皆様こんにちわ。
ときの忘れもの国内担当のスタッフMです。
「没後60年 第29回瑛九展」のWeb展の動画はもうご覧いただけたでしょうか。
WebマガジンColla:J 塩野哲也さん撮影・編集による動画は、大変好評をいただいております。下記の再生マークをクリックすると再生開始しますので、ご覧ください。
さて、今回はときの忘れもの初の動画制作の撮影の様子とともに、庭で撮影した経緯をご説明します。

庭で撮影すると聞いた方からは「少しドキッとした」とコメントをいただいたのですが、本展のために大谷省吾先生にご執筆いただいたテキストを読んでいただけるとその理由がお分かりになると思います。
まだお読みでない方はこちらからお読みください。
大谷省吾「ウェブ上で見る瑛九晩年の点描作品」
庭での撮影の経緯は、瑛九を支援していた福井のコレクター木水育男さんの文章がきっかけでした。木水育男さんは1979年6月『現代美術の父 瑛九展』の図録の中で次のように書いています。
「或る晴れた日でした。この絵を庭に出して陽光の下で見たのです。するとどうでしょうか、あれほど気にした黒が銀灰色に輝き、瑛九のあの青も、黄も、赤も、それに呼応して鮮烈に冴え、大きく動くのです。強烈な生命感が、折りしもの陽光にダイナミックに映えかえっているのです。なんという自信、なんという存在、ぼくの内部がうちふるえるのを覚えました」
(木水育男「ぼくは瑛九が好きです。」『現代美術の父 瑛九展』図録、小田急グランドギャラリー、1979年6月、頁付無。より引用)
私はこの木水さんのエピソードを大谷先生のテキストで初めて知りました。
木水さんが体験した陽光で輝く点描画を見てみたい。
そこでスタッフで話し合い、撮影時の一瞬だけ画廊の庭に出して撮影しようということになりました。

瑛九「たそがれ」を撮影している塩野哲也さん


山田光春先生も木水さんとのエピソードを次のように語っています。
「その三十号の作品を自分の書斎の壁に掛け、毎日眺めていた木水は、やがて次第に、その画面の奥底から湧き上がって来るものに、深い喜びと勇気とを与えられるのを覚えるようになったと、後にぼくに語った。」
(山田光春「瑛九 評伝と作品」(1976年、株式会社青龍洞) p.428より引用)
1979年6月8日~20日 小田急グランドギャラリーで開催された「現代美術の父 瑛九展」のレセプション会場の様子。左から、右手にグラスを持っているのは瑛九の会事務局長の原田勇さん、中央に杉田都さん(瑛九夫人)、堀栄治さん、背広を着て左手でグラスを持っているのは瑛九の会代表の木水育男さんです。

左から「ながれ(B)」「赤の舞い(仮)」「海辺」
木水さんは次のようにも語っています。
「11月、瑛九入院のしらせを受け、浦和の病院へ見舞いました。彼はベッドの上で、『大作が出来ているから、庭に出して張りめぐらしその中で見てほしい。』といいました。ぼくたちはアトリエから大作を庭に出して、彼のいうように見ました。瑛九の宇宙を見たぼくたちの驚きは其の大作をみんなが予約したことでおわかりでしょう」
(木水育男「ぼくは瑛九が好きです。」『現代美術の父 瑛九展』図録、小田急グランドギャラリー、1979年6月、頁付無。より引用)

