第2回『久保貞次郎の会』
日時:2019年11月2日(土)
第一部/11時より、自由学園明日館見学
第二部/13時半より レストラン ラ・ムジカ (目白駅前)にて、
細江英公×栗田秀法 対談と会食(懇親会)
主催:久保貞次郎の会
自由学園明日館入口
お天気に恵まれた11月2日、フランク・ロイド・ライトの設計で知られる自由学園明日館(東京都豊島区西池袋2丁目)に集合、第2回『久保貞次郎の会』を開催しました。
10時45分集合の予定でしたが、皆さん10時半には早々と到着。遠くは宮崎からも。
第一部の見学会には31名が参加しました。
学芸員の竹内先生が修復前後の詳しい状況を細部を紹介しながら解説してくださいました。名建築というのはただ漫然と見たのではその良さはわかりません。やはり専門家のレクチャーがあると格段に理解が深まります。
中央ホールでは200円でおいしいコーヒーとクッキーがいただけます。
道路を隔てて遠藤新の設計による自由学園明日館講堂があり、ちょうど結婚式の準備が行われていました。
<11月2日第二回久保貞次郎の会に参加。明日館を見学、その後に細江英公さんの話。フランス料理というラインナップ。楽しかった。
(20191102/中村惠一さんのtwitterより)>
第二部は会場を目白駅前のレストランに移し、細江英公先生と栗田秀法先生による対談からスタートしました。参加者はレストラン定員いっぱいの36名。
<【写真家の細江英公のこと】
私は、11/2(土)に東京に出かけた。
目的は、細江英公先生と栗田秀法先生(名古屋大学大学院教授)の対談と会食(懇親会)に参加するためだった。
写真家・細江英公については、9月28日のFacebookにも書いたが、三島由紀夫(小説家)を撮影した『薔薇刑』(1963年)や、土方巽(舞踏家)を撮影した『鎌鼬』(1969年)の作品で、国際的にも評価が高い日本を代表する写真家の一人だ。
今回、細江先生からは、当時の三島由紀夫や土方巽との交流の様子を、直に聞く機会に恵まれたことが非常にありがたかった。
機会を作ってくれた『久保貞次郎の会』の世話人の一人でもある綿貫令子氏(「ときの忘れもの」代表)は、1974~85年の約10年間存在し、現代版画の普及に尽力した「現代版画センター」を主宰していた綿貫不二夫氏の奥さんで、細江先生と栗田先生の対談の情報を今回私に教えてくれた。
なお、現代版画センターのことは、栗田秀法先生によつて「現代版画センターの軌跡」(「リア」42号に掲載)という形で詳しく活動内容が書かれているので、興味のある方は「ときの忘れもの」のホームページにも再掲されているので、覗いてみることをおすすめする。
「リア」は、名古屋発信の現代美術系の質の高い批評誌の一つである。
私に現代美術研究や美術批評の世界に入るきっかけをつくってくれたのは、まちがいなく「現代版画センター」や靉嘔(アイオー)さんの存在であり、現代版画センターと出会わなかったら、今の私はなかったと思っている。
その後、私は、現代版画センターの会員になり、1980年に初めて買った作品が、当時から虹の作家として活躍していた靉嘔(アイオー)のシルクスクリーン版画≪二つのハート≫(現代版画センターエディション作品)だった。
それからは、現代版画センター設立時に事務局長をしていた尾崎正教さんとも交流がはじまり、靉嘔、瑛九、磯辺行久、池田満寿夫らが活躍した「デモクラート美術家協会」の存在を知り、メンバーの一人だった細江英公さんのことも知ることになった。
写真作品≪こども≫』(『写真サロン』1952年11月号例特選)は、細江さんが19歳の時に発表した写真だった。わたしは、理屈抜きでこの写真が大好きだ。
太平洋戦争の敗戦から5年ほどたった東京の街(銀座)の浮浪者を撮影したスナップ写真だが、私にはこの写真の母子の笑顔は何よりも美しく、不幸で貧しい親子だとは思えなかった。
昨日、細江先生からは「この作品は朝日新聞社がある東京銀座の数寄屋橋の上で撮った写真だよ」と直接話をうかがった。そして、細江賢治さん(ご子息)からは「この作品は今も自宅に飾ってありますよ」と聞いた。
そして、この作品は、私にも縁があり、某出版社から1990年に購入させていただいた。当時、エディション100のオリジナルプリントだった。
それから30年が経ち、いつかは手に入れたいと思っていた作品が、細江作品≪薔薇刑#32≫だった。
これも縁があって、2ヶ月前に知り合いのギャラリーから購入し私のコレクションに加わった。
