ときの忘れものの展覧会初日は火曜日または金曜日のことが多いのですが、平日ということもあり、いらっしゃる方は一人か二人、実に静かなものです。
昨日(火曜)から始まった「松本竣介と『雜記帳』」展、さすが竣介というべきか、福岡からTさんが昼前にいらっしゃったのに続き、夕方まで珍しく千客万来でした。
初日から赤丸がついて、社長はすこぶるゴキゲンであります。

松本竣介が編集・刊行した雑誌『雜記帳』(1936~1937年)には多くの画家たちが挿画を寄せていますが、中でも福沢一郎は3号、5号、6号、7号、14号と5回も登場しています。
シュルレアリスム絵画の紹介者としてフランスから帰国し、当時の前衛美術運動の指導者として大きな存在でした。
福沢一郎については今春、東京国立近代美術館で「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」という大規模な回顧展が開催されたばかりです。同展については伊藤佳之さんのレビューをお読みください。

雑記帳14p04福沢一郎雜記帳14号p04所収 福沢一郎


雑記帳06p04福沢一郎雜記帳06号p04所収 福沢一郎


雑記帳05p01福沢一郎雜記帳05号p01所収 福沢一郎


No.10 福沢一郎《夜の鳥》
010_Fukuzawa
1956
リトグラフ(刷り:利根山光人)
Image size: 56.0×44.0cm
Sheet size:64.0×45.0cm
Ed.100  signed
※『福沢一郎全版画集』(玲風書房 2002年)No.9
※版元:版画友の会
※第一回東京国際ビエンナーレ出品作品
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福沢一郎(1898-1992) Fukuzawa Ichiro
群馬県富岡生まれ。東京帝国大学文学部に入学するが、大学にはほとんど行かず朝倉文夫の塾に通い、彫刻を学ぶ。1924年渡仏、油彩画に本格的に取り組みサロン・ドートンヌに入選する。ジョルジョ・デ・キリコやマックス・エルンストに影響を受けた作品を制作、1931年第1回独立美術協会展に滞欧作が特別陳列され、美術界に衝撃を与える。同年帰国。1936年福澤絵画研究所を開設。1939年独立美術協会を脱会、美術文化協会を結成し、前衛画家たちのリーダーとして活躍していたが、1941年治安維持法違反の嫌疑で検挙される。戦後は社会批評的な視点から人間群像の大作に取り組むとともに、世界各地を旅行し、その地の人々に題材をとった躍動感あふれる作品を制作した。その根底にはドライな批判精神が一貫していた。1950年代から版画制作にも取り組み、リトグラフや銅版約150点を制作した。多摩美術大学、女子美術大学で教える。1991年文化勲章を受章。

◆ときの忘れものは「松本竣介と『雜記帳』」展を開催しています。
会期:2019年10月8日(火)~10月26日(土) *日・月・祝日休廊
両面
「松本竣介と『雜記帳』」展図録のご案内
松本竣介と雑記帳2019年 
ときの忘れもの刊
B5判 44ページ
テキスト:小松崎拓男
収録作家:松本竣介恩地孝四郎福沢一郎海老原喜之助難波田龍起鶴岡政男桂ゆき
価格:1,100円(税込)
梱包送料:250円

*メールにてお申し込みください。

・松本竣介の画集、カタログを特別頒布しています。
小松崎拓男さんの連載エッセイ「松本竣介研究ノート」は毎月3日の更新です。
・大川美術館の小此木美代子さんのエッセイ/「松本竣介 アトリエの時間」について
・東京国立近代美術館の大谷省吾さんのエッセイ「松本竣介の素描について」
・練馬区立美術館の喜夛孝臣さんのエッセイ/花束の如く美しく―「松本竣介と野田英夫―大川美術館収蔵品を中心に―」展を見て―
植田実さんの連載エッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」(全14回)
深野一朗さんのエッセイ「ヤノベさんと松本竣介」

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。