画廊1階の正面の壁に展示している「貝」

図書室には瑛九の関連資料をそろえています。
コロナウイルス禍で撮影に立ち会えたのはスタッフの中で私だけだったのですが、
まさに木水さんの仰っているように太陽の下で油彩が眩い光を放っていて、感動しました。
その感動を少しでもお伝えできればと、塩野さんが第二部の動画を編集中です。
5月20日頃公開予定ですのでぜひご期待ください。
それでは今日はこのへんで。
どうか皆様元気にお過ごしください。
(スタッフM)
*画廊亭主敬白
臨時休廊(予約制)48日目
<いつもお世話になっております。
ご連絡いただきありがとうございます。
お店を休業して、もうすぐ一か月。
店内に作業に来てはいても、
シャッターのなかでの作業は、なかなか気が入りません。
あらためて、お店があっての自分だったのだなぁ、と思っています。
たぶん皆様も、同じ気持ちなのではないかなと思っています。
はやく落ち着いて、みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。
BOOKS青いカバ 小国貴司>
お客様あっての古本屋さんというのは画廊も同じです。ガランとした空間に瑛九の名品が並んでも何となくさみしい。スタッフ一人だけが立ち会った「太陽の陽の光のもとでの束の間の瑛九展」、お客様とともに見たかったです。
●本日のお勧め作品は瑛九です。
《貝》
1956年
キャンバスに油彩
45.5×38.0cm(F8号)
※山田光春「瑛九油絵作品写真集」No.278
※レゾネNo.305
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2016年06月23日|南画廊と駒井哲郎~駒井哲郎を追いかけて第58回
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◆没後60年 第29回瑛九展(Web展/アポイントメント制)開催中
会期=2020年5月8日[金]―5月30日[土]
皆様がご自宅で楽しんでいただけるようYouTubeにて動画を公開中です。
特別寄稿・大谷省吾さんの「ウェブ上で見る瑛九晩年の点描作品」もぜひお読みください。
※アポイント制にてご来廊いただける日時は、火曜~土曜の平日12:00~18:00となります。前日までにメールでご予約ください。日・月・祝日休廊。

没後60年を記念して第29回瑛九展を開催し、1958~59年の点描を中心に、油彩、フォトデッサン、版画など15点を出品します。
ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。
◆ときの忘れものは5月11日ブログで「中村哲医師とペシャワール会支援頒布会」を開催中です。
申し込み締め切りは5月15日19時です。
◆ときの忘れもののブログは作家、研究者、コレクターの皆さんによるエッセイを掲載し毎日更新を続けています(年中無休)。
皆さんのプロフィールは奇数日の執筆者は4月21日に、偶数日の執筆者は4月24日にご紹介しています。
◆ときの忘れものは版画・写真のエディション作品などをアマゾンに出品しています。
●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
ときの忘れもの国内担当のスタッフMです。
「没後60年 第29回瑛九展」のWeb展の動画はもうご覧いただけたでしょうか。
WebマガジンColla:J 塩野哲也さん撮影・編集による動画は、大変好評をいただいております。下記の再生マークをクリックすると再生開始しますので、ご覧ください。
さて、今回はときの忘れもの初の動画制作の撮影の様子とともに、庭で撮影した経緯をご説明します。

庭で撮影すると聞いた方からは「少しドキッとした」とコメントをいただいたのですが、本展のために大谷省吾先生にご執筆いただいたテキストを読んでいただけるとその理由がお分かりになると思います。
まだお読みでない方はこちらからお読みください。
大谷省吾「ウェブ上で見る瑛九晩年の点描作品」
庭での撮影の経緯は、瑛九を支援していた福井のコレクター木水育男さんの文章がきっかけでした。木水育男さんは1979年6月『現代美術の父 瑛九展』の図録の中で次のように書いています。
「或る晴れた日でした。この絵を庭に出して陽光の下で見たのです。するとどうでしょうか、あれほど気にした黒が銀灰色に輝き、瑛九のあの青も、黄も、赤も、それに呼応して鮮烈に冴え、大きく動くのです。強烈な生命感が、折りしもの陽光にダイナミックに映えかえっているのです。なんという自信、なんという存在、ぼくの内部がうちふるえるのを覚えました」
(木水育男「ぼくは瑛九が好きです。」『現代美術の父 瑛九展』図録、小田急グランドギャラリー、1979年6月、頁付無。より引用)
私はこの木水さんのエピソードを大谷先生のテキストで初めて知りました。
木水さんが体験した陽光で輝く点描画を見てみたい。
そこでスタッフで話し合い、撮影時の一瞬だけ画廊の庭に出して撮影しようということになりました。

