本日もときの忘れものは開廊。
「X氏写真コレクション展II」を開催しています。
昨日はゾーンシステム研究会を主宰する写真家の中島秀雄さんが来廊され、近く開催する会員の発表展のご案内をいただきました。
近日中にこのブログでもご紹介します。

ちょうどそこにコレクターのSさんが来廊、展示中の細江英公「鎌鼬#8」(右上)をご覧になっていると、長年細江先生の助手を務めた中島さんがその焼き方を丁寧に説明してくださいました。
「焼くときに画面の下方にあわせると、中空に腰掛けている土方巽の顔が真っ黒になってしまう、だから顔が先ずポイント、空の感じは僕だったらもっと濃く焼いていた・・・」
ゼラチン・シルバー・プリントを依頼されると、何枚も何枚も焼いて、その中から最善のものを選び出す、その過程は実地に経験されてきた人ならではの臨場感がありました。
「銀塩は暗室の中で水をくぐらせる、僕らは水を通して作品を見ている。水を使わない出力写真との違いはそこにあるのじゃあないかなあ」という中島さんの言葉が印象的でした。
上掲の展示スナップは、左からジョック・スタージスの「A357」、「B673」、ともに90年代の代表的作品です。
右の2点は上から細江英公の「鎌鼬#8」と「薔薇刑#32」です。
話し変わって、松田沙織さんという方から先日メールが入り、ジョナス・メカスさんの映画「リトアニアへの旅の追憶」上映情報をいただいたので、ご案内します。
松田さんは、
“東から東へ”
-リトアニアと日本をクラフト・デザイン・アートでつなぐ
というイベントを主催し、その一環としてメカスの映画上映を企画されたとのこと。
いただいたご案内を転載させていただきます。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
南青山、骨董通りにあるブティックturkle-turtle(タクルタートル)さんのOpen Salonで不定期に開催しているシネクラブ、théâtle turtle(テアトルタートル)。
今回は「リトアニア・ダイアリー」展と連動企画です。
ドキュメンタリー映画の不朽の名作、ジョナス・メカス監督の「リトアニアへの旅の追憶」を上映します。
リトアニアの港町クライペダでつくられているオーガニックハーブティーつき。
秋の夜長に、映画で辿るリトアニアへの旅。この機会にどうぞお出かけください!
◎上映作品:「リトアニアへの旅の追憶」1972年 87分
監督 ジョナス・メカス
◎日にちと時間:11月2日(水) & 4日(金) open 18:30~ / start 19:00~
◎場所:turkle-turtle タクルタートル
港区南青山6-7-4 (骨董通り沿い)
http://www.turkle-turtle.co.jp/ ☎03-5464-7591
◎定員:各回15名(予約制)
◎Charge:1500円(ハーブティーつき)
◎予約方法:お名前、連絡先、参加人数、ご希望の日にちを明記の上、
shop@turkle-turtle.co.jp までお申込みください。
“東から東へ”
-リトアニアと日本をクラフト・デザイン・アートでつなぐ
昨年の夏、リトアニアへ行きました。なぜリトアニアに?それは、十年ほど前にルーマニアの小さな町の演劇フェスティバルで観たお芝居がきっかけでした。
リトアニアのカンパニーの「リチャードⅢ世」。演出や衣装の完成された表現、その衝撃は忘れがたく、感動に導かれるままに、念願のリトアニアへ旅に出ました。
伝手もなく訪れた地で、不思議と地元のデザイナーやアーティストと知り合うわけですが、言葉の壁にも関わらず、何か共有できる感覚がありました。
国土の1/3 が森林というリトアニア。中世まで、日本と同様に自然崇拝の多神教の国であったという背景のためか、日本人の本来もつ感覚とどこか共通するのかもしれません。
私たちがいつの間にか見失ってしまった日常の、特に、モノをつくる “正しいスピード”がまだかろうじて残っているように思いました。無駄なものがなく、でも精神的生活水準の高い彼らを見ていると、この国への関心が高まりました。日本文化への関心の強さとは裏腹に、リトアニアには偏った情報しか入ってきていない様子。
一方、日本でも麻製品などで、よくリトアニア製を目にするものの、国や文化のことはまだよく知られていないようなのです。
それならば、自分が専門とするデザインやアートの領域をきっかけに、両国の理解を深めたいと思い、“東から東へ”と銘打ち、インディペンデントな活動をスタートいたしました。
