに私たちの心を掴んでいる文学性を解説しているようにも思えます。
そして、夜の植田実さんとのトークイベント。

須賀敦子を、気になっていても読むタイミングがつかめない作家だった、と言う植田さん。須賀のミラノ大聖堂の描写などの建築の描写は、それだけでは建造物としての構造は想像できないけれど、その建築の本質を一挙に鷲づかみするような作家だと語る植田さんと大竹さんとのトークは、須賀敦子ファンにとっては新しい視点を、まだこれからの読者には、最良の案内になるようなものでした。
大竹さんの『須賀敦子の旅路』文庫化に際し、いかに細かく手を入れられているかという植田さんの指摘から、文庫化の裏話が飛び出したり、須賀敦子と編集者の付き合い、大竹さんの須賀敦子の思い出話など、あっという間の90分。立ち見がでるほどの満席のイベントで、「一日だけの須賀敦子展」は締めくくられました。

イベント終了後送られてきた大竹さんからのメールに
<短期間に準備したにしてはとても盛り上がり、本についてできることはまだまだあるなと感じ入りました。
本好きはいるけれど、本に関連する環境が衰弱しているのですね。
どこに行ったら好きな本に出会えるのか、本の歓びをどのように分かちあったらいいのか分からないのです。
今回は、ふたつの場所が結びつくことで魅力が倍加し、駒込でなにか起きているという熱が人々に伝わったような気がします。
これからもアタマをやわらかくしていろいろと知恵を絞りましょう!>
とありました。まさにその通り。もちろん営業しているお店の日常があってこそ、ではありますが、ふたつの場所がつながることで、これまで見えていなかったお客様の期待や情熱が見えてくる。この経験は素晴らしいものでした。本はまだまだ売れると感じたイベント。
また大竹さんや植田さん、須賀敦子のような素晴らしい書き手の本がまだたくさんある、ということに改めて気付かされたイベントでもありました。
「一日だけの須賀敦子展」は終わったのですが、「一日だけの」本を売るお祭りは、まだまだ続きそうです。
大竹昭子さん、植田実さん、ときの忘れものスタッフの皆さん、そしてご来場いただいた皆さま、本当にありがとうございました!
(おくに たかし)
■小国貴司 Takashi OKUNI
「BOOKS青いカバ」店主。学生時代より古書に親しみ、大手書店チェーンに入社後、店長や本店での仕入れ・イベント企画に携わる。書店退職後、新刊・古書を扱う書店「BOOKS青いカバ」を、文京区本駒込にて開業。
*画廊亭主敬白
主催:BOOKS青いカバ(小国貴司)、会場提供:ときの忘れもの、講師:大竹昭子・植田実、主役はもちろん須賀敦子さん。
私たち画廊の役割(というようなものがあるとすれば)は多くの人たちが触れ合う場(空間)を提供することだと思っています。
一年前には面識もなかった小国さんと大竹先生、植田先生の三人がときの忘れものの縁で結びつき、今回の素敵な「一日」をつくってくれました。
参加してくださったお客様にも心より御礼申し上げます。
twitterでのつぶやきをご紹介します。
●ネリさん 20181123
物理的にも精神的にもさまざまな制約のもとに編み直され磨かれた『須賀敦子の旅路』。「自分がいいと思ったものを感覚的にがっとつかんで肉体化するまで突き詰める」須賀さんのテキストの強さと深さ。大竹さんと植田さんの対話に引き込まれた1時間でした。
●古書ほうろうさん 20181122
おはようございます。開店してます。ギャラリーときの忘れものでの「一日だけの須賀敦子展」を観てから出勤。大竹昭子さんが撮影したイタリアの写真が、ギャラリーのモダンな建築によく映え、須賀敦子の義父が働いていた信号所やナタリア・ギンズブルグ邸など、とくに引き込まれました。本日19時まで!
