ただいま開催中の「銀塩写真の魅力 Ⅵ」展では、奈良原一高、福原信三、瑛九、福田勝治、風間健介、アジェ、マン・レイの8人のゼラチン・シルバー・プリント15点を展示しています。
本日ご紹介するのは福田勝治(1899 – 1991)。
福田勝治「光りの貝殻(ヌード)」
1949年 ゼラチンシルバープリント 33.3×40.2cm サインあり
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
福田勝治は山口県防府市出身。その初期において造形的・構成的な静物写真を発表しますが、実際に写真家として世に出たのは1936年『アサヒカメラ』に連載した「カメラ診断」での成功によってであり、37歳の時でした。
『女の写し方』『現像の実際』『春の写真術』『花の写し方』などアマチュア写真家向けの手引書がベストセラーとなり、広告写真も手がけるようになります。同時に、女性美を追求したポートレートやヌードで高い評価を受けますが、日中戦争から太平洋戦争に至る中、そういった作品が自由に発表出来なくなります。それでも、時局に屈することなく自らのスタイルで制作を続けます。
戦争が終わるやいなや、はじめて写真雑誌にヌード写真を発表、ヌード写真集を次々に出版し、戦後の写真界をリードします。しかし間もなく、土門拳の提唱したリアリズム写真主義の批判の標的とされ、不遇な境遇となりますが、自らの美学を貫き、「孤高のモダニスト」として自身の求める写真を撮り続けました。
1955年のイタリア旅行では、実に5,000枚もの写真を撮影し、翌年の「イタリア写真展」は大好評となり、多くの写真ファンの支持を得ました。その後、〈京都〉〈銀座〉〈隅田川〉と日本を見つめ直した連作を発表し、実験的なカラー写真〈花の裸婦〉のシリーズではユーモア溢れる自由な創造力を示しました。
1991年、多くの作品と著作を遺して92年の生涯を閉じます。
没後ご遺族によって作品とネガ類が山口県立美術館に寄贈されました。
ちょうどいま、山口県立美術館では、同時代に生きながらも、全く違う美学を展開した二人の写真家、木村伊兵衛と福田勝治の二人展が開催されています。
「木村伊兵衛と福田勝治」展
会場:山口県立美術館 展示室A
会期:2019年12月10日(火) ~ 3月29日(日)
ときの忘れものでは、2011年1月に「没後20年 孤高のモダニスト福田勝治写真展」を開催し、その顕彰につとめてきました。
また飯沢耕太郎さんには、生前孤高を貫き、没後は山口県立美術館での回顧展など数えるほどしか展観されていない写真家の生涯を辿り、その写真の魅力を論じていただきました。
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第1回~福田勝治とは何者なのか?」
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第2回~戦前の苦闘と作品世界の開花」
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第3回~戦後の福田勝治」
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2016年03月02日|ツァイト・フォト 石原悦郎さんを悼む
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◆ときの忘れものは「銀塩写真の魅力 Ⅵ展」を開催しています。
会期:2020年2月19日(水)~3月14日(土)※日・月・祝日休廊
出品:奈良原一高、福原信三、瑛九、福田勝治、風間健介、菅原一剛、アジェ、マン・レイ

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
本日ご紹介するのは福田勝治(1899 – 1991)。
福田勝治「光りの貝殻(ヌード)」1949年 ゼラチンシルバープリント 33.3×40.2cm サインあり
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
福田勝治は山口県防府市出身。その初期において造形的・構成的な静物写真を発表しますが、実際に写真家として世に出たのは1936年『アサヒカメラ』に連載した「カメラ診断」での成功によってであり、37歳の時でした。
『女の写し方』『現像の実際』『春の写真術』『花の写し方』などアマチュア写真家向けの手引書がベストセラーとなり、広告写真も手がけるようになります。同時に、女性美を追求したポートレートやヌードで高い評価を受けますが、日中戦争から太平洋戦争に至る中、そういった作品が自由に発表出来なくなります。それでも、時局に屈することなく自らのスタイルで制作を続けます。
戦争が終わるやいなや、はじめて写真雑誌にヌード写真を発表、ヌード写真集を次々に出版し、戦後の写真界をリードします。しかし間もなく、土門拳の提唱したリアリズム写真主義の批判の標的とされ、不遇な境遇となりますが、自らの美学を貫き、「孤高のモダニスト」として自身の求める写真を撮り続けました。
1955年のイタリア旅行では、実に5,000枚もの写真を撮影し、翌年の「イタリア写真展」は大好評となり、多くの写真ファンの支持を得ました。その後、〈京都〉〈銀座〉〈隅田川〉と日本を見つめ直した連作を発表し、実験的なカラー写真〈花の裸婦〉のシリーズではユーモア溢れる自由な創造力を示しました。
1991年、多くの作品と著作を遺して92年の生涯を閉じます。
没後ご遺族によって作品とネガ類が山口県立美術館に寄贈されました。
ちょうどいま、山口県立美術館では、同時代に生きながらも、全く違う美学を展開した二人の写真家、木村伊兵衛と福田勝治の二人展が開催されています。
「木村伊兵衛と福田勝治」展
会場:山口県立美術館 展示室A
会期:2019年12月10日(火) ~ 3月29日(日)
ときの忘れものでは、2011年1月に「没後20年 孤高のモダニスト福田勝治写真展」を開催し、その顕彰につとめてきました。
また飯沢耕太郎さんには、生前孤高を貫き、没後は山口県立美術館での回顧展など数えるほどしか展観されていない写真家の生涯を辿り、その写真の魅力を論じていただきました。
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第1回~福田勝治とは何者なのか?」
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第2回~戦前の苦闘と作品世界の開花」
飯沢耕太郎「福田勝治―孤高の唯美主義者 第3回~戦後の福田勝治」
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◎昨日読まれたブログ(archive)/2016年03月02日|ツァイト・フォト 石原悦郎さんを悼む
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◆ときの忘れものは「銀塩写真の魅力 Ⅵ展」を開催しています。
会期:2020年2月19日(水)~3月14日(土)※日・月・祝日休廊
出品:奈良原一高、福原信三、瑛九、福田勝治、風間健介、菅原一剛、アジェ、マン・レイ

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。
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