昨日11月20日は駒井哲郎先生の命日でした。
*1920年(大正9年)6月14日生まれ~1976年(昭和51年)11月20日没
埼玉県立近代美術館で実に15年ぶりとなった「「駒井哲郎 夢の散策者」展」が10月9日に終了しました。
9月9日のブログには担当学芸員の吉岡知子先生に<企画展「駒井哲郎 夢の散策者」に寄せて―武田光司氏のコレクション>を寄稿していただきましたのでお読みください。
最終日、社長と二人でメモを取りながらじっくりと拝見したのですが、思いがけず新たな発見もあり、宿題をたくさん抱えこむ結果となりました。「新たな発見」については次回以降、すこしづつ発表してまいります。
駒井哲郎先生の業績について、従来は「銅版画の詩人」「白と黒の造形」という面ばかりが強調されてきましたが、モノタイプ作品に象徴される色彩画家としての側面、さらにはインターメディアの運動への参加(実験工房)についての考究はまだまだ不十分と言わざるを得ません。
瀧口修造が主導した実験工房は領域横断的な活動において先駆的でしたが、この秋、実験工房に参加した二人の作家~湯浅譲二(1929年生まれ)と山口勝弘(1928年生まれ)~の注目すべきイベントがありました。
●作曲家の個展Ⅱ 一柳慧 × 湯浅譲二

日時:2017年10月30日19時開演
会場:サントリーホール 大ホール
サントリー芸術財団の主催。毎年日本人作曲家からふたりを選び新作を委嘱して、公演するというもの。今年は一柳慧 と実験工房のメンバーだった湯浅譲二のお二人でした。

<湯浅譲二氏に委嘱しておりました新作は、作曲者の体調不良により、旧作の「クロノプラスティクⅡ」に曲目変更させていただきました。その後順調に回復を続け、一部ですが完成した新作「オーケストラのための軌跡」を今回の演奏会で披露できる運びとなりました。約2分前後ではございますが、氏の現在のご境地の一端をお聴き頂ければ幸甚です。湯浅氏は新作の全曲完成に向け、現在も作曲を続けられています。近い将来にこの続きを聴く日が来ることを願ってやみません。(サントリーホールのHPより)>
開演に先立ちお二人のトークがありました。右から一柳先生、湯浅先生、聞き手の沼野雄司さん。
湯浅先生は足がご不自由な様子でゆっくりと歩かれて登場、お洒落な服装といい、ぴんと延ばした背筋に社長は「素敵だわね」とため息をついていました。
最後に演奏された一柳慧作曲『ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲』(指揮:杉山洋一、ヴァイオリン:成田達輝、チェロ:堤剛、東京都交響楽団)は世界初演でした。
白馬の騎士のごとき成田さんと、豪快な堤さんとの掛け合い、圧巻でした。客席から送られる熱い拍手に、一柳先生は何度も笑顔でもって応えておりました。
お二人とも美術に造詣が深く、戦後美術の重要な証言者でもあります。お二人の健康とますますのご活躍を祈らずにはおられません。
●「岡本太郎とメディアアート展 山口勝弘ー受け継がれるもの」
会期:2017年11月3日[金・祝]~2018年1月28日[日]
会場:川崎市岡本太郎美術館