そのような中、大震災という未曾有の転換点に直面したわけですが、この状況下だからこそ、正しいスピードを取り戻すこと、自然に畏れをもつことを、この活動を通して、考えていきたいと思うのです。東は色では緑で表されることが多いといいます。それは、木々の、つまりは自然の生命力を象徴しているからにほかなりません。
ヨーロッパの東とアジアの東。東の持つ感覚を独自の視点で探っていきます。エキシビジョンやイベント等を通して、インディペンデントな立場だからこそ実現できる、見落とされがちな繊細な感覚もすくい上げるような活動にしていきたいと思っています。
ソ連より独立してわずか20 年という、政治的にも激動の時代を生き抜いてきた新興国であるリトアニアは、フルクサスの創始者として知られる、ジョージ・マチューナスや、同じくフルクサスでも活躍し、アメリカ実験映画の父といわれるジョナス・メカスなど特異な芸術家を生んだ国でもあります。
いつの時代も、遠く異国の文化を知ることは、自国を見つめ直すきっかけとなってきました。インターネットなどがどんなに普及しても、五感を通した理解に勝るものはないはずです。本企画が、リトアニアと日本、相互の関心をより高め合うものとなり、多くの共感が寄せられることを願っています。
「リトアニア・ダイアリー」展
会期 2011年10月29日(土)~11月6日(日)
メイン会場 LODGE (ロッジ)
港区西麻布3-2-47 ROOP ROPPONGI A-1F ☎03-6804-3672
http://www.kloka.com/
→1 2 : 0 0 ̃ 2 0 : 0 0
サテライト会場 t u r k l e - t u r t l e B o u t i q u e (タクルタートル ブティック)
港区南青山6-7-4 ☎03-5464-7591
→平日:1 1 :0 0~1 9 : 0 0 / 土日祝:1 2 :3 0~1 8 :0 0
内容
・リトアニアの旅のレポートの展示
・リトアニアを旅したお土産、主にクラフト製品の販売
・特設カフェの営業
販売予定物 ・ニット製品、木工製品、アンティーク
企画・主催 松田沙織 (suimok)
“東から東へ”、東京第一弾の展示です。「リトアニア・ダイアリー」と題した本展は、リトアニアを旅して出会ったヒト・モノ・コトのレポートの展示、スープをメインメニューとした特設カフェ、手編みのニットなどクラフトのスーベニアショップの三本の軸でリトアニアの旅を追想します。質感をキーワードに特に手仕事に焦点をあてリトアニアの生活文化を垣間見ます。
ハンドメイドのニット製品は気持ちも温かくなります。
本展は、今年オープンしたオルタナティブスペース“LODGE”をメイン会場に、骨董通りに位置するブティック“turkle-turtle”をサテライト会場として、二カ所同時開催いたします。
徒歩圏内の二カ所のスペースを行き来してのスタンプラリー型エキシビション。両会場にご来場の方には特典も。
文化の秋のお散歩コースにぜひお出かけください。
国土の1/3 を森林が占めているリトアニアでは、木製品も豊富です。ぬくもりのあるフォルムで使い心地も抜群です。
○本展に関するお問い合わせ先
e-mail:matsuda@suimok.com
松田沙織(まつださおり)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
若い人がリトアニアに旅して何かを感じ、メカスさんの映画上映を企てる、いいですね。
応援したくなります。
ときの忘れもののコレクションからジョナス・メカスの2005年の連作WALDENから3点をご紹介します。

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #10
「with love to my New York」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #15
「my dream city 1966」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #29
「ah and then came the autumn
full of leaves & children voices」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり
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「X氏写真コレクション展II」を開催しています。
