千慮の一失、油断大敵、ああ悔やんでも悔やみきれない。
画商というのは、要するに接客業です。
いついらっしゃるかわからないお客様をひたすら待つ。
待っているスタッフは誰でもいいわけではない、作品の知識を持ち、なおかつお客様の嗜好を心得ている、そういうスタッフが待っているからお客さまは安心してふらりと立ち寄ってくださる。
あるエッセイで書いた通り、ときの忘れものは一日7時間、週休二日、残業なしの労基署から表彰してもらいたいくらいの労働環境であります。
展覧会会期中は無休ですから、スタッフの出勤シフトが結構タイヘンです。
全ての取扱作品についての知見をもち、お客様に対応できるのは大番頭尾立と社長と不肖亭主しかいない。経験の浅い新人スタッフでは無理。この3人のうち一人が必ず出勤しているようにシフトを組んでいますが、昨日は亭主が当番でした。
平日ですので来廊される方も少なく、加えて一昨日少々嬉しい出来事もあったので心に緩みがあったのでしょう。見ておきたい展覧会があり、入社間もない新人に後を任せて6時20分に画廊を出ました。後で知ったのですがその直後に以前からある作品をご覧になりたいといっていたお客様がいらしてしまった・・・・・・・・・
愚痴はこのへんでおさめて、嬉しいニュースです。
「西洋文明と異文化が衝突している場所」にこだわり続け、辺境の地に建つ異形の建築を撮り続けている写真家の尾形一郎・尾形優さんは、昨年は「ナミビア:室内の砂丘展」、一昨年は「ウルトラバロック展」をときの忘れもので開催しました。
お二人は昨年、稲門建築会特別功労賞を受賞されたことでもおわかりのように、早稲田出身の建築家でもあります。
ご自分たちの家を何年もかかって作り続けている。
植田実のエッセイ「タイルの家を訪ねて1」「タイルの家を訪ねて2」「タイルの家を訪ねて3」をお読みいただきたいのですが、建築の目利き植田実先生が絶賛するこの建物をなぜか建築ジャーナリズムがまともに取り上げたことがない。
個人住宅ですから一般の方が訪ねるのも難しいと思っていたら、朗報です。
明日、テレビ朝日で尾形邸(タイルの家)が紹介されます。
テレビ朝日 スーパーJチャンネル「素晴らしきアイデア住宅」
2月22日(水)18時17分~(17分程度)
(*ニュース番組なので、何か大きな事件が起こったら延期されるそうです)

尾形一郎 尾形優
Yu OGATA & ICHIRO OGATA ONO
「トナンツィントラ 1 Tonanzintla 1」
1994年(2010年プリント)
ライトジェットプリント
54.0×43.0cm
Ed.10 サインあり
残念ながら亭主たちはテレビがないので当日は拝見できませんが、スタッフに録画してもらい画廊のパソコンで見ることにしましょう。
建築好きの方、尾形ファンの方、どうぞお見逃しなく。
先日(2月18日)のジョナス・メカス写真展のギャラリー・トークにはたくさんの皆さんにお集まりいただきありがとうございました。


講師にお招きした『メカスの難民日記』の翻訳者である飯村昭子さんと、同じく飯村訳の『メカスの映画日記』(1974年、フィルムアート社)の装幀者である植田実さんの熱のこもったお話しであっという間に一時間が経ってしまいました。
メカスさんは触媒のような人だ、と誰がいったのか。
ご本人が来日しないのに、その後のパーティにはお二人をはじめ、メカス日本日記の会の木下哲夫さん、森國次郎さん、寺山修司記念館の九條今日子さん、森崎偏陸さん、映像作家の飯村隆彦さん、ときの忘れもので秋に個展を予定している大竹昭子さんなどなど、まさにメカスの洗礼をうけた60~70年代の証言者ともいえる多彩な方々たちの歓談が遅くまで続きました。
そのメカスさんの友人であり、実験映画の同志でもあったアンディ・ウォーホルの明日が命日です。
1987年2月22日、アンディ・ウォーホルが死にました。
その4年前の1983年に亭主は路上の似顔絵描きだった栗山豊をはじめ、宮井陸郎、根本寿幸の「ウォーホル三人男」の協力を得て、大規模な展覧会「アンディ・ウォーホル全国展」と版画のエディション「KIKU」「LOVE」連作を企てました。
史上最強のウォーホル・ウォッチャーだった栗山豊は、それから18年後の2001年2月22日、まさにウォーホルの命日に街で倒れ、病院に運ばれ、誰にも看取られずひとり死んでいった。
栗山豊が遺した膨大なウォーホル資料はいまときの忘れものにあります。
2006年4月に開催したその資料展覧会「アンディ・ウォーホル展 FROM THE PERSONAL COLLECTION OF Yutaka KURIYAMA」のページに再録させていただいた秋山祐徳太子さんのエッセイをぜひお読みください。
ウォーホルと栗山豊の冥福を祈る次第です。