出品作家:岡本太郎、山口勝弘、幸村真佐男、高橋士郎、中嶋興、田中敬一、原田大三郎、P.I.C.S. TECH、岩井俊雄、クリストフ・シャルル、森脇裕之、明和電機

内覧会にて、出品作家の皆さん。
右端が山口勝弘先生(1928年生まれ)
2017年11月2日

左から池田龍雄先生、勝井三雄先生、山口勝弘先生

池田、山口先生は三ヶ月違いの同い年。
亭主を加えると計250歳であります。

いまや建築界の生き字引、剣持デザイン研究所代表の松本哲夫さんは一つ下の1929年(昭和4年)生まれ、とてもお元気です。

展示会場で山口先生

左は建築家の石山修武先生

思いもかけず私たちが1981年にエディションした「万華鏡」が出品されていました。

同じく現代版画センターのエディション「Kinetic Fountain」

新発掘の映像作品「銀輪」も上映されています。

代表作「ヴィトリーヌ」シリーズの前で、山口先生。

広大な生田緑地の一角にある美術館、緑も多いし環境抜群なのですが、向ヶ丘遊園駅から歩くのは老人には少々きついですね。行き(登り坂)はタクシー、帰りは歩きました。
二つのイベントでお目にかかった(再会した)作家たち~一柳慧、湯浅譲二、山口勝弘、池田龍雄、勝井三雄、松本哲夫~は皆昭和一桁生まれ、ご病気になられた方も驚異的な生命力で今もなお創作に情熱を燃やしておられます。
湯浅譲二先生は実験工房で駒井哲郎先生とコラボレーションしたことがあり、1991年の駒井哲郎展(資生堂ギャラリー)の折に、お話をうかがったことがあります。
下に紹介するのは、亭主が編集した駒井哲郎展(資生堂ギャラリー)のカタログです。
倒産後、美術の世界に戻ることなど考えもできなかったのですが、この展覧会がきっかけで再び駒井作品を追いかけることの出来る日が再来しました。
四半世紀経った今でも忘れることのできない色彩の溢れた展覧会でした。
『没後15年 銅版画の詩人 駒井哲郎回顧展』図録
1991年 資生堂 発行
63ページ 26.0x18.0cm
収録図版:85点(油彩、水彩、銅版、木版、モノタイプ)
執筆:中林忠良、野見山暁治、駒井美子、福原義春、中村稔、河合晴生、
解題:綿貫不二夫
企画・編集:資生堂企業文化部、アルスマーレ企画室
デザイン:ディスハウス(北澤敏彦)
*シリーズ企画<資生堂ギャラリーとそのアーティスト達>の第1回展図録
この展覧会では湯浅譲二先生とのコラボレーションに使われたスライドの原画作品も出品することができました。


