柳正彦さんよりパリ<包まれた凱旋門>第三信
クリスト! ジャンヌ=クロード!「包まれた凱旋門、パリ、1961-2021」・・・観に来たよ!(その3)

今回は、働くわけではなく、観客として訪れた「包まれた凱旋門」ですが、IDカードは準備されていました。オフィスやスタッフのカフェテリアに自由に出入りできたのも嬉しいですが、オフィスの屋上やテラスから「包まれた凱旋門」を眺め、撮影できたのは・・・スタッフ冥利につきました。


「包まれた凱旋門」に使われた布地は、青色のポリプロピレン製。荒く織られたものに、アルミニウム粉を吹き付けてあります。布が折れた場所やロープが擦れた場所、観客が触った場所などは、アルミのコーティングが剥げ、青色が現れるように計算されているわけです。
同じように、アルミ粉が吹き付けられたポリプロピレン生地がつかわれた、1995年の「包まれたライヒスターク」の際の経験から、この変化する布地が考えられたそうです。

アルミ粉は、光の変化を如実に反映し続けています。


「包まれた凱旋門」全体が同じ色に変化するわけではなく、大きなコントラストをみせる瞬間もあります。

夜のあいだは、照明があてられ、金色に近い色の「包まれた凱旋門」ですが、午前7時過ぎに照明が消されてから日の出までの短いあいだは、布もひと休みして、布自体の色をみせてくれています。
(やなぎ まさひこ)
■柳正彦 Masahiko YANAGI
東京都出身。大学卒業後、1981年よりニューヨーク在住。ニュー・スクール・フォー・ソシアル・リサーチ大学院修士課程終了。在学中より、美術・デザイン関係誌への執筆、展覧会企画、コーディネートを行う。1980年代中頃から、クリストとジャンヌ=クロードのスタッフとして「アンブレラ」「包まれたライヒスターク」「ゲート」「オーバー・ザ・リバー」「マスタバ」の準備、実現に深くかかわっている。また二人の日本での展覧会、講演会のコーディネート、メディア対応の窓口も勤めている。
2016年秋、水戸芸術館で開催された「クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91」も柳さんがスタッフとして尽力されました。
●柳正彦のエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は毎月20日の更新です。今回は特別にパリ<包まれた凱旋門>について現地からのレポートをお願いしました。第一信、第二信と合わせてお読みください。
●この秋はじまる新連載はじめ執筆者の皆さんを9月4日のブログでご紹介しました。
<取り扱い作家たちの展示情報>
●DIC川村記念美術館「クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる」
会期:7月3日~10月3日
クリスト
●東京都美術館
「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」
会期=7月22日~10月9日
ジョナス・メカス、他
担当学芸員・中原淳行さんのギャラリートークがユーチューブで公開されています。
*8月18日ブログに王聖美さんの展覧会レビューを掲載しました。
●富山県美術館「瀧口修造の肖像Part2 中西夏之・赤瀬川原平・野中ユリ」
会期=7月15日~10月12日
瀧口修造、赤瀬川原平、他
●東京都現代美術館
「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」
会期=7月17日~10月17日
横尾忠則
*7月30日ブログにスタッフMの観覧レポートを掲載しました。
*大分県立美術館に巡回予定、会期=12月4日~2022年1月23日
●埼玉県立近代美術館「2021 MOMASコレクション 第2期」
会期=7月17日~10月17日
瑛九、駒井哲郎、オノサト・トシノブ、菅井汲、宮脇愛子、他
●Nii Fine Arts Osaka
「光嶋裕介展2021」
会期=10月1日~10月17日
箔画作家 野口琢郎氏とのコラボレーション作品を含め、光嶋裕介の幻想都市風景をモチーフとした新作ドローイング、約十数点を展示いたします。
●八王子市夢美術館
「自転車のある情景」
会期=9月17日 ~ 11月23日
瑛九、フェルナン・レジェ、松本竣介、植田正治、他
徳島県立近代美術館学芸員の友井伸一さんのエッセイ「自転車のある情景」をお読みください。
◀瑛九「白い角」
●清里フォトアートミュージム「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」
会期=7月17日 ~12月5日
細江英公
●福岡市美術館「コレクションハイライト」
会期=5月18日~2022年3月31日
ソニア・ドローネ―、ルイーズ・ニーヴェルスン、アンディ・ウォーホル、他
●大川美術館
「再見された松本竣介のアトリエ」
松本竣介作品が常時見られます。高崎市美術館学芸員の住田常生さんのエッセイ/松本竣介とゆく「街歩きの時間」をお読みください。
●岩手県立美術館
「松本竣介・舟越保武展示室」
松本竣介、舟越保武の作品が常時見られます。
中村惠一さんのエッセイ「盛岡彷徨記 その3 岩手県立美術館」をお読みください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
クリスト! ジャンヌ=クロード!「包まれた凱旋門、パリ、1961-2021」・・・観に来たよ!(その3)

