ただいま開催中の「銀塩写真の魅力 Ⅵ」展では、奈良原一高福原信三瑛九福田勝治風間健介アジェマン・レイの8人のゼラチン・シルバー・プリント15点を展示しています。

会期はちょうど折り返し点、今日も遠路四国から来客あり、初めてのお客様なので聞くと「どこもやっていないので」・・・・
世間様の休館、休廊のあおりを受けて(もちろん歓迎)の春の椿事でしょうか(うちには珍事)。
これで売れてくれれば言うことないのですが。

スタッフたちは「アートフェア東京」の開催中止の後始末にてんてこ舞い。
はいる予定のお金がゼロになってしまった社長は月末の支払いの算段に四苦八苦。
この一群のゼラチン・シルバー・プリントを宝の山とみるか、不良在庫の山とみるか、夫婦の見解の分かれるところではありますが、ひとり「いい写真だなぁ」とつぶやく亭主であります。

ゼラチン・シルバー・プリントはカメラで撮影されたフィルム(ネガ)を暗室で印画紙に焼き付けることで制作されます。そこで重要な役割を果たすのがプリンターです。
作家自らプリントすることももちろん多いわけですが(今回でいえば風間健介さん)、20世紀を代表するマン・レイウジェーヌ・アッジェの写真作品は、職人技のさえた名人プリンター、ピエール・ガスマンの存在を抜きには語れません。
アンリ・カルティエ・ブレッソンも、ガスマンの手により素晴らしいプリントが世に出されています。

本日ご紹介するジャン=ウジェーヌ・アジェの作品はピエール・ガスマンによるプリントです。
その作品の魅力については先日3月1日の大竹昭子さんのエッセイで論じていただきましたので、ぜひお読みください。
17_atget《サント・フォア通り24-26番地》
ゼラチンシルバープリント
*ピエール・ガスマンによるプリント
イメージサイズ: 17.5x23.0cm
*作品裏にピエール・ガスマンのサインあり


ジャン=ウジェーヌ・アジェ(1857 – 1927)
フランスの写真家。1879年音楽家や俳優の養成学校のコンセルヴァトワールに学ぶが、兵役のために中退し、地方回りの役者になる。
1898年劇団を解雇されるとパリに戻り、画家を目指すが、生活のために写真を撮り始める。初期には、路上で物売りする人々の写真を撮っていたが、20世紀前後のパリの建築物や室内家具などを撮り始める。アパートのドアに手書きの「芸術家の資料(documents
pour artistes)」という看板を掲げ、画家たちに写真を売って生活をしていた。30年間に約8000枚の写真を残したが、その多くは没後に発掘公表され、いまでは古き良き時代のパリを記録した貴重な写真として高く評価されている。

期間限定・写真集の販売
「銀塩写真の魅力 Ⅵ展」開催中の2月19日から3月14日までの特別販売書籍をご紹介します。
1)『Daylight | Blue』菅原一剛写真集
菅原一剛 写真集 “Daylight  Blue”外箱68ページ、33.2 x 26.2 cm
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社
2013年
言語:日本語、英語
販売価格:6,600円(税込)
菅原一剛が写真家として活動した約28年の作品群を集約した、箱入り2冊(「Daylight」「Blue」)1セットの写真集です。
「Daylight」では2000年代に発表された「Amami」「Komorebi」そして「Tsugaru」を、「Blue」では1990年代に発表された菅原の代表作ともいえる「Norway」「Nara」などの作品を収録。菅原一剛の写真家としての軌跡がわかる、集大成的一冊です。

2)『魅惑のヴェネツィア』奈良原一高写真集
奈良原一高展~魅惑のヴェ ネツィア44ページ、29×31cm
1987年
出版社:PPS通信社
著者:奈良原一高、ジョルジユ・デ・マルキス、池田満寿夫、飯沢耕太郎、亀倉雄策 他
完売しました
奈良原一高がヴェネツィアの夕方から夜にかけての様子を中心に撮影。ヴェネツィアの華やかな装飾を身に着けた人々、夜の静かな街の姿などをとらえた幻想的なカラー写真、モノクロ写真を収録しています。

3)『写真の巨匠アジェ展―ユトリロ,藤田嗣治,マン・レイも魅せられた消えゆくパリの記録』
アジェ展84ページ、29×31cm
1991年
出版社:PPS通信社
価格:2,613円(税込)
アジェの貴重なヴィンテージ・プリント152点をもとに東京(1991年4月25日ー5月14日)と大阪(1992年1月10日-1月22日)で開催された展覧会にあわせて発行されました。

4)『写真の世紀展 写真家が見た20世紀』
写真の世紀展160ページ、30cm×23cm
2000年
出版社:PPS通信社
執筆者:平木収監修
価格:2,750円(税込)
ウジェーヌ・アジェ、ジャック=アンリ・ラルティーグ、アルフレッド・スティーグリッツ他 図版200点を収録。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2012年05月17日|アウグスト・ザンダーと五味彬
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銀塩写真の魅力 Ⅵ展
会期:2020年2月19日(水)~3月14日(土)※日・月・祝日休廊
出品:奈良原一高福原信三瑛九福田勝治風間健介菅原一剛アジェマン・レイ
銀塩写真~DM表


●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。