昨日はゾーンシステム研究会を主宰する写真家の中島秀雄さんが来廊され、近く開催する会員の発表展のご案内をいただきました。
近日中にこのブログでもご紹介します。

ちょうどそこにコレクターのSさんが来廊、展示中の細江英公「鎌鼬#8」(右上)をご覧になっていると、長年細江先生の助手を務めた中島さんがその焼き方を丁寧に説明してくださいました。
「焼くときに画面の下方にあわせると、中空に腰掛けている土方巽の顔が真っ黒になってしまう、だから顔が先ずポイント、空の感じは僕だったらもっと濃く焼いていた・・・」
ゼラチン・シルバー・プリントを依頼されると、何枚も何枚も焼いて、その中から最善のものを選び出す、その過程は実地に経験されてきた人ならではの臨場感がありました。
「銀塩は暗室の中で水をくぐらせる、僕らは水を通して作品を見ている。水を使わない出力写真との違いはそこにあるのじゃあないかなあ」という中島さんの言葉が印象的でした。
上掲の展示スナップは、左からジョック・スタージスの「A357」、「B673」、ともに90年代の代表的作品です。
右の2点は上から細江英公の「鎌鼬#8」と「薔薇刑#32」です。
話し変わって、松田沙織さんという方から先日メールが入り、ジョナス・メカスさんの映画「リトアニアへの旅の追憶」上映情報をいただいたので、ご案内します。
松田さんは、
“東から東へ”
-リトアニアと日本をクラフト・デザイン・アートでつなぐ
というイベントを主催し、その一環としてメカスの映画上映を企画されたとのこと。
いただいたご案内を転載させていただきます。
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南青山、骨董通りにあるブティックturkle-turtle(タクルタートル)さんのOpen Salonで不定期に開催しているシネクラブ、théâtle turtle(テアトルタートル)。
今回は「リトアニア・ダイアリー」展と連動企画です。
ドキュメンタリー映画の不朽の名作、ジョナス・メカス監督の「リトアニアへの旅の追憶」を上映します。
リトアニアの港町クライペダでつくられているオーガニックハーブティーつき。
秋の夜長に、映画で辿るリトアニアへの旅。この機会にどうぞお出かけください!
◎上映作品:「リトアニアへの旅の追憶」1972年 87分
監督 ジョナス・メカス
◎日にちと時間:11月2日(水) & 4日(金) open 18:30~ / start 19:00~
◎場所:turkle-turtle タクルタートル
港区南青山6-7-4 (骨董通り沿い)
http://www.turkle-turtle.co.jp/ ☎03-5464-7591
◎定員:各回15名(予約制)
◎Charge:1500円(ハーブティーつき)
◎予約方法:お名前、連絡先、参加人数、ご希望の日にちを明記の上、
shop@turkle-turtle.co.jp までお申込みください。
“東から東へ”
-リトアニアと日本をクラフト・デザイン・アートでつなぐ
昨年の夏、リトアニアへ行きました。なぜリトアニアに?それは、十年ほど前にルーマニアの小さな町の演劇フェスティバルで観たお芝居がきっかけでした。
リトアニアのカンパニーの「リチャードⅢ世」。演出や衣装の完成された表現、その衝撃は忘れがたく、感動に導かれるままに、念願のリトアニアへ旅に出ました。
伝手もなく訪れた地で、不思議と地元のデザイナーやアーティストと知り合うわけですが、言葉の壁にも関わらず、何か共有できる感覚がありました。
国土の1/3 が森林というリトアニア。中世まで、日本と同様に自然崇拝の多神教の国であったという背景のためか、日本人の本来もつ感覚とどこか共通するのかもしれません。
私たちがいつの間にか見失ってしまった日常の、特に、モノをつくる “正しいスピード”がまだかろうじて残っているように思いました。無駄なものがなく、でも精神的生活水準の高い彼らを見ていると、この国への関心が高まりました。日本文化への関心の強さとは裏腹に、リトアニアには偏った情報しか入ってきていない様子。
一方、日本でも麻製品などで、よくリトアニア製を目にするものの、国や文化のことはまだよく知られていないようなのです。
それならば、自分が専門とするデザインやアートの領域をきっかけに、両国の理解を深めたいと思い、“東から東へ”と銘打ち、インディペンデントな活動をスタートいたしました。