今回は、働くわけではなく、観客として訪れた「包まれた凱旋門」ですが、IDカードは準備されていました。オフィスやスタッフのカフェテリアに自由に出入りできたのも嬉しいですが、オフィスの屋上やテラスから「包まれた凱旋門」を眺め、撮影できたのは・・・スタッフ冥利につきました。


「包まれた凱旋門」に使われた布地は、青色のポリプロピレン製。荒く織られたものに、アルミニウム粉を吹き付けてあります。布が折れた場所やロープが擦れた場所、観客が触った場所などは、アルミのコーティングが剥げ、青色が現れるように計算されているわけです。
同じように、アルミ粉が吹き付けられたポリプロピレン生地がつかわれた、1995年の「包まれたライヒスターク」の際の経験から、この変化する布地が考えられたそうです。

アルミ粉は、光の変化を如実に反映し続けています。


「包まれた凱旋門」全体が同じ色に変化するわけではなく、大きなコントラストをみせる瞬間もあります。

夜のあいだは、照明があてられ、金色に近い色の「包まれた凱旋門」ですが、午前7時過ぎに照明が消されてから日の出までの短いあいだは、布もひと休みして、布自体の色をみせてくれています。
(やなぎ まさひこ)
■柳正彦 Masahiko YANAGI
東京都出身。大学卒業後、1981年よりニューヨーク在住。ニュー・スクール・フォー・ソシアル・リサーチ大学院修士課程終了。在学中より、美術・デザイン関係誌への執筆、展覧会企画、コーディネートを行う。1980年代中頃から、クリストとジャンヌ=クロードのスタッフとして「アンブレラ」「包まれたライヒスターク」「ゲート」「オーバー・ザ・リバー」「マスタバ」の準備、実現に深くかかわっている。また二人の日本での展覧会、講演会のコーディネート、メディア対応の窓口も勤めている。
2016年秋、水戸芸術館で開催された「クリストとジャンヌ=クロード アンブレラ 日本=アメリカ合衆国 1984-91」も柳さんがスタッフとして尽力されました。
●柳正彦のエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は毎月20日の更新です。今回は特別にパリ<包まれた凱旋門>について現地からのレポートをお願いしました。第一信、第二信と合わせてお読みください。
●この秋はじまる新連載はじめ執筆者の皆さんを9月4日のブログでご紹介しました。
<取り扱い作家たちの展示情報>
●DIC川村記念美術館「クリストとジャンヌ゠クロード―包む、覆う、積み上げる」
会期:7月3日~10月3日
クリスト
●東京都美術館
「Walls & Bridges 世界にふれる、世界を生きる」会期=7月22日~10月9日
ジョナス・メカス、他
担当学芸員・中原淳行さんのギャラリートークがユーチューブで公開されています。
*8月18日ブログに王聖美さんの展覧会レビューを掲載しました。
●富山県美術館「瀧口修造の肖像Part2 中西夏之・赤瀬川原平・野中ユリ」
会期=7月15日~10月12日
瀧口修造、赤瀬川原平、他
●東京都現代美術館
「GENKYO 横尾忠則 原郷から幻境へ、そして現況は?」会期=7月17日~10月17日
横尾忠則
*7月30日ブログにスタッフMの観覧レポートを掲載しました。
*大分県立美術館に巡回予定、会期=12月4日~2022年1月23日
●埼玉県立近代美術館「2021 MOMASコレクション 第2期」
会期=7月17日~10月17日
瑛九、駒井哲郎、オノサト・トシノブ、菅井汲、宮脇愛子、他
●Nii Fine Arts Osaka
「光嶋裕介展2021」会期=10月1日~10月17日
箔画作家 野口琢郎氏とのコラボレーション作品を含め、光嶋裕介の幻想都市風景をモチーフとした新作ドローイング、約十数点を展示いたします。
●八王子市夢美術館
「自転車のある情景」会期=9月17日 ~ 11月23日
瑛九、フェルナン・レジェ、松本竣介、植田正治、他
徳島県立近代美術館学芸員の友井伸一さんのエッセイ「自転車のある情景」をお読みください。
◀瑛九「白い角」
●清里フォトアートミュージム「細江英公の写真:暗箱のなかの劇場」
会期=7月17日 ~12月5日
細江英公
●福岡市美術館「コレクションハイライト」
会期=5月18日~2022年3月31日
ソニア・ドローネ―、ルイーズ・ニーヴェルスン、アンディ・ウォーホル、他
●大川美術館
「再見された松本竣介のアトリエ」松本竣介作品が常時見られます。高崎市美術館学芸員の住田常生さんのエッセイ/松本竣介とゆく「街歩きの時間」をお読みください。
●岩手県立美術館
「松本竣介・舟越保武展示室」松本竣介、舟越保武の作品が常時見られます。
中村惠一さんのエッセイ「盛岡彷徨記 その3 岩手県立美術館」をお読みください。
●ときの忘れものは2017年に青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。もともと住宅だった阿部勤設計の建物LAS CASASを使って、毎月展覧会(Web展)を開催し、美術書の編集事務所としても活動しています。
WEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>の特集も是非ご覧ください。
ときの忘れものはJR及び南北線の駒込駅南口から徒歩約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
コメント