以下は亭主の書いた図録の解題から再録です。
~~~
◆実験工房第5回発表会でのスライドの原画(№10~№24)
――春陽会や、サンパウロ・ビエンナーレで受賞、新進気鋭の銅版画家として脚光を浴びた駒井哲郎は、1952年(昭和27)瀧口修造を顧問格とするインターメディア集団「実験工房」に参加する。メンバーは、造形から北代省三、山口勝弘、福島秀子、写真の大辻清司、音楽からは武満徹、鈴木博義、湯浅譲二の三人の作曲家とピアニストの園田高弘、それに音楽評論の秋山邦晴、照明の今井直次、技術の山崎英夫たちであった。その第5回発表会が1953年(昭和28)9月に第一生命ホールで開かれ、駒井哲郎は湯浅譲二と組んでオートスライドの作品「レスピューグ」の共同制作を行なった。
湯浅譲二の回想(「プリントアート」17号、1974年)によれば、
……私達は当時始めて(原文ママ)出来たオート・スライドを手にして、造形、音楽が協力してインターメディア的作品を発表することになった。私は駒井さんと組んで、ロベール・ガンゾの詩による「レスピューグ」を制作した。
ガンゾの詩は、部分的に引用すると、
朝の光だ 見よ 私達のもとへ丘が拡がる 鳥達や 花咲く樹々 そして 揺れそよぐ緑の叢にたたえる水と共に お前は やっと女らしく 肌ほてらせて あたかも私に引きしぼった恍惚の弓よ
といったものだった。駒井さんは赤や青、オレンジや黒などの色紙の上に絵具でイメージを画き、それをスライドにし、私は、フルートとピアノをもとにして、テープの逆回転などを利用しながら、日本では殆ど最初といっていい、ミュージック・コンクレートを作った。何日間もの連続徹夜での制作の末に開かれたコンサートの日に、会場の第一生命ホールで私はヘルツ・ノイローゼで倒れ、友人が薬局に走ってくれたりするあわただしさの中に、駒井さんはアルコールを大部入れて現われた。
興奮と不安、冒険への気負いが奇妙に入り混った夜だったが、いわば青春と友情のここちよい夢といった世界がそこにはあった。
………
今回出品される15点の原画はこの時のスライドのためのもので、全部で29点がパステルやグワッシュで制作されたという(作品の天地は不明)。
(以下略)
『第1回 資生堂ギャラリーとそのアーティスト達 没後15年 銅版画の詩人 駒井哲郎 回顧展』カタログより
●今日のお勧め作品は、山口勝弘です。
山口勝弘
「夜の進行」
1981年 シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×40.0cm
シートサイズ:63.0×49.0cm
Ed.50 鉛筆サインあり
*現代版画センターエディション
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「細江英公写真展」を開催しています。
会期=2017年10月31日[火]―11月25日[土]

細江先生は秋の叙勲で旭日重光章を受章されました。
●会期中、細江英公サイン入り写真集を特別頒布しています。
◆ときの忘れものは「メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会」を開催します。

会期:2017年11月28日(火)~12月2日(土)
出品100点のリストは11月11日ブログに掲載し、予約受付を開始しました。
全作品、一律8,000円で頒布し、売上金全額を被災地メキシコに送金します。
※お申込みの返信は、翌営業日となります。(日・月・祝日は休廊です。)
◆銀座のギャラリーせいほうで宮脇愛子展が開催されています。
「宮脇愛子展 last works(2013~14)」
会期=2017年11月20日[月]~12月2日[土] ※日・祝日休廊
会場=ギャラリーせいほう
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビル1F
電話:03-3573-2468
最後の新作である油彩を中心に立体(ガラス、真鍮)、ドローイング、版画など。
●書籍のご案内
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録
2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。
『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』
日経アーキテクチュア(編)
B5判、約320ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。
六本木の国立新美術館では「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。
●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

*1920年(大正9年)6月14日生まれ~1976年(昭和51年)11月20日没
埼玉県立近代美術館で実に15年ぶりとなった「「駒井哲郎 夢の散策者」展」が10月9日に終了しました。
9月9日のブログには担当学芸員の吉岡知子先生に<企画展「駒井哲郎 夢の散策者」に寄せて―武田光司氏のコレクション>を寄稿していただきましたのでお読みください。
最終日、社長と二人でメモを取りながらじっくりと拝見したのですが、思いがけず新たな発見もあり、宿題をたくさん抱えこむ結果となりました。「新たな発見」については次回以降、すこしづつ発表してまいります。
駒井哲郎先生の業績について、従来は「銅版画の詩人」「白と黒の造形」という面ばかりが強調されてきましたが、モノタイプ作品に象徴される色彩画家としての側面、さらにはインターメディアの運動への参加(実験工房)についての考究はまだまだ不十分と言わざるを得ません。
瀧口修造が主導した実験工房は領域横断的な活動において先駆的でしたが、この秋、実験工房に参加した二人の作家~湯浅譲二(1929年生まれ)と山口勝弘(1928年生まれ)~の注目すべきイベントがありました。
●作曲家の個展Ⅱ 一柳慧 × 湯浅譲二

日時:2017年10月30日19時開演
会場:サントリーホール 大ホール
サントリー芸術財団の主催。毎年日本人作曲家からふたりを選び新作を委嘱して、公演するというもの。今年は一柳慧 と実験工房のメンバーだった湯浅譲二のお二人でした。