そのような中、大震災という未曾有の転換点に直面したわけですが、この状況下だからこそ、正しいスピードを取り戻すこと、自然に畏れをもつことを、この活動を通して、考えていきたいと思うのです。東は色では緑で表されることが多いといいます。それは、木々の、つまりは自然の生命力を象徴しているからにほかなりません。
ヨーロッパの東とアジアの東。東の持つ感覚を独自の視点で探っていきます。エキシビジョンやイベント等を通して、インディペンデントな立場だからこそ実現できる、見落とされがちな繊細な感覚もすくい上げるような活動にしていきたいと思っています。
ソ連より独立してわずか20 年という、政治的にも激動の時代を生き抜いてきた新興国であるリトアニアは、フルクサスの創始者として知られる、ジョージ・マチューナスや、同じくフルクサスでも活躍し、アメリカ実験映画の父といわれるジョナス・メカスなど特異な芸術家を生んだ国でもあります。
いつの時代も、遠く異国の文化を知ることは、自国を見つめ直すきっかけとなってきました。インターネットなどがどんなに普及しても、五感を通した理解に勝るものはないはずです。本企画が、リトアニアと日本、相互の関心をより高め合うものとなり、多くの共感が寄せられることを願っています。
「リトアニア・ダイアリー」展
会期 2011年10月29日(土)~11月6日(日)
メイン会場 LODGE (ロッジ)
港区西麻布3-2-47 ROOP ROPPONGI A-1F ☎03-6804-3672
http://www.kloka.com/
→1 2 : 0 0 ̃ 2 0 : 0 0
サテライト会場 t u r k l e - t u r t l e B o u t i q u e (タクルタートル ブティック)
港区南青山6-7-4 ☎03-5464-7591
→平日:1 1 :0 0~1 9 : 0 0 / 土日祝:1 2 :3 0~1 8 :0 0
内容
・リトアニアの旅のレポートの展示
・リトアニアを旅したお土産、主にクラフト製品の販売
・特設カフェの営業
販売予定物 ・ニット製品、木工製品、アンティーク
企画・主催 松田沙織 (suimok)
“東から東へ”、東京第一弾の展示です。「リトアニア・ダイアリー」と題した本展は、リトアニアを旅して出会ったヒト・モノ・コトのレポートの展示、スープをメインメニューとした特設カフェ、手編みのニットなどクラフトのスーベニアショップの三本の軸でリトアニアの旅を追想します。質感をキーワードに特に手仕事に焦点をあてリトアニアの生活文化を垣間見ます。
ハンドメイドのニット製品は気持ちも温かくなります。
本展は、今年オープンしたオルタナティブスペース“LODGE”をメイン会場に、骨董通りに位置するブティック“turkle-turtle”をサテライト会場として、二カ所同時開催いたします。
徒歩圏内の二カ所のスペースを行き来してのスタンプラリー型エキシビション。両会場にご来場の方には特典も。
文化の秋のお散歩コースにぜひお出かけください。
国土の1/3 を森林が占めているリトアニアでは、木製品も豊富です。ぬくもりのあるフォルムで使い心地も抜群です。
○本展に関するお問い合わせ先
e-mail:matsuda@suimok.com
松田沙織(まつださおり)
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若い人がリトアニアに旅して何かを感じ、メカスさんの映画上映を企てる、いいですね。
応援したくなります。
ときの忘れもののコレクションからジョナス・メカスの2005年の連作WALDENから3点をご紹介します。

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #10
「with love to my New York」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #15
「my dream city 1966」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり

ジョナス・メカス Jonas MEKAS
WALDEN #29
「ah and then came the autumn
full of leaves & children voices」
2005年
ラムダプリント
30.0x20.0cm
Ed.10 サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
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