(20191103/本阿弥 清さんのfacebookより)>
約一時間の対談後の会食は最高齢参加者である原一民さん(88歳)のスピーチで始まりました。日本映画界を代表する撮影監督、細江先生の大学の同級生です。
<ギャラリーときの忘れものさんのお誘いで、「久保貞次郎の会」に参加しました。目白の明日館を見学し、ご飯を食べながらゲストの細江英公さんのお話しを伺うという、なんとも贅沢な1日です。
(20191102/山@yumi_aotaさんのtwitterより)>
掲載写真は中村茉貴さんの撮影です。
当日のより詳しいレポートは11月末に久保貞次郎の会のHPに掲載されます。
●自由学園のライト建築を堪能した一日でしたが、11月27日に「黄色い煉瓦」~フランク・ロイド・ライトを騙した男~というテレビ番組が放送されるようです。
<世界的建築家フランク・ロイド・ライトが、わざわざ会いに出向いた愛知県常滑の職人。大正時代のはじめ、“黄色い煉瓦”を焼くことのできた日本でただ一人の職人と言われている。だが、ライトが訪れた時、久田の右腕は既に失われていた…。
現在市販されている書籍では、久田吉之助は「フランク・ロイド・ライトを騙した詐欺師」「不良業者」と書かれている。だが、果たして本当にそうなのだろうか?
※久田吉之助・・・1877-1918. 愛知県常滑市に実在した職人。
【放送予定】BSプレミアム2019年11月27日(水)午後10:00~10:59
【出 演】安田顕、村上佳菜子、杉浦 太陽、佐野岳、小林豊(BOYS AND MEN)、石橋けい、東根作寿英、大黒柚姫(TEAM SHACHI)、/ダニエル・カール、団時朗、渡辺哲、平田満 ほか
【演 出】勅使河原 亜紀夫
【制作統括】三鬼 一希
【制 作】NHK名古屋放送局>
テレビのある方、どうぞご覧ください。
●本日のお勧め作品は細江英公です。

細江英公 Eikoh HOSOE
「薔薇刑 作品32 Ordeal by Roses #32」
1961年(printed later) ゼラチンシルバープリント
51×61cm Signed
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
日時:2019年11月2日(土)
第一部/11時より、自由学園明日館見学
第二部/13時半より レストラン ラ・ムジカ (目白駅前)にて、
細江英公×栗田秀法 対談と会食(懇親会)
主催:久保貞次郎の会
自由学園明日館入口お天気に恵まれた11月2日、フランク・ロイド・ライトの設計で知られる自由学園明日館(東京都豊島区西池袋2丁目)に集合、第2回『久保貞次郎の会』を開催しました。
10時45分集合の予定でしたが、皆さん10時半には早々と到着。遠くは宮崎からも。
第一部の見学会には31名が参加しました。
学芸員の竹内先生が修復前後の詳しい状況を細部を紹介しながら解説してくださいました。名建築というのはただ漫然と見たのではその良さはわかりません。やはり専門家のレクチャーがあると格段に理解が深まります。
中央ホールでは200円でおいしいコーヒーとクッキーがいただけます。
道路を隔てて遠藤新の設計による自由学園明日館講堂があり、ちょうど結婚式の準備が行われていました。
<11月2日第二回久保貞次郎の会に参加。明日館を見学、その後に細江英公さんの話。フランス料理というラインナップ。楽しかった。(20191102/中村惠一さんのtwitterより)>
第二部は会場を目白駅前のレストランに移し、細江英公先生と栗田秀法先生による対談からスタートしました。参加者はレストラン定員いっぱいの36名。
<【写真家の細江英公のこと】私は、11/2(土)に東京に出かけた。
目的は、細江英公先生と栗田秀法先生(名古屋大学大学院教授)の対談と会食(懇親会)に参加するためだった。
写真家・細江英公については、9月28日のFacebookにも書いたが、三島由紀夫(小説家)を撮影した『薔薇刑』(1963年)や、土方巽(舞踏家)を撮影した『鎌鼬』(1969年)の作品で、国際的にも評価が高い日本を代表する写真家の一人だ。
今回、細江先生からは、当時の三島由紀夫や土方巽との交流の様子を、直に聞く機会に恵まれたことが非常にありがたかった。
機会を作ってくれた『久保貞次郎の会』の世話人の一人でもある綿貫令子氏(「ときの忘れもの」代表)は、1974~85年の約10年間存在し、現代版画の普及に尽力した「現代版画センター」を主宰していた綿貫不二夫氏の奥さんで、細江先生と栗田先生の対談の情報を今回私に教えてくれた。
