ジョナス・メカスさんが逝って間もなく一年になります(2019年1月23日NYにて死去)。
メカスさんの存在は私たちにとって大きな希望であり、美術の世界で若い世代とを繋いでくれる支えでした。
メカスさんのおかげで、たくさんの若い人がときの忘れものを訪れ、映画を観、作品(写真、版画)をコレクションしてくれました。

亭主が生まれて初めてパスポートをとり、現代版画センターの「アンディ・ウォーホル全国展」の正式契約と「KIKU」「LOVE」の新作エディションのサインをもらいにNYに向かったのは1983年6月でした。
無事ウォーホルとの契約をすませ、時間のできたある夜、英文の書類一切を整えてくれた木下哲夫さんの依頼で、今はシンガポールで大画廊をもつ真田一貫さんに通訳をお願いしてメカスさんのアパートを訪ねたのでした。
メカスさんが60歳、亭主が37歳でした。
その頃、メカスさんはフィルムアーカイブスの建設に取り組んでおり、木下さんはその支援に取り組んでいました。
その秋、メカスさんを日本にお招きし、7点の版画を制作してもらい、原美術館で「アメリカ現代版画と写真展ージョナス・メカスと26人の仲間たちー」を開催していただきました。
1983年12月原美術館
1983年12月1日 品川・原美術館にて。「アメリカ現代版画と写真展ージョナス・メカスと26人の仲間たちー」オープニング
左から、綿貫不二夫、靉嘔木下哲夫ジョナス・メカス
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『Ed 101号』41ページ、1984年4月1日・現代版画センター発行

メカスさんの訃報を受けて、メカスさんを知る人たちからの追悼文を寄稿していただきましたが、あらためてご紹介します。。

木下哲夫さん:2019年1月28日
植田実さん:2019年2月4日『メカスの映画日記 ニュー・アメリカン・シネマの起源1959―1971』
井戸沼紀美さん:2019年2月6日「メカスさんに会った時のこと」 
佐伯誠さん:2019年2月16日「その人のこと、少しだけ_追憶のジョナス・メカス」 

IMA』28号がジョナス・メカス追悼特集(画面をクリックすると拡大します)
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歌うメカスさん
初来日から22年後の2005年10月14日「ジョナス・メカス展」のオープニングの夜、メカスさんがリトアニアの民謡でしょうか、歌われました。右はメカスさんの詩集の翻訳者・村田郁夫さん。この夜の宴については原茂さんのエッセイ「天使の謡う夜に」をお読みください。
2005年10月14日メカス

200510月メカスさん
2005年10月青山・ときの忘れものにて。左から、木下哲夫さん、亭主、メカスさん、尾立麗子
メカス木下尾立2005年青山・舞泉にて、メカスさん(中央)、木下哲夫さん(右)、尾立麗子(左)


幾度も日本を訪れ、日本中を旅したメカスさんを偲び、心からご冥福を祈ります。
メカスさん、ありがとう。

0909-15ジョナス・メカス
「エルズビエータ・メカス、わたしの母、リトアニア、1971(リトアニアへの旅の追憶)」
CIBA print
35.4x27.5cm
サインあり

0909-04ジョナス・メカス
「ジョナス・メカス」
CIBA print
35.4x27.5cm
サインあり

20151223_mekas_07_eda-haジョナス・メカス
「枝と葉の影を映し、雨滴に濡れた壁」
1983年  シルクスクリーン(刷り:岡部徳三)
37.5x51.0cm
Ed.75  サインあり

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版画掌誌5号表紙600
版画掌誌第5号
オリジナル版画入り美術誌
ときの忘れもの 発行
特集1/ジョナス・メカス
特集2/日和崎尊夫
B4判変形(32.0×26.0cm) シルクスクリーン刷り
A版ーA : 限定15部
A版ーB : 限定20部
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*画廊亭主敬白
メカスさんの一周忌を前に記事を書いていたのですが、写真家の奈良原一高先生の訃報が入り、愕然としています。実はオノサト展の次の企画は「銀塩写真の魅力 Ⅵ展」(2月19日~3月14日、奈良原一高、福原信三、瑛九、福田勝治、風間健介、菅原一剛、アジェ、マン・レイ)であり奈良原先生の代表作を展示する計画でした。はからずも追悼の展示になりますが、謹んでご冥福をお祈りいたします。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2011年10月18日|元藤燁子さんと玉野黄市帰還公演
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