今回のお薦め写真作品は、森村泰昌の「若いセルフポートレイト 1629(A)」です。

いま東京都写真美術館で、「森村泰昌・なにものかへのレクイエム-戦場の頂上の芸術」展が開催されています(5月9日まで)。
「美術史の娘」では絵画の中の登場人物に扮し、「女優」シリーズでは、さまざまな女優に扮したセルフポートレイトを発表してきた森村氏が、この展覧会では、歴史上の人物、三島由紀夫、ピカソ、ヒトラー、アインシュタインらへのレクイエムとして制作した写真、映像作品を展示しています。
特に、映像作品は強烈なインパクトがあります。三島のバルコニーでの演説、ヒトラー、というよりはチャップリンの「独裁者」のパロディなど、ただの物真似ではなく、森村の目を通して現代への痛烈な批判になっていて見るものを惹きこみます。ぜひ、映像作品をじっくり見るだけの時間の余裕を持ってお出かけください。
森村泰昌展 表森村泰昌展 裏


今回ご紹介する作品は、1994年の作品「若いセルフポートレイト 1629(A)」です。レンブラントのポートレイトに扮したこの作品は、キャンバス地にプリントされていて、油彩画のようなマチエールになっており、額装もそれに合わせてあります。この時期の傑作の一点です。
morimura_selfportrait_A森村泰昌 Yasumasa MORIMURA
「若いセルフポートレイト 1629(A)」
1994年
カラー写真(キャンバス加工)
イメージサイズ:21.5×18.0cm
額装サイズ:38.3×34.3cm
Ed.5
サイン・限定番号あり

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◆梅の花がほころび、青山墓地の桜の開花が待たれるこの頃ですが、ときの忘れものではマルセル・デュシャンの「大ガラス」連作をはじめ、瑛九駒井哲郎クレーカンディンスキー草間彌生日和崎尊夫磯辺行久オノサト・トシノブハインリッヒ・フォーゲラー、アンドレ・マッソン、山村耕花、安藤忠雄、フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーなどを展示中です。
デュシャン8
春の展示
2010年3月10日[水]―3月18日[木] 12:00-19:00 *日・月曜、祝日休廊

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