本日8月20日は宮脇愛子先生の命日です(1929年9月20日 – 2014年8月20日、享年84)。
亡くなられて11年経ちますが、私たちにとっては最も身近で、そして厳しくご指導いただいた作家でした。
宮脇先生というと思い浮かぶのは東京で、軽井沢で、自宅やレストランなどでの様々な人たちとの会食でした。
食事(会食)がいかに重要かを教えてくださったのが宮脇先生でした。
お茶の水(湯島)にあったアトリエにはじめて食事に招かれたのは1977年頃でしたか、夫婦二人緊張のあまり食べた気がしませんでした。

私たちが初めてエディションした『宮脇愛子銅版画集 1980』(6点組、限定50部、序文:辻邦生、現代版画センター刊)の刊行が1980年6月。
ときの忘れものでの生前最後の個展となった「宮脇愛子新作展2013」は2013年12月でした。
40数年に渡り、たくさんのエディション(立体、銅版画、シルクスクリーン、挿画本)を制作していただき、たびたび展覧会を開催していただきました。
ご紹介する立体、版画、ドローイングはすべてときの忘れものの所蔵です。ぜひ皆さんのコレクションに加えてください。

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堤清二さんと宮脇愛子先生
1980年9月1日 現代版画センター企画「宮脇愛子展」
会場:銀座・ギャラリーせいほう


宮脇愛子 Aiko MIYAWAKI
Work(4)

1983年
板、布にピアノ線
46.5×37.9cm
サインあり

 

1983年4月G方寸バンニ展イタリア大使館1983年4月26日「ジャン・ベルト・ヴァンニ展」レセプション 宮脇愛子先生(左)と小田襄先生 於・イタリア大使館

No18_19Miyawaki宮脇愛子
上《Golden Egg(A)》21.0×12.0×H4.5cm
下《Golden Egg(B)》17.5×10.0×H3.0cm
1982
ブロンズ
Ed. 50
刻印あり、共箱にサインあり

20211211131912_00016宮脇愛子先生(左)と辻邦生先生(右)
1984年11月13日 「宮脇愛子 新作版画展」オープニングにて(渋谷・ギャラリー方寸)

『宮脇愛子 銅版画集/1980』
エッチング6点セット

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宮脇愛子銅版画集 1980


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序文は小説家の辻邦生

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宮脇愛子銅版画集より「作品Ⅰ」
銅版 6.7×13.4cm Ed.50 Signed

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宮脇愛子「作品Ⅵ」
銅版 29.8×12.3cm Ed.50 Signed

 

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1999年2月「磯崎新 新作展」のオープニングの二次会(赤坂・中国飯店) 左から辻佐保子先生、磯崎新先生、辻邦生先生、宮脇愛子先生

 


軽井沢のアトリエにて。宮脇愛子先生。

 


2009年9月10日 宮脇愛子先生の傘寿のお祝い 前列左から高橋悠治さん(ピアニスト)、宮脇愛子先生、坂田栄一郎さん(写真家)、酒井忠康先生(神奈川県立近代美術館館長)、宮脇先生の後ろに磯崎新先生
ごく内輪の会でしたが、出席者に配られた傘寿のお祝いの栞は、磯崎先生のご指示で綿貫令子が制作しました。

 


2010年7月13日 国立新美術館「マン・レイ展 知られざる創作の秘密」レセプションにて


2010年7月13日 国立新美術館「マン・レイ展 知られざる創作の秘密」レセプションにて

 

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2010年10月「マン・レイと宮脇愛子展」 三宅一生先生と(右) 於・ときの忘れもの(青山)

ray_15_miyawaki-poster「AIKO MIYAWAKI 1959-1989 Utsurohi」展ポスター
シルクスクリーン
ポートレイト撮影:マン・レイ
ポスターデザイン:磯崎新
シルクスクリーン(刷り:岡部徳三)
1989年
87.7×62.1cm
宮脇愛子の自筆サインあり
マン・レイの刷り込みサインあり


2012年8月30日 軽井沢にて 左から宮脇愛子先生、綿貫令子、植田実先生、綿貫不二夫

 


2013年宮脇愛子展に向けて、作品を制作

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宮脇愛子 Aiko MIYAWAKI
“Work” (5)
2013年  紙に銀ペン
イメージサイズ:23.2×28.5cm
シートサイズ :29.8×42.0cm
サインと年記あり

