先日、長野県にあるリトグラフ摺師・森仁志さんが主宰した「森工房」を訪ねました。
森さんは、世界最大級のリトグラフを刷るため、原広司先生に設計を依頼し、長野県に大きなリトグラフ工房を建築、世界最大の巨大リトグラフプレス機(250×125cm)を設置し、2mを超えるリトグラフの制作を可能にしました。岡本太郎、菅井汲、関根伸夫、難波田龍起、舟越保武、三栖右嗣、大沢昌助、池田満寿夫、東山魁夷、福沢一郎、ベルナール・カトラン、アンドレ・ブラジリエ、ジャン=ピエール・カシニョールなど、国内外から作家を招き、数日~数ヶ月間滞在しながら(森工房宿泊と、森夫人による豪華手料理3食付き!)数々の大版画を生み出しました。
森さんは2014年にお亡くなりましたが、現在はご夫人の林榮子さんが森工房を大切に守っていらっしゃいます。
建物は建築家・原広司さんよる設計で、1981年に竣工しました。この建築が素晴らしかったので、ご紹介します(現在は公開していません)。

建物までのアプローチは3つに分かれ、玄関も3つ並んでいます。
中央に林榮子さん

玄関ホール
建物はロの字型になっており、中央の中庭には噴水が設置されています。噴水の周りに敷き詰められているものはリトグラフで使用できなかった色にばらつきのある丸石。
森さんが設計された巨大リトグラフ機。2mの版画を作るにはその倍の大きさの台が必要なのです。
展示してある作品は森仁志さんの油彩作品。森さんはフランスのカルナックの巨石に魅せられ、3度訪問し、〈石の記憶〉シリーズの作品を制作し続けました。
直射日光があたらないようになのか、高い位置に設けられたハイサイドライト。版画を自然光で確認するためでしょうか?
ハイサイドライトの光が塔の中に集まり、照明のようになっています。


大きな壁の奥には二階への階段。
2階は部屋はなく回廊のみ。ここから、大版画の全体を見渡して出来などを確認するそうです。


サロンスペース。黒のYチェアーが効いています。
森工房は美術館を圧縮したような空間で、原広司さんの思想〈反射性住居〉が取り入れられているように思いました。原広司さんの最高傑作といってもいいかもしれません。
是非、多くの方に知っていただきたく、いつか建築ツアーを企画したいと思います。その時は是非ご参加ください。
(おだち れいこ)
●本日のお勧め作品は難波田龍起です。
難波田龍起「石の時間」
1979年
リトグラフ(刷り:森工房・森仁志)
Image size: 60.0×100.0cm
Sheet size: 64.8×104.5cm
Ed.25 Signed
*現代版画センターエディション
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんのレポート(10月8日ブログ)をお読みください。
カタログ『SURREALISME』(仏語版)を特別頒布します。
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円

●松本竣介展の図録を刊行しました(1,100円+送料250円)。
『松本竣介展』図録
発行:ときの忘れもの
発行日:2024年10月4日
サイズ:25.7×18.2cm
カラー 24P
図版:松本竣介作品13点
執筆:弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
大谷省吾(東京国立近代美術館副館長)
編集・デザイン:柴田卓
価格:1,100円(税込) 送料:250円
●松本竣介展の動画を作成しましたのでご覧ください。
(映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也)
※クリックすると再生します。
※右下の「全画面」ボタンをクリックすると動画が大きくなります。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
森さんは、世界最大級のリトグラフを刷るため、原広司先生に設計を依頼し、長野県に大きなリトグラフ工房を建築、世界最大の巨大リトグラフプレス機(250×125cm)を設置し、2mを超えるリトグラフの制作を可能にしました。岡本太郎、菅井汲、関根伸夫、難波田龍起、舟越保武、三栖右嗣、大沢昌助、池田満寿夫、東山魁夷、福沢一郎、ベルナール・カトラン、アンドレ・ブラジリエ、ジャン=ピエール・カシニョールなど、国内外から作家を招き、数日~数ヶ月間滞在しながら(森工房宿泊と、森夫人による豪華手料理3食付き!)数々の大版画を生み出しました。
森さんは2014年にお亡くなりましたが、現在はご夫人の林榮子さんが森工房を大切に守っていらっしゃいます。
建物は建築家・原広司さんよる設計で、1981年に竣工しました。この建築が素晴らしかったので、ご紹介します(現在は公開していません)。

建物までのアプローチは3つに分かれ、玄関も3つ並んでいます。
中央に林榮子さん
玄関ホール
建物はロの字型になっており、中央の中庭には噴水が設置されています。噴水の周りに敷き詰められているものはリトグラフで使用できなかった色にばらつきのある丸石。
森さんが設計された巨大リトグラフ機。2mの版画を作るにはその倍の大きさの台が必要なのです。
展示してある作品は森仁志さんの油彩作品。森さんはフランスのカルナックの巨石に魅せられ、3度訪問し、〈石の記憶〉シリーズの作品を制作し続けました。
直射日光があたらないようになのか、高い位置に設けられたハイサイドライト。版画を自然光で確認するためでしょうか?
ハイサイドライトの光が塔の中に集まり、照明のようになっています。

大きな壁の奥には二階への階段。
2階は部屋はなく回廊のみ。ここから、大版画の全体を見渡して出来などを確認するそうです。

サロンスペース。黒のYチェアーが効いています。森工房は美術館を圧縮したような空間で、原広司さんの思想〈反射性住居〉が取り入れられているように思いました。原広司さんの最高傑作といってもいいかもしれません。
是非、多くの方に知っていただきたく、いつか建築ツアーを企画したいと思います。その時は是非ご参加ください。
(おだち れいこ)
●本日のお勧め作品は難波田龍起です。
難波田龍起「石の時間」1979年
リトグラフ(刷り:森工房・森仁志)
Image size: 60.0×100.0cm
Sheet size: 64.8×104.5cm
Ed.25 Signed
*現代版画センターエディション
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんのレポート(10月8日ブログ)をお読みください。
カタログ『SURREALISME』(仏語版)を特別頒布します。
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円

●松本竣介展の図録を刊行しました(1,100円+送料250円)。
『松本竣介展』図録発行:ときの忘れもの
発行日:2024年10月4日
サイズ:25.7×18.2cm
カラー 24P
図版:松本竣介作品13点
執筆:弘中智子(板橋区立美術館学芸員)
大谷省吾(東京国立近代美術館副館長)
編集・デザイン:柴田卓
価格:1,100円(税込) 送料:250円
●松本竣介展の動画を作成しましたのでご覧ください。
(映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也)
※クリックすると再生します。
※右下の「全画面」ボタンをクリックすると動画が大きくなります。
●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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