スタッフSの海外ネットサーフィン 番外編
「Rugby World Cup 2019」
Japan


 読者の皆様こんにちは。ついにと言うか、ようやくと言うか、多少は秋っぽい気候になってまいりました今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。この程度ならまだまだ半袖で行ける…などと嘯きつつ、実は少々肌寒く感じております、スタッフSこと新澤です。

 連載開始から考えると記事の内容がブレにブレている当連載ですが、それでも一応「海外」の「アートイベント」を主題に掲げてきました。ですが、今回はその両方を彼方へ投げ捨て、「国内」の「スポーツイベント」について書きます。そう、先月から大いに盛り上がりを見せている「ラグビーワールドカップ2019」です。

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「何でアートギャラリーでラグビー?」と思われる方は多いでしょう。自分自身でもそう思います。ですが、私はサラリーマンなのです。つまり上司(亭主・元ラガーマン)の意向には如何とも逆らい難いのです。ついでに言うと、私自身も元ラガーマンなので、久しぶりに青春の日々(の一部)を振り返りたいという、あまり麗しくない理由もあります。
 とまれ、先月末の劇的すぎる対アイルランド勝利から瞬間湯沸かし器もかくやという勢いで人気と関心が沸騰したラグビーについて、簡単にですがご紹介させていただきます。

 ラグビーの基となったフットボールは、おおよそ1400から1800年代のグレート・ブリテン島各地でプレーされていました。フットボールという名が付いてはいますが、この頃は普通に手でボールを持つことがルール上可能でした。これら原始フットボールはそれぞれが独自のルールを持っていたために、1863年にそれらを統一して、近代サッカーが誕生したのですが、この際にボールを持って走ること、ボールを運んでいる相手にハッキング(すねをけること)、トリッピング(引っ掛けてつまずかせること)およびホールディング(おさえること)を行うことが認められなくなったことに合意できず、フットボール・アソシエーションを脱退したクラブが1871年に結成したのがラグビー協会です。
 ボールではなく、ボールを持った選手に組み付いて引きずり倒し、物理的にぶつかり合ういかにも荒っぽい、半ば格闘技然としたスポーツですが、だからこそ選手のスポーツマンシップがより尊ばれる面もあります。
 イギリスではサッカーゴールはなくてもラグビーポストはある、という学校は多く、自分が通っていた学校もラグビーピッチは6面ありましたが、サッカーコートは1面のみで、対校試合もサッカーはなく、ラグビーのみでした。
 ちなみに自分は現役時代はプロップという、スクラム最前列の左右で投げ入れられたボールを自陣に蹴り入れるフッカーを支える役どころだったのですが、相方たちが成長期に入ってドンドン背が伸びていくのに自分だけが身長据え置きだったせいで、1年生時代には凹だったスクラム前列が3年時には◢になってしまい、無常の戦力外通知を食らったという苦い思い出があります。

20191026-2わが母校、英国ブライアンストンスクールの俯瞰図。画面の中央から右側の平面は、冬の間ほぼ全面がラグビーピッチとして使用されます。

 話をワールドカップに戻しまして。
 ラグビーワールドカップは4年周期で行われることからオリンピック、サッカーワールドカップに並ぶスポーツ祭典の一つに挙げられています。ここには更にクリケットワールドカップが加わるのですが、日本では競技人口が極端に少ないので今回はパスさせていただきます。
 創設は1987年で、1896年開始のオリンピックや1930年開始のサッカーワールドカップと比べると断然若く、今年の日本開催でまだ第9回目と2桁にも届いていません。
 参加国は通算で25ヶ国、日本は9回の大会全てに出場するも、2015年までは全て予選敗退。
 発祥国の意地か、ラグビーの強豪国といえば先ずオールブラックスの名前で知られるニュージーランド、オーストラリア、南アフリカ、本家本元のイギリスなど、英語圏の国の独占状態です。それに続く国もほぼヨーロッパとオセアニアに占められ、現状アジア圏でこれらに立ち向かっているのは日本のみ。
 フィジカルの差がモロに出るスポーツなのでしょうがないと言えばしょうがないのですが、やはりプレーする以上は勝ってほしいもの。学生時代に観た日本対イギリスの練習試合では7-49で圧倒されるも、周りはむしろ日本が1トライを決めたことに惜しみない称賛を送っていることに、自分もそれが順当であると思いつつも複雑な気持ちでした。そこから20余年、アイルランドとスコットランドという2大古豪が同じ予選プールにいると知った時は「これはダメだ」と早々に思いましたが、まさかまさかの全勝通過でベスト8入り。別に追っかけをしてワケでもないくせに「ここまで来たのかぁ」と感慨にふけってしまいました。
 残念ながら、ベスト8進出後に2015年の雪辱に燃える南アフリカに大敗を喫して日本の2019年ワールドカップは終わってしまいましたが、日本のラグビーが確実に前に進んでいると分かり、かつそれを楽しみ、共有できる人間が増えたことは大変に喜ばしいことです。
 2023年にフランスで開催される第10回大会では、更なる飛躍を遂げた日本代表の雄姿を期待せずにはおれません。

(しんざわ ゆう)

ラグビーワールドカップ公式サイト
準々決勝 日本VS南アフリカ ロングハイライト動画
日本VSスコットランド ロングハイライト動画
日本VSアイルランド ロングハイライト動画


●画廊亭主敬白
昨日25日の大雨、またしても千葉県内では河川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、8人の方が亡くなられたと報じられています。先日の台風の被害から復旧する間もなく襲い掛かった自然の脅威、被災された皆さんには心よりお見舞い申し上げます。

20191009静岡ラグビー寛容と多様性を学ぶためにまずは静岡で社員研修(スコットランド対ロシア)

20191009ラグビー

20191021磯崎新の謎展02続いて、ときの忘れものとしては必見の大分市美術館「磯崎新の謎展」にも社長のお供で行ってまいりました。
ついでに(?!)ウエールズ対フランスも観戦、人口113万人の大分県に全5試合17万人が来場、町じゅう海外の人であふれかえっていました。

20191020ラグビー01

その頃、ときの忘れものの主力部隊は遠く台湾に遠征し「アート台北2019」に出展参加していました。
展示画像


「松本竣介と『雜記帳』」展は本日が最終日です。
会期:2019年10月8日(火)~10月26日(土) *日・月・祝日休廊
両面
「松本竣介と『雜記帳』」展図録のご案内
松本竣介と雑記帳2019年 
ときの忘れもの刊
B5判 44ページ
テキスト:小松崎拓男
収録作家:松本竣介恩地孝四郎福沢一郎海老原喜之助難波田龍起鶴岡政男桂ゆき
価格:1,100円(税込)
梱包送料:250円

*メールにてお申し込みください。
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから

・松本竣介の画集、カタログを特別頒布しています。
小松崎拓男さんの連載エッセイ「松本竣介研究ノート」は毎月3日の更新です。
・大川美術館の小此木美代子さんのエッセイ/「松本竣介 アトリエの時間」について
・東京国立近代美術館の大谷省吾さんのエッセイ「松本竣介の素描について」
・練馬区立美術館の喜夛孝臣さんのエッセイ/花束の如く美しく―「松本竣介と野田英夫―大川美術館収蔵品を中心に―」展を見て―
植田実さんの連載エッセイ「生きているTATEMONO 松本竣介を読む」(全14回)
深野一朗さんのエッセイ「ヤノベさんと松本竣介」
●群馬県桐生市の大川美術館で「松本竣介 街歩きの時間」が開催されています(会期:2019年10月8日ー12月8日)

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。