瑛九「たそがれ」を撮影している塩野哲也さん


山田光春先生も木水さんとのエピソードを次のように語っています。
「その三十号の作品を自分の書斎の壁に掛け、毎日眺めていた木水は、やがて次第に、その画面の奥底から湧き上がって来るものに、深い喜びと勇気とを与えられるのを覚えるようになったと、後にぼくに語った。」
(山田光春「瑛九 評伝と作品」(1976年、株式会社青龍洞) p.428より引用)
1979年6月8日~20日 小田急グランドギャラリーで開催された「現代美術の父 瑛九展」のレセプション会場の様子。左から、右手にグラスを持っているのは瑛九の会事務局長の原田勇さん、中央に杉田都さん(瑛九夫人)、堀栄治さん、背広を着て左手でグラスを持っているのは瑛九の会代表の木水育男さんです。
左から「ながれ(B)」「赤の舞い(仮)」「海辺」
木水さんは次のようにも語っています。
「11月、瑛九入院のしらせを受け、浦和の病院へ見舞いました。彼はベッドの上で、『大作が出来ているから、庭に出して張りめぐらしその中で見てほしい。』といいました。ぼくたちはアトリエから大作を庭に出して、彼のいうように見ました。瑛九の宇宙を見たぼくたちの驚きは其の大作をみんなが予約したことでおわかりでしょう」
(木水育男「ぼくは瑛九が好きです。」『現代美術の父 瑛九展』図録、小田急グランドギャラリー、1979年6月、頁付無。より引用)

画廊1階の正面の壁に展示している「貝」

図書室には瑛九の関連資料をそろえています。
コロナウイルス禍で撮影に立ち会えたのはスタッフの中で私だけだったのですが、
まさに木水さんの仰っているように太陽の下で油彩が眩い光を放っていて、感動しました。
その感動を少しでもお伝えできればと、塩野さんが第二部の動画を編集中です。
5月20日頃公開予定ですのでぜひご期待ください。
それでは今日はこのへんで。
どうか皆様元気にお過ごしください。
(スタッフM)
*画廊亭主敬白
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<いつもお世話になっております。
ご連絡いただきありがとうございます。
お店を休業して、もうすぐ一か月。
店内に作業に来てはいても、
シャッターのなかでの作業は、なかなか気が入りません。
あらためて、お店があっての自分だったのだなぁ、と思っています。
たぶん皆様も、同じ気持ちなのではないかなと思っています。
はやく落ち着いて、みなさんとお会いできる日を楽しみにしています。
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お客様あっての古本屋さんというのは画廊も同じです。ガランとした空間に瑛九の名品が並んでも何となくさみしい。スタッフ一人だけが立ち会った「太陽の陽の光のもとでの束の間の瑛九展」、お客様とともに見たかったです。
●本日のお勧め作品は瑛九です。
《貝》1956年
キャンバスに油彩
45.5×38.0cm(F8号)
※山田光春「瑛九油絵作品写真集」No.278
※レゾネNo.305
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2016年06月23日|南画廊と駒井哲郎~駒井哲郎を追いかけて第58回
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◆没後60年 第29回瑛九展(Web展/アポイントメント制)開催中
会期=2020年5月8日[金]―5月30日[土]
皆様がご自宅で楽しんでいただけるようYouTubeにて動画を公開中です。
特別寄稿・大谷省吾さんの「ウェブ上で見る瑛九晩年の点描作品」もぜひお読みください。
※アポイント制にてご来廊いただける日時は、火曜~土曜の平日12:00~18:00となります。前日までにメールでご予約ください。日・月・祝日休廊。

没後60年を記念して第29回瑛九展を開催し、1958~59年の点描を中心に、油彩、フォトデッサン、版画など15点を出品します。
ときの忘れものは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、スッタフは在宅勤務しています。メールでのお問合せ、ご注文には通常通り対応しています。
◆ときの忘れものは5月11日ブログで「中村哲医師とペシャワール会支援頒布会」を開催中です。
申し込み締め切りは5月15日19時です。◆ときの忘れもののブログは作家、研究者、コレクターの皆さんによるエッセイを掲載し毎日更新を続けています(年中無休)。
皆さんのプロフィールは奇数日の執筆者は4月21日に、偶数日の執筆者は4月24日にご紹介しています。
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TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
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