実家に弟が葛巻を経由して行ってくれました。父は無事でした。川に流されたところには桜並木がありました。違う風景になってしまいました。先祖が選んだ場所は安全なところでした。 (中村孝幸さんのfacebookより)>

先日の台風で東北や北海道では甚大な被害がでました。
被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
盛岡の建築家中村孝幸さんは私どもの長年の顧客で、たびたびこのブログにも登場されていますが、ご実家が岩泉町にあり、お父様との連絡が取れない状況でした。ご無事が確認されほっとしています。
しかし、亡くなられた方もおり、とても残念です。自然の脅威は人知の及ばぬところです。
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「ART FAIR ASIA / FUKUOKA 2016」に出展します。

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傷なお癒えず、亭主は毎週1~2回、病院に通い、自宅では毎朝6時に起床して療法士に指導されたリハビリ訓練に励んでいます。
あれほどこだわっていた実務もさっぱり忘れてスタッフに丸投げ。
顧客の相手もせず、夕方になると「早く帰ろうよ」と社長をせっついてさっさと帰宅しています。

丸投げされたスタッフはそうでなくとも産休で大番頭不在の中、たまったもんじゃあない。亭主も少しは働いて皆に範を示す必要があり、残暑厳しい中ではありますが、社長のお供をして、昨年の第1回に続きART FAIR ASIA / FUKUOKA 2016 に出展参加します。
会場は福岡アジア美術館に隣接した「ホテルオークラ福岡」になりました。
参加ギャラリーは38。皆さん若々しいメンバーで老兵二人のときの忘れものは今年も静かにお客様を迎えたいと思います。

ART FAIR ASIA / FUKUOKA 2016
プレビュー:9月9日 [金]12:00-18:00(招待・プレス関係者のみ)
一般公開:9月10日 [土]11:00-21:00
       9月11日 [日]11:00-19:00
会場:ホテルオークラ福岡9階
〒812-0027 福岡市博多区下川端町3-2
Tel 092-262-1111

入場料:
前売:1,000-/1Day Pass    1,500-/2Days Pass
当日:1,200-/1Day Pass
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ときの忘れものは、瑛九、瀧口修造、松本竣介の物故3作家と、秋葉シスイの新作を展示します。
昨年は重量級ばかり持って行きお客様から「絵はいいけれど値段が気に入らない」と言われたので、今回は「絵も値段もイイネ」といわれるよう版画小品もお持ちします。
オノサト・トシノブ、元永定正、靉嘔、馬場檮男、粟津潔、北川民次、黒崎彰、菅井汲、殿敷侃、アンディ・ウォーホル

九州の皆さんには、ぜひ会場でお目にかかれればと思っています。
*若干の招待券があります。ご希望のかたはメールにてお申込みください。

●出品作品から4点をご紹介します。
qei_165瑛九
《花々》
1950
油彩
45.5x38.2cm
(F8号)


takiguchi2015_III_09瀧口修造
《Ⅲ- 09》
デカルコマニー、紙
Image size:5.4x9.0cm
Sheet size:5.4x9.0cm"


松本竣介松本竣介
《自画像》
1940年
ペン、コンテ
Image size: 25.0x25.0cm
Sheet size: 26.1x26.8cm
Signed


秋葉シスイ秋葉シスイ
《echo of silence》(3)
2016
油彩、キャンバス
45.5×53.0cm(F10号)
Signed

こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。

●内外のアートフェアへの出展が多くなりましたが、往時、カルトンケースをさげて日本中を行商してまわっていた頃と今を比べても、私たちの絵の売り方自体はそうは変わっていません。
自分達が良いと信じる作家の良い作品をリーズナブルな価格で顧客に案内する。そのためには正確で丁寧な情報が不可欠です。
亭主の全国行商では、お一人を訪ねて行くこともあれば、顧客のお宅やホテルにお仲間に集まっていただき頒布会を開くなどしました。
それから40年、その頃は考えもしなかった事態がアートフェアとネットの普及です。
こちらから顧客を訪ねて行くのではなく、アートフェアのブースやネット空間に世界中のコレクターが未知の作品を求めてあちこちから訪ねてくる、劇的な変化ですね。そのとき双方をつなぐ信頼の基礎は「正確な、そして丁寧な情報」です。
アートフェアは主催者がブースの広さによって参加画廊から大枚な出展料を徴収し、広報宣伝に努め、世界中からコレクターが集まるよう全力を挙げる。もちろん出展画廊から提供された情報は「正確に、迅速に、そして平等に、同時に発信」できるのがネットのいいところです。

このこと(平等に、同時発信)を理解できないフェア主催者が少なからずいるのはとても残念です。
今春私たちが出展した某国のアートフェアでは、HPに参加全画廊(200近くあったので形の上では大フェアでした)の名前はありましたが、クリックしても一部の画廊(まあ有名画廊ですね)の出品作品は掲載されているのに、ときの忘れもののような無名画廊の情報はゼロ、coming soon の表示のみでした。開幕前だから順々にアップしているのだろうと多少好意的に見ていたのですが、この状況はとうとう閉幕まで変わらず、ついにフェアは終了してしまった。主催者は出展画廊からのブース代(もちろん前金です)を集めるだけ集めて、以後の広報宣伝活動なんかやめてしまったらしい。客は来ない、作品は売れない、閑散としただだっ広い会場に出展画廊のため息ばかりが溢れる惨憺たるフェアでした。ときの忘れものの史上、最悪なフェアでした。金返せ、二度と行くもんかと悔し涙にくれました。

それに比してお正月に出展した<Art Stage Singapore 2016>の事務局の広報宣伝力には舌をまきました。世界数十カ国から200近い画廊が参加した文字通り大フェアでしたが、事前に各画廊から集めた出品作品の画像を、開幕一週間前に、一斉に、世界に向けて発信しました。高額な出展料を支払った対価として全画廊の情報を平等にネットで公開したのです。おそらく数千点でしょう。
ときの忘れものの情報はいまでもネット空間にそのまま残されています。
https://www.artsy.net/show/toki-no-wasuremono-toki-no-wasuremono-at-art-stage-singapore-2016

おかげで良い成果を挙げることができ、フェア終了後も追加注文が相次ぎ、嬉し涙にくれました。
日本各地で次々とアートフェアが誕生していますが、規模の拡大だけを狙うのではなく、小さくても質の高い情報を世界に発信できるフェアに成長して欲しいと、老い先短い亭主は願うばかりです。