画廊では6年ぶりの内間安瑆展を開催中(6月1日まで)ですが、時期を同じくして早稲田大学會津八一記念博物館で内間安瑆先生、木村利三郎先生たちの作品が展示されています。

「ニューヨークを舞台にした日本人アーティストたち ―木村利三郎作《メトロポリス》を中心に」
会期:2024年5月13日(月)~ 7月15日(月・祝)
休館日:水曜日
会場:早稲田大学會津八一記念博物館
観覧料:入場無料
早稲田1

早稲田2
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出品作家:荒川修作、猪熊弦一郎、内間安瑆、木村利三郎、坂上怜湖、佐々木健二郎、佐藤正明、白井昭子、富岡惣一朗、流政之
図録執筆:坂上桂子(早稲田大学教授)、佐々木健二郎(画家・文筆家)、長谷見雄二(早稲田大学名誉教授)、玉井貴子(會津八一記念博物館学芸員)

2019年に開催した「ニューヨークに学んだ画家たち―木村利三郎を中心に」を機に、当館では木村利三郎(1924-2014)のご遺族から油彩画15点を受贈しました。そのうちの1点《メトロポリス(METROPOLIS)》は、都市を描き続けてきた木村の画業において集大成的な意味をもつ作品といえます。本作は大都市(メトロポリス)をテーマとした、30メートルほどの長さがある作品ですが、木村の創作においてこのような大作は珍しく、貴重な作例となっています。今回、このダイナミックな油彩画を會津八一記念博物館2階のグランド ギャラリーの大きなスペースを活用し、展示します。
本展ではまた、《メトロポリス》だけではなく、木村利三郎の作品から、先回の展覧会で出品できなかった油彩画や初期の水彩画などを紹介します。さらに、荒川修作や内間安瑆、白井昭子など関連作家の作品を展覧することで、ニューヨークを舞台に世界で活躍をするようになった日本人アーティストの活動を紹介します。前回展とともに本展が、ニューヨークにおける日本人アーティストの活動をより一層理解できる機会となれば幸いです。(同館サイトより)

●本日のお勧め作品は内間安瑆木村利三郎です。
uchima_15_forestbyobu_fragrance内間安瑆《Forest Byobu (Fragrance)》
1981年
木版(米田版画工房・米田稔刷り)
イメージサイズ: 75.5×44.0cm
シートサイズ: 85.3×53.2cm
Ed. 120(現代版画センターエディション)
サインあり


NEW YORK A木村利三郎《NEW YORK A》
リトグラフ
イメージサイス16.0×22.0cm
シートサイズ19.3×25.0cm
A.P.
サインあり


*画廊亭主敬白
木村利三郎先生(愛称はリサさん)は現代版画センターの創立時にドイツのコレクター組織について私たちに教えて下さった恩人です(画譜第2号所収)。今年がちょうど生誕100年、没後10年(1924年10月13日 - 2014年5月17日)。ときの忘れものでも記念の展示を計画しています。
會津八一記念博物館は早稲田大学の構内にありますが、そこが連日一般の人々でときならぬ賑わいをみせているという。リサさん、内間先生もたいした人気だねと喜んでいたら、人々が向かうのは、會津八一記念博物館ではなく演劇博物館らしい。

koshijifubuki_main1生誕100年 越路吹雪衣装展
会期:2024年4月25日(木)~8月4日(日)
会場:早稲田大学演劇博物館

早稲田と越路吹雪さんとどういう関係が? と思っていたらブログ執筆者の都築響一さんの有料メールマガジン『ROADSIDERS' weekly』の2024/05/22号 Vol.59が詳しく報じているので、ご興味ある方はどうぞお読みになってください。世に数多有料メールマガジンがありますが、質量ともに抜群なのが都築さんのもの、タブーなんかものともせず毎週水曜に果敢に発信中です。
都築さんの記事によれば、
<今年は越路吹雪の生誕100周年。没後、終生のパートナーだった音楽家・内藤法美さんからゆかりの品々が演劇博物館に寄贈され、1982年の「特別展・越路吹雪を偲ぶ」を皮切りにこれまで何度か展覧会が開かれてきたが、今回は2009年以来、15年ぶりとなる越路吹雪展だそう。演劇博物館には伝説の「ロングリサイタル」などで着用されたオートクチュール・ドレスが56着も収蔵されていて(今回はそのうち11着を展示、後期は展示替えであらたな11着が並ぶ)、会場は「あ~懐かしい!」と声を上げる越路吹雪のオールドファンと、ノートを開いてドレスのスケッチに励む服飾デザイン系の学生たちがなごやかに混在していた。
(中略)
1928(昭和3)年、坪内逍遙博士の古稀(70歳)と、その半生を傾倒した「シェークスピヤ全集」全40巻の翻訳が完成したのを記念して設立されたのが演劇博物館。シェイクスピアが活躍した時代のロンドンのフォーチュン座を模した建築が印象的。おとなりには村上春樹ライブラリーがあり、2階の隅っこには都築響一寄贈書コーナーもちょこっとあるので一緒にご覧ください。カフェがけっこう気持ちいいです(博物館、ライブラリーとも入館無料、一般OK!)>

越路さんの事務所があったのは渋谷の桜丘、何を隠そう現代版画センターの事務所があったマンションでした。同じマンションのお隣さんでありました。
近くにはシャンソン歌手の中原美紗緒さんもおられ、ときどき道でお見掛けしました。

◆「内間安瑆展 Forest Byobu
会期:2024年5月17日(金)~6月1日(土)11時~19時 *日・月・祝日休廊
Uchima Ansei Exhibition 案内状_表面_1280内間安瑆 (1921-2000)はアメリカで生まれ、1940年に早稲田大学に留学、建築を学びますが、戦後恩地孝四郎らの創作版画に刺激され木版画を制作。浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と呼ぶ独自の技法を確立し、45度摺にも及ぶ〈Forest Byobu〉連作を生み出しました。
内間の木版画は、鮮やかな色彩のハーモニー、微妙なぼかしが入った色面が幾重にも重なる複雑な構成をしており、多色にもかかわらず画面全体には静かな気品が漂います。代表作〈Forest Byobu〉連作を中心に、木版、油彩、銅版など26点をご覧いただきます。
各作品のデータは5月13日ブログをご参照ください。
早稲田大学會津八一記念博物館で5月13日~7月15日「ニューヨークを舞台にした日本人アーティストたち」展が開催され内間安瑆作品も展示されます。

内間表紙1200『内間安瑆 Forest Byobu』展図録
発行:ときの忘れもの
発行日:2024年5月17日
サイズ他:25.7×18.2cm、カラー/モノクロ38P
図版:内間安瑆作品26点
テキスト執筆:
長谷見雄二(早稲田大学名誉教授)
水沢勉(美術史家・美術評論家)
比嘉良治(N.Y.ロングアイランド大学名誉教授)
編集:Curio Editors Studio
デザイン:柴田卓
価格:1,650円(税込)+ 送料250円

●ときの忘れものの建築は阿部勤先生の設計です。
建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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