2013年12月、生前最後の個展をときの忘れもの(青山)で開催しました。
「宮脇愛子展」には磯崎新先生はじめ磯崎アトリエOBの皆さんはもちろん、槇文彦先生ご夫妻、野見山暁治先生、建築家の石山修武先生、京都からは浅田彰さん、霧の彫刻家中谷芙二子先生、大分からは岩田学園(磯崎新設計の名作)理事長の成瀬輝一さん、宇都宮から栃木県立美術館の小勝先生、岡山からは奈義町現代美術館の岸本先生、淡路島からは伝説のカメラマンにして今はカワラマン(瓦職人)の山田脩二さん、川崎市岡本太郎美術館の村田慶之輔先生、河口龍夫さん、島根紹さん、鈴木杜幾子さん、千葉成夫さん、原游さん、元池田満寿夫美術館館長の宮澤壮佳先生、カスヤの森現代美術館の若江漢字・はる子さん夫妻、大阪市立近代美術館建設準備室の三井知行先生、長谷川逸子さん、青木宏さん、大野幸さん、川村純一さんなど多くの皆さんにご来場いただき、宮脇先生との旧交をあたためられました。


 2013年12月7日 槇文彦先生ご夫妻と。ときの忘れもの「宮脇愛子展」オープニング 


 2013年12月7日 山本理顕先生(右)


2013年12月7日 笙奏者の宮田まゆみさん(右)

宮脇愛子 Aiko MIYAWAKI
MEGU

ガラス
33.0×12.0×17.3cm


2013年12月7日 鈴木博之先生(右)


2013年12月7日 高橋悠治さん(右)

 


2014年2月 個展終了後も制作意欲は衰えることなく、新作ドローイングに取り組まれました。
この半年後の2014年8月20日、静かに84歳の生涯を閉じられました。

作家の杣木浩一先生がブログに「宮脇愛子さんとの出会い」を連載中なのでお読みください。

*画廊亭主敬白(8月25日追記)
画廊は9月1日まで夏休みなので、その間のブログ記事は松下たちスタッフが事前の掲載予約をしておいてくれました。
なので社長も亭主ものんびりさせていただいています。
facebookを見ていたら三春堂の安藤三春さんの投稿を発見、驚きました。

今日8月20日、ときの忘れものさんの記事で宮脇愛子先生の命日と知りました。
昔、磯崎新先生の秘書の方が宮脇先生を目白の小さな三春堂ギャラリーにお連れくださいました。展示してある工芸作品の中から、陶芸家・武田武人氏の陶芸を気に入られディナー皿とスープボールを10セット特注してくださいました。錆秞という錆色の無地で、シンプルでモダンなものでその後、その器を使ったディナー風景の写真が婦人誌に紹介されました。(その雑誌は、2015年のギャラリーの水没で失ってしまいました💧お隣にいらっしゃる辻邦生先生は、私の古い友人の大学時代の先生で、奥さまの佐保子先生が目白駅前時代の三春堂を覗いてくださったり、お買い物をしてくださいました。私の友人が、オットー・ヴァーグナー全作品集(全4巻)をようやく刊行した時、辻先生に見せに行きたいので、その時私に写真を撮って欲しいとのこと。コンパクトカメラしか知らないのに何故、私が?状態でしたが、高輪のお宅に連れて行かれました。(友人は、大層癖の強い人なので、知り合いの写真家に頼みにくかったのではと想像しました)。
辻先生は、刊行をとても喜んでくださって、ヴァーグナーの本を見る二人の穏やかな笑顔の写真が残ってます。(ちょっとピンポケですが💦
友人は、辻先生が亡くなられた後に佐保子先生から形見分けに邦生先生の生成りのコートをいただいてとても喜んでいたのですが、その後その当人が急逝してしまいました。
とんでもなく混乱している中、他の人に分からない本人が大事にしていたもの避難させねばと、私は思い付くものを持ち出してしまいました。辻邦生先生のコートは、今も私の手元にあります。
綿貫さま、良き案がありましたらご連絡いただければ幸いです。 
2025.08.20 安藤三春

縁というのはつながっていくものなのですね。

8月24日(日)~9月1日(月)は夏季休廊いたします。誠に勝手ながらメール等のお問い合わせには9月2日以降に対応しますのでご了承ください。

生誕120年 難波田龍起展

2025年9月3日(水)~9月20日(土)11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊 
ギャラリートーク
9月13日(土)16時~17時半
対談:難波田武男さん(龍起三男)×福士理さん(東京オペラシティ アートギャラリー シニア・キュレーター)
要予約(予約はこちらから)、参加費1,000円

●お詫び
本日8月20日は、佐藤圭多の連載エッセイ「大西洋のファサード ー ポルトガルで思うこと」の掲載日ですが(隔月・偶数月20日の更新)、私ども(ときの忘れもの)の都合で8月は休載とさせていただきます。筆者の佐藤圭多先生と読者の皆さんにはお詫び申し上げます。
次回は10月20日に掲載予定です。
佐藤先生だけではなく他の連載も同様で、一~二ヶ月ほど休載させていただきます。
先日少しご報告しましたが、ホームページを全面的に改変し、連動してブログその他も全く今までとは異なるサイトでの公開作業にかかっています。
思ったより手間で、いまだに道半ばというところで、スタッフも喘ぎながら作業を進めています。
ご理解のほどお願い申し上げます。  

●ときの忘れものの建築空間(阿部勤 設計)についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info[at]tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。