<湯浅譲二氏に委嘱しておりました新作は、作曲者の体調不良により、旧作の「クロノプラスティクⅡ」に曲目変更させていただきました。その後順調に回復を続け、一部ですが完成した新作「オーケストラのための軌跡」を今回の演奏会で披露できる運びとなりました。約2分前後ではございますが、氏の現在のご境地の一端をお聴き頂ければ幸甚です。湯浅氏は新作の全曲完成に向け、現在も作曲を続けられています。近い将来にこの続きを聴く日が来ることを願ってやみません。(サントリーホールのHPより)>
開演に先立ちお二人のトークがありました。右から一柳先生、湯浅先生、聞き手の沼野雄司さん。湯浅先生は足がご不自由な様子でゆっくりと歩かれて登場、お洒落な服装といい、ぴんと延ばした背筋に社長は「素敵だわね」とため息をついていました。
最後に演奏された一柳慧作曲『ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲』(指揮:杉山洋一、ヴァイオリン:成田達輝、チェロ:堤剛、東京都交響楽団)は世界初演でした。
白馬の騎士のごとき成田さんと、豪快な堤さんとの掛け合い、圧巻でした。客席から送られる熱い拍手に、一柳先生は何度も笑顔でもって応えておりました。
お二人とも美術に造詣が深く、戦後美術の重要な証言者でもあります。お二人の健康とますますのご活躍を祈らずにはおられません。
●「岡本太郎とメディアアート展 山口勝弘ー受け継がれるもの」
会期:2017年11月3日[金・祝]~2018年1月28日[日]
会場:川崎市岡本太郎美術館


出品作家:岡本太郎、山口勝弘、幸村真佐男、高橋士郎、中嶋興、田中敬一、原田大三郎、P.I.C.S. TECH、岩井俊雄、クリストフ・シャルル、森脇裕之、明和電機

内覧会にて、出品作家の皆さん。
右端が山口勝弘先生(1928年生まれ)
2017年11月2日

左から池田龍雄先生、勝井三雄先生、山口勝弘先生

池田、山口先生は三ヶ月違いの同い年。
亭主を加えると計250歳であります。

いまや建築界の生き字引、剣持デザイン研究所代表の松本哲夫さんは一つ下の1929年(昭和4年)生まれ、とてもお元気です。

展示会場で山口先生

左は建築家の石山修武先生

思いもかけず私たちが1981年にエディションした「万華鏡」が出品されていました。

同じく現代版画センターのエディション「Kinetic Fountain」

新発掘の映像作品「銀輪」も上映されています。

代表作「ヴィトリーヌ」シリーズの前で、山口先生。

広大な生田緑地の一角にある美術館、緑も多いし環境抜群なのですが、向ヶ丘遊園駅から歩くのは老人には少々きついですね。行き(登り坂)はタクシー、帰りは歩きました。
二つのイベントでお目にかかった(再会した)作家たち~一柳慧、湯浅譲二、山口勝弘、池田龍雄、勝井三雄、松本哲夫~は皆昭和一桁生まれ、ご病気になられた方も驚異的な生命力で今もなお創作に情熱を燃やしておられます。
湯浅譲二先生は実験工房で駒井哲郎先生とコラボレーションしたことがあり、1991年の駒井哲郎展(資生堂ギャラリー)の折に、お話をうかがったことがあります。
下に紹介するのは、亭主が編集した駒井哲郎展(資生堂ギャラリー)のカタログです。
倒産後、美術の世界に戻ることなど考えもできなかったのですが、この展覧会がきっかけで再び駒井作品を追いかけることの出来る日が再来しました。
四半世紀経った今でも忘れることのできない色彩の溢れた展覧会でした。
『没後15年 銅版画の詩人 駒井哲郎回顧展』図録1991年 資生堂 発行
63ページ 26.0x18.0cm
収録図版:85点(油彩、水彩、銅版、木版、モノタイプ)
執筆:中林忠良、野見山暁治、駒井美子、福原義春、中村稔、河合晴生、
解題:綿貫不二夫
企画・編集:資生堂企業文化部、アルスマーレ企画室
デザイン:ディスハウス(北澤敏彦)
*シリーズ企画<資生堂ギャラリーとそのアーティスト達>の第1回展図録
この展覧会では湯浅譲二先生とのコラボレーションに使われたスライドの原画作品も出品することができました。


以下は亭主の書いた図録の解題から再録です。
~~~
◆実験工房第5回発表会でのスライドの原画(№10~№24)
――春陽会や、サンパウロ・ビエンナーレで受賞、新進気鋭の銅版画家として脚光を浴びた駒井哲郎は、1952年(昭和27)瀧口修造を顧問格とするインターメディア集団「実験工房」に参加する。メンバーは、造形から北代省三、山口勝弘、福島秀子、写真の大辻清司、音楽からは武満徹、鈴木博義、湯浅譲二の三人の作曲家とピアニストの園田高弘、それに音楽評論の秋山邦晴、照明の今井直次、技術の山崎英夫たちであった。その第5回発表会が1953年(昭和28)9月に第一生命ホールで開かれ、駒井哲郎は湯浅譲二と組んでオートスライドの作品「レスピューグ」の共同制作を行なった。
湯浅譲二の回想(「プリントアート」17号、1974年)によれば、
……私達は当時始めて(原文ママ)出来たオート・スライドを手にして、造形、音楽が協力してインターメディア的作品を発表することになった。私は駒井さんと組んで、ロベール・ガンゾの詩による「レスピューグ」を制作した。
ガンゾの詩は、部分的に引用すると、
朝の光だ 見よ 私達のもとへ丘が拡がる 鳥達や 花咲く樹々 そして 揺れそよぐ緑の叢にたたえる水と共に お前は やっと女らしく 肌ほてらせて あたかも私に引きしぼった恍惚の弓よ
といったものだった。駒井さんは赤や青、オレンジや黒などの色紙の上に絵具でイメージを画き、それをスライドにし、私は、フルートとピアノをもとにして、テープの逆回転などを利用しながら、日本では殆ど最初といっていい、ミュージック・コンクレートを作った。何日間もの連続徹夜での制作の末に開かれたコンサートの日に、会場の第一生命ホールで私はヘルツ・ノイローゼで倒れ、友人が薬局に走ってくれたりするあわただしさの中に、駒井さんはアルコールを大部入れて現われた。
興奮と不安、冒険への気負いが奇妙に入り混った夜だったが、いわば青春と友情のここちよい夢といった世界がそこにはあった。
………
今回出品される15点の原画はこの時のスライドのためのもので、全部で29点がパステルやグワッシュで制作されたという(作品の天地は不明)。
(以下略)
『第1回 資生堂ギャラリーとそのアーティスト達 没後15年 銅版画の詩人 駒井哲郎 回顧展』カタログより
●今日のお勧め作品は、山口勝弘です。
山口勝弘「夜の進行」
1981年 シルクスクリーン
イメージサイズ:47.0×40.0cm
シートサイズ:63.0×49.0cm
Ed.50 鉛筆サインあり
*現代版画センターエディション
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆ときの忘れものは「細江英公写真展」を開催しています。
会期=2017年10月31日[火]―11月25日[土]