●ミランフ洋書店 / Kazumi UNOさん 20181123
トークは出遅れて参加できませんでしたが、夕方〈ときの忘れもの〉に行ってきました。ずっとそこにあったかのように写真が空間になじんでいてとてもよかった。日記の入った文庫の全集の巻と、大竹さんの『須賀敦子の旅路』(文春文庫)を購入。楽しみに少しずつ読もう。
昨日、ときの忘れもので大竹昭子さんに「須賀敦子さんとはどうやって出会いましたか」と聞かれ、あの頃は本屋さんに定期的に立ち寄っては新刊や話題の本の棚を見ていたなと思いだしました。見ることで、思いがけない本につながっていった。そんな発見がある本屋さんには、今も足を運びたくなります。
●萬福亭さん 20181122
駒込の「ギャラリーときの忘れもの」へ寄り道してから出勤しました。
大竹昭子さんの写真がすばらしいです。 あぁここだ って。須賀敦子の文章の中で見た景色が懐かしく、胸が熱くなる。 今日だけ、夜7時まで。
●須山実さん 20181123
BOOKS青いカバ主催のトークイベント「没後20年 須賀敦子の文学を読み直す」(大竹昭子×植田実)を聴く。ピラネージやピエロ・デラ・フランチェスカからの語りが鮮やかで惹きこまれる。会場の「ときの忘れもの」のコンクリート打ちっぱなしの壁に大竹さんの写真が映えていた。講演録が出ないかな。
● sunny sideさん 20181122
ときの忘れもの、すごく素敵なギャラリーでした。
大竹昭子さんの視点、須賀敦子さんが生きた場所。住んでいたムジェッロ街のアパートのドアの向こうに須賀さんを探したくなる時間旅行。
~~~~
●今日のお勧め作品は、オノサト・トシノブです。
オノサト・トシノブ Toshinobu ONOSATO《Silk-16》
1968年
シルクスクリーン
Image size: 20.0×20.0cm
Sheet size: 34.0×32.0cm
Ed.150 Signed
*Raisonne No.37
(『ONOSATO オノサトトシノブ版画目録 1958-1989』ART SPACE出版、1989年 )
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「今週の特集展示:岡本信治郎とオノサト・トシノブ」

会期:2018年11月27日(火)~12月8日(土)
*日曜・月曜・祝日は休廊
日本のポップ・アートの先駆的作家としてユーモラスな形態のなかにニヒルさを込めたシリーズを制作し続けてきた岡本信治郎と、ときの忘れもののメイン作家の一人であるオノサト・トシノブを特集展示しています。
◆ときの忘れものは「第306回企画◆佐藤研吾展―囲いこみとお節介 」を開催します。
会期:2018年12月13日[木]―12月22日[土] 11:00-19:00 ※会期中無休

インド、東京、福島という複数の拠点を往還しながら創作活動に取り組んでいる建築家・佐藤研吾の初個展を開催します。
本展では、自身でデザインし制作した家具としてのハコや、ピンホールカメラ(ハコ)とそれを使って撮影したハコの写真、またハコのドローイングなど、独自の世界観をご覧いただきます。
会期中、作家は毎日在廊予定です。
以下の日程で以下のゲストをお迎えし、ギャラリートークを開催します。
※要予約、参加費1,000円、複数回参加の方は二回目からは500円
12/13(木)13時~ ゲスト:中島晴矢さん(現代美術家)
12/14(金)18時~ ゲスト:岸井大輔さん(劇作家)
12/15(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
12/21(金)18時~ ゲスト:小国貴司さん(Books青いカバ店主)
12/22(土)18時~ 佐藤研吾レクチャー
全5回のギャラリートーク、予約受付を開始しました。メールにてお申し込みください。 info@tokinowasuremono.com
●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ12月号18~24頁>に特集されています。
2018年から営業時間を19時まで延長します。
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は通常は休廊ですが、次回企画「佐藤研吾展―囲いこみとお節介」(12月13日[木]―12月22日[土])開催中は無休で開廊しています。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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