新宿・ポルトリブレで今日から「日和崎尊夫展」が開催されます。

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日和崎尊夫展
会期:2016年1月9日(土)~18日(月)
※会期中無休 12:00~20:00
※最終日は17:00まで
会場:ポルトリブレ
〒160-0022 東京都新宿区新宿2-12-9 広洋舎ビル3階
電話:03-3341-2992
※東京メトロ『新宿三丁目』駅徒歩30秒

東京メトロ『新宿三丁目』駅から出て徒歩30秒(ただし、新宿3丁目駅は広いので事前に出口を確認してください)の広洋舎ビルの急な階段を上り3階にあるギャラリーがポルトリブレ。
「ポルト」はポルトガル語で「港」、「リブレ」はスペイン語で「自由な」という意味で、直訳すれば「自由港」という意味です。元々は経済用語で、関税のかからない自由貿易港のこととされています。ココの場合は、様々なジャンルの人間が集い交わり合いそして又それぞれが旅立って行く、そんな場所になれば、という思いを籠めて名付けたとか。
オーナーの平井さんはときの忘れものの開廊以来のお客様でもあります。

●画廊主・平井勝正さんからのメッセージ
どうも40代より下の世代には、日和崎さんを知らない人も多いようなので(先日ウチで二人展をやった美大卒30代後半の女性達も知りませんでした)、簡単な紹介をして戴けると有り難いです。そんなことは本来は私の方でやるべきことなので、図々しい話で大変申し訳ありませんが。
先日行った葉山の若林奮展も、平日の昼間なのに結構入っていたので驚きましたが、皆さん年配者でした。図録も売り切れていました(年明けには府中があるから、行けたら行こうと思っています)が、若い人は少なかったですね。
最近の若い人たちは(こういう言い方をするのは年取った証拠ですが)、ちょっと勉強不足のような気がします。美大生や美大出身者でも、一般人と同程度の知識しかないことがあって、驚かされることが、ままあります。先の二人の女性は、多摩美で若林さんに習ったようなので、流石に彼のことは知っていましたが、そうでもないと知らなかったのではないかと思います。
もちろん、みんなそうだという訳ではありませんが、いささか首を傾げたくなることも多いです。
スミマセン。愚痴めいたことで長くなってしまって。それでは、何卒よろしくお願い致します。

日和崎尊夫(ひわさきたかお 1941~1992年)
時の流れは早く、ビュランの彫りはかぼそい。だが、たとえこの星が微細なまばたきであれ、けっしてその光を消してはならないー。1978年3月 日和崎尊夫」
長谷川潔、駒井哲郎とともに[版]でしか表現できない独自の世界を築き、数々の酒にまつわる武勇伝に彩られた天才画家は50歳で逝き、あとには500点余りの木口木版画が残されました。闇を刻む詩人の精緻な作品には本物だけが持つ品格が備わっています。
1941年高知市生まれた日和崎は武蔵野美術学校で学びますが、日本美術家連盟の版画工房で畦地梅太郎の講習と、加藤清美の腐食銅版画の講習を受講して版画表現に自己の道を見出します。64年帰郷し、廃れていた木口木版画技法を独学で身につけ、[海渕の薔薇][KALPA]など完成度の高い作品を次々と発表し、気鋭の版画家として脚光を浴びました。66年日本版画協会新人賞、67年日本版画協会賞を受賞。77年木口木版画家の会[鑿の会]結成に参加。91年山口源大賞を受賞しますが、翌年食道癌で50歳の若さで亡くなりました。

●『版画掌誌 第5号』のご紹介
版画掌誌5
『版画掌誌 第5号』
2005年11月刊行
特集1/ジョナス・メカス
フローズン・フィルム・フレームズ(静止した映画)と呼ぶ写真作品を紹介
テキスト:ジョナス・メカス、ランズベルギス
翻訳:木下哲夫
特集2/日和崎尊夫
1992年50歳の若さで死去した日和崎尊夫の遺した木口木版画の秀作を紹介
テキスト:谷川渥、日和崎尊夫

A版-A:限定15部
ジョナス・メカスの写真1点(「ジプシーの予言」)とシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計4点挿入

A版-B:限定20部
ジョナス・メカスの写真1点(「リキテンスタインのモデル」)とシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計4点挿入

B版:限定35部
ジョナス・メカスのシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計3点挿入

日和崎尊夫挿入作品
版画掌誌5 日和崎尊夫「たがねの花」
日和崎尊夫
「たがねの花」
1978年
木口木版
雁皮鳥の子紙摺り+新鳥の子紙による裏打ち
摺り:五所菊雄
Image size: 7.2x11.2cm
Sheet size: 24.2x30.2cm
限定175部
自筆サインあり
※レゾネNo.384

版画掌誌5 日和崎尊夫「殖」
日和崎尊夫
「殖」
1972年原版制作(1978年摺り)
木口木版
雁皮鳥の子紙
摺り:五所菊雄
Image size: 7.8×8.5cm
Sheet size: 16.0×15.4cm
限定2,500部
摺り込みサインあり
※レゾネNo.337
*上掲の2作品は後刷りではなく、日和崎先生の生前に手がけられた作品です。

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