ハ・ミョンウン展開催にあたり
綿貫令子（ときの忘れもの）
ときの忘れものでは1995年の開廊以来、主に日本の現代美術の作家を扱うとともに、ジョナス・メカス、トリシャ・ブラウンなど海外の作家も日本にお招きして企画展を開催してきました。
しかし、アジアの作家には今まで縁がありませんでした。
近くて遠い存在だった隣国韓国のハ・ミョンウンさんを知ったきっかけは、昨2011年9月ソウルで開催されたＫＩＡＦ/11（Korea International Art Fair）に出展したことでした。
アジア有数のアートフェアには韓国はじめアジア各地からの来場者も多く、会期中たくさんの出会いがありました。
会場となったＣＯＥＸの近くにインターアリアというアートスペースがあり、ちょうどそこで韓国の若い作家たちのグループ展が開催されていました。
インターアリアは民間企業によるメセナ活動の一環らしいのですが、長い不況にあえぐ日本から見ると羨ましいようなスペースと大勢のスタッフがいて、積極的に韓国やアジアの若いアーティストたちの展覧会を企画しています。
その展覧会にハ・ミョンウンさんが出品していたのでした。
ロイ・リキテンスタインやアンディ・ウォーホルなど1960～70年代にアメリカ現代美術の洗礼を受けた私たち世代にとっては、一目でそれとわかるイメージを使ったオブジェが展示されていました。
いまや懐かしささえ覚える「現代の古典」ともいうべきマスターピースのイメージを分解し、その断片をスライスして再構築した小気味良い立体作品に一目で惹きつけられました。
直ぐにキューレターの人にこの作家のことを尋ねると、まだ若い女性だというではありませんか。キューレターＫＩＭさんの助力で、ハ・ミョンウンさんに翌日お会いすることができました。
新鮮な驚きを感じたのは、ハさんの創作の動機、きっかけでした。
かつてポップアートに憧れ影響を受けた私たちが勝手に想像していたのとは異なり、それは意表をつくものでした。
ハさんは何年か前、韓国の汚職事件に関連してポップアートの巨匠たちの絵画作品が賄賂に使われたことに触発されて、オマージュでもパロディでもなく、「賄賂にもなり得る（それだけの金銭的価値が付加された）」マスターピースを素材に独自の解釈を加えて制作をはじめたということでした。
言葉の壁でハさんとのコミニュケーションには苦労しましたが、キムさんや通訳のアンさんのおかげで、ときの忘れものでの個展が実現の運びとなりました。お二人には心より感謝いたします。（わたぬきれいこ）
■ハ・ミョンウン略歴
하 명 은 河明殷 Ha, Myoung Eun (1980 生)
ソンシン女子大学 美術大学 西洋画科 卒業
ソンシン女子大学 一般大学院 西洋画科 卒業
・個展
2012 A master piece of painting ギャラリーときの忘れもの、東京
2011 A master piece BRUSH, ガーナアート・ビル ギャラリー （6.24-7.21）
A master piece:オル, 顔を通して真実を述べる偽者、ギャラリードール（4.15-5.1）
2009 A master piece of painting Preznt展－ギャラリーS101, (9.7-13)
Gallery Hyun (サムチョンドン) (11.1-30)
・グループ展
2012 釜山ホテルアートフェア、ヘウンデ