ジョナス・メカス
「Andy Warhol at Montauk, 1971」
2000年
C-print
イメージサイズ:30.5×20.2cm
シートサイズ :30.5×20.2cm
Ed.10 signed
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画商というのは、要するに接客業です。
いついらっしゃるかわからないお客様をひたすら待つ。
待っているスタッフは誰でもいいわけではない、作品の知識を持ち、なおかつお客様の嗜好を心得ている、そういうスタッフが待っているからお客さまは安心してふらりと立ち寄ってくださる。
あるエッセイで書いた通り、ときの忘れものは一日7時間、週休二日、残業なしの労基署から表彰してもらいたいくらいの労働環境であります。
展覧会会期中は無休ですから、スタッフの出勤シフトが結構タイヘンです。
全ての取扱作品についての知見をもち、お客様に対応できるのは大番頭尾立と社長と不肖亭主しかいない。経験の浅い新人スタッフでは無理。この3人のうち一人が必ず出勤しているようにシフトを組んでいますが、昨日は亭主が当番でした。
平日ですので来廊される方も少なく、加えて一昨日少々嬉しい出来事もあったので心に緩みがあったのでしょう。見ておきたい展覧会があり、入社間もない新人に後を任せて6時20分に画廊を出ました。後で知ったのですがその直後に以前からある作品をご覧になりたいといっていたお客様がいらしてしまった・・・・・・・・・
愚痴はこのへんでおさめて、嬉しいニュースです。
「西洋文明と異文化が衝突している場所」にこだわり続け、辺境の地に建つ異形の建築を撮り続けている写真家の尾形一郎・尾形優さんは、昨年は「ナミビア:室内の砂丘展」、一昨年は「ウルトラバロック展」をときの忘れもので開催しました。
お二人は昨年、稲門建築会特別功労賞を受賞されたことでもおわかりのように、早稲田出身の建築家でもあります。
ご自分たちの家を何年もかかって作り続けている。
植田実のエッセイ「タイルの家を訪ねて1」「タイルの家を訪ねて2」「タイルの家を訪ねて3」をお読みいただきたいのですが、建築の目利き植田実先生が絶賛するこの建物をなぜか建築ジャーナリズムがまともに取り上げたことがない。
個人住宅ですから一般の方が訪ねるのも難しいと思っていたら、朗報です。
明日、テレビ朝日で尾形邸(タイルの家)が紹介されます。
テレビ朝日 スーパーJチャンネル「素晴らしきアイデア住宅」
2月22日(水)18時17分~(17分程度)
(*ニュース番組なので、何か大きな事件が起こったら延期されるそうです)

尾形一郎 尾形優
Yu OGATA & ICHIRO OGATA ONO
「トナンツィントラ 1 Tonanzintla 1」
1994年(2010年プリント)
ライトジェットプリント
54.0×43.0cm
Ed.10 サインあり
残念ながら亭主たちはテレビがないので当日は拝見できませんが、スタッフに録画してもらい画廊のパソコンで見ることにしましょう。
建築好きの方、尾形ファンの方、どうぞお見逃しなく。
先日(2月18日)のジョナス・メカス写真展のギャラリー・トークにはたくさんの皆さんにお集まりいただきありがとうございました。


講師にお招きした『メカスの難民日記』の翻訳者である飯村昭子さんと、同じく飯村訳の『メカスの映画日記』(1974年、フィルムアート社)の装幀者である植田実さんの熱のこもったお話しであっという間に一時間が経ってしまいました。
メカスさんは触媒のような人だ、と誰がいったのか。
ご本人が来日しないのに、その後のパーティにはお二人をはじめ、メカス日本日記の会の木下哲夫さん、森國次郎さん、寺山修司記念館の九條今日子さん、森崎偏陸さん、映像作家の飯村隆彦さん、ときの忘れもので秋に個展を予定している大竹昭子さんなどなど、まさにメカスの洗礼をうけた60~70年代の証言者ともいえる多彩な方々たちの歓談が遅くまで続きました。
そのメカスさんの友人であり、実験映画の同志でもあったアンディ・ウォーホルの明日が命日です。
1987年2月22日、アンディ・ウォーホルが死にました。
その4年前の1983年に亭主は路上の似顔絵描きだった栗山豊をはじめ、宮井陸郎、根本寿幸の「ウォーホル三人男」の協力を得て、大規模な展覧会「アンディ・ウォーホル全国展」と版画のエディション「KIKU」「LOVE」連作を企てました。
史上最強のウォーホル・ウォッチャーだった栗山豊は、それから18年後の2001年2月22日、まさにウォーホルの命日に街で倒れ、病院に運ばれ、誰にも看取られずひとり死んでいった。
栗山豊が遺した膨大なウォーホル資料はいまときの忘れものにあります。
2006年4月に開催したその資料展覧会「アンディ・ウォーホル展 FROM THE PERSONAL COLLECTION OF Yutaka KURIYAMA」のページに再録させていただいた秋山祐徳太子さんのエッセイをぜひお読みください。
ウォーホルと栗山豊の冥福を祈る次第です。

ジョナス・メカス
「Andy Warhol at Montauk, 1971」
2000年
C-print
イメージサイズ:30.5×20.2cm
シートサイズ :30.5×20.2cm
Ed.10 signed
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