細江先生は秋の叙勲で旭日重光章を受章されました。
●会期中、細江英公サイン入り写真集を特別頒布しています。
◆ときの忘れものは「メキシコ地震被災地支援・チャリティー頒布会」を開催します。

会期:2017年11月28日(火)~12月2日(土)
出品100点のリストは11月11日ブログに掲載し、予約受付を開始しました。
全作品、一律8,000円で頒布し、売上金全額を被災地メキシコに送金します。
※お申込みの返信は、翌営業日となります。(日・月・祝日は休廊です。)
◆銀座のギャラリーせいほうで宮脇愛子展が開催されています。
「宮脇愛子展 last works(2013~14)」会期=2017年11月20日[月]~12月2日[土] ※日・祝日休廊
会場=ギャラリーせいほう
〒104-0061 東京都中央区銀座8丁目10-7 東成ビル1F
電話:03-3573-2468
最後の新作である油彩を中心に立体(ガラス、真鍮)、ドローイング、版画など。
●書籍のご案内
『瀧口修造展 III・IV 瀧口修造とマルセル・デュシャン』図録2017年10月
ときの忘れもの 発行
92ページ
21.5x15.2cm
テキスト:瀧口修造(再録)、土渕信彦、工藤香澄
デザイン:北澤敏彦
掲載図版:65点
価格:2,500円(税別)*送料別途250円
*『瀧口修造展 I』及び『瀧口修造展 II』図録も好評発売中です。
『安藤忠雄の奇跡 50の建築×50の証言』日経アーキテクチュア(編)
B5判、約320ページ
(NA建築家シリーズ 特別編 日経アーキテクチュア)
価格:2,700円+税 *送料:250円
亭主もインタビューを受け、1984年の版画制作始末を語りました。
安藤先生のサイン本をときの忘れもので扱っています。
六本木の国立新美術館では「安藤忠雄展―挑戦―」が開催されています。
会期:2017年9月27日[水]~12月18日[月]
番頭おだちのオープニング・レポートはコチラを、光嶋裕介さんのエッセイ「安藤忠雄展を見て」と合わせてお読みください。
ときの忘れものでは1984年以来の安藤忠雄の版画、ドローイング作品をいつでもご覧になれます。
●ときの忘れものは、〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました(詳しくは6月5日及び6月16日のブログ参照)。
電話番号と営業時間が変わりました。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
営業時間=火曜~土曜の平日11時~18時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。

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