「刷り師・石田了一の仕事」

第7回「いなくにロシアのラクスマン」


 『異な国(1792)ロシアのラクスマン』、覚えているかな?
日本史年号暗記語呂合わせ。

ロシアの使節ラクスマンがエカテリーナ号に漂流民の大黒屋光太夫らを乗せ、
日本に通商を求めて根室にやって来たのが1792年。
10月から6月まで越冬し、半年以上も留め置かれた。
その時に日本初伝来と言われているのが、スケートとサウナである。
古い絵図にその様子が詳しく描かれている。

 そのラクスマンの父がフィンランド出身の学者で、
交流があった光太夫の日本への帰国を息子に託したのだという。
サウナ文化が生まれたフィンランド、その当時はロシア帝国の領土であった。
昔からアイヌの人々が暮らし、そして私たちの父祖が切り開いた北方の島々もまた、
というか、未だロシア領のままである。

1
フィンランドといえばサンタ。
サンタといえば小出真己(こいでまさき)1948―2011
1989年刷り 28版28色28度刷り(ボカシ1) 35×43㎝
切手や絵本、TV番組のセット、レースクイーンの衣装なども
手掛けていたデザイナー。


2
小出真己 サンタ1990年刷り 
30版31色31度刷り(ボカシ1) 29×37㎝


3
久里洋二さんにも登場いただいて。
1987年刷り 19版19色19度刷り(ボカシ11) 35×27㎝


4
トナカイの代わりにエゾシカを。
2024年10月9日午後6時半、根室にて。
友人宅の帰り、角を曲がって歩道でいきなり鹿と鉢合わせ。
一瞬、目が合ったがシカトされ、道路を横切り向かい側へ。


5
右、尻の白いのが鹿。夜の街を散歩中。


6
浴場の裏で働く釜焚き(ボイラーマン)を彫った
小学生の頃のベニヤ版画。26×37㎝

生家の隣の銭湯(カネマス・寿湯)は氷屋さんもやっていて、
近所の子らと脱衣場や氷室でよく遊んでいた。
氷室には、冬に郊外の池で切り出された天然氷が、
おがくずに埋まって夏まで貯蔵されていた。

小さな頃から舞台裏や仕掛けに興味を持っていたようだ。

(いしだりょういち)

■石田了一(いしだりょういち)
シルクスクリーン刷り師・石田了一工房主宰
1947年北海道根室生まれ、1970 年美學校で岡部徳三氏に師事。
1971年、宇佐美圭司展(南画廊)で発表された<ボカシの 40 版>の版画で
工房をスタート。これまでにアンディ・ウォーホル、安藤忠雄、磯崎新、
草間彌生、熊谷守一、倉俣史朗、桑山忠明、五味太郎、 菅井汲、関根伸夫、
田名網敬一、寺山修司、鶴田一郎、萩原朔美、
毛綱毅曠、元永定正、脇田愛二郎、脇田和 他 ,
様々なジャンルのアーティストのシルクスクリーン作品を手掛ける。

●連載「刷り師・石田了一の仕事」は毎月3日の更新です。
次回は2025年1月3日を予定しています。どうぞお楽しみに。

●本日のお勧め作品は菅井汲です。
sugai_HOLIDAY3 (1)《HOLIDAY 3》
1978年
シルクスクリーン(刷り:石田了一)
イメージサイズ:22.0×16.0cm
シートサイズ:29.2×25.1cm
Ed.250
サインあり
※レゾネNo284(阿部出版)
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※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。

◆「師走のプレゼントセール
会期:2025年12月3日(火)~6日(金)
魔法陣2000
粟津潔靉嘔畦地梅太郎舟越保武五味太郎吉原英雄駒井哲郎恩地孝四郎元永定正アンディ・ウォーホル池田満寿夫木村茂戸村茂樹関根伸夫、ハインリッヒ・フォーゲラー、磯崎新、アンドレ・ドラン、木村利三郎、フェルナン・レジェ、ジャン=エミール・ラブルール、光嶋裕介、海老原喜之助、他
全点額付き1万円~数万円、高くても10万円以下、会期中の特別価格については遠慮なくメールにてお問い合わせください。

●パリのポンピドゥーセンターでブルトンのシュルレアリスム宣言100年を記念して「シュルレアリスム展」が開催されています(~2025年1月13日まで)。ときの忘れものは同展に協力し瀧口修造のデカルコマニーを貸し出し、出展しています。展覧会の様子はパリ在住の中原千里さんのレポートをお読みください。
カタログ『SURREALISME』を特別頒布します。
(仏語版売り切れ、英語版のみ)
サイズ:32.8×22.8×3.5cm、344頁 22,000円(税込み)+送料1,500円
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12月7日(土)は臨時休廊いたします

◆「生誕90年 倉俣史朗展 Cahier
会期=2024年12月13日(金)~12月28日(土) ※日・月・祝日休廊
ギャラリートーク:12月20日(金)17:00~18:30
講師:関康子NPO法人建築思考プラットフォーム理事)、大澤勝彦(元ヤマギワ勤務、㈱唯アソシエイツ代表取締役)
こちらからお申し込みください。
※参加費おひとり1,000円
75_Kuramata Shiro_案内状 表面

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
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〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。