なお、現代版画センターのことは、栗田秀法先生によつて「現代版画センターの軌跡」(「リア」42号に掲載)という形で詳しく活動内容が書かれているので、興味のある方は「ときの忘れもの」のホームページにも再掲されているので、覗いてみることをおすすめする。
「リア」は、名古屋発信の現代美術系の質の高い批評誌の一つである。
私に現代美術研究や美術批評の世界に入るきっかけをつくってくれたのは、まちがいなく「現代版画センター」や靉嘔(アイオー)さんの存在であり、現代版画センターと出会わなかったら、今の私はなかったと思っている。
その後、私は、現代版画センターの会員になり、1980年に初めて買った作品が、当時から虹の作家として活躍していた靉嘔(アイオー)のシルクスクリーン版画≪二つのハート≫(現代版画センターエディション作品)だった。
それからは、現代版画センター設立時に事務局長をしていた尾崎正教さんとも交流がはじまり、靉嘔、瑛九、磯辺行久、池田満寿夫らが活躍した「デモクラート美術家協会」の存在を知り、メンバーの一人だった細江英公さんのことも知ることになった。
写真作品≪こども≫』(『写真サロン』1952年11月号例特選)は、細江さんが19歳の時に発表した写真だった。わたしは、理屈抜きでこの写真が大好きだ。
太平洋戦争の敗戦から5年ほどたった東京の街(銀座)の浮浪者を撮影したスナップ写真だが、私にはこの写真の母子の笑顔は何よりも美しく、不幸で貧しい親子だとは思えなかった。
昨日、細江先生からは「この作品は朝日新聞社がある東京銀座の数寄屋橋の上で撮った写真だよ」と直接話をうかがった。そして、細江賢治さん(ご子息)からは「この作品は今も自宅に飾ってありますよ」と聞いた。
そして、この作品は、私にも縁があり、某出版社から1990年に購入させていただいた。当時、エディション100のオリジナルプリントだった。
それから30年が経ち、いつかは手に入れたいと思っていた作品が、細江作品≪薔薇刑#32≫だった。
これも縁があって、2ヶ月前に知り合いのギャラリーから購入し私のコレクションに加わった。
(20191103/本阿弥 清さんのfacebookより)>
約一時間の対談後の会食は最高齢参加者である原一民さん(88歳)のスピーチで始まりました。日本映画界を代表する撮影監督、細江先生の大学の同級生です。
<ギャラリーときの忘れものさんのお誘いで、「久保貞次郎の会」に参加しました。目白の明日館を見学し、ご飯を食べながらゲストの細江英公さんのお話しを伺うという、なんとも贅沢な1日です。(20191102/山@yumi_aotaさんのtwitterより)>
掲載写真は中村茉貴さんの撮影です。
当日のより詳しいレポートは11月末に久保貞次郎の会のHPに掲載されます。
●自由学園のライト建築を堪能した一日でしたが、11月27日に「黄色い煉瓦」~フランク・ロイド・ライトを騙した男~というテレビ番組が放送されるようです。
<世界的建築家フランク・ロイド・ライトが、わざわざ会いに出向いた愛知県常滑の職人。大正時代のはじめ、“黄色い煉瓦”を焼くことのできた日本でただ一人の職人と言われている。だが、ライトが訪れた時、久田の右腕は既に失われていた…。
現在市販されている書籍では、久田吉之助は「フランク・ロイド・ライトを騙した詐欺師」「不良業者」と書かれている。だが、果たして本当にそうなのだろうか?
※久田吉之助・・・1877-1918. 愛知県常滑市に実在した職人。
【放送予定】BSプレミアム2019年11月27日(水)午後10:00~10:59
【出 演】安田顕、村上佳菜子、杉浦 太陽、佐野岳、小林豊(BOYS AND MEN)、石橋けい、東根作寿英、大黒柚姫(TEAM SHACHI)、/ダニエル・カール、団時朗、渡辺哲、平田満 ほか
【演 出】勅使河原 亜紀夫
【制作統括】三鬼 一希
【制 作】NHK名古屋放送局>
テレビのある方、どうぞご覧ください。
●本日のお勧め作品は細江英公です。

細江英公 Eikoh HOSOE
「薔薇刑 作品32 Ordeal by Roses #32」
1961年(printed later) ゼラチンシルバープリント
51×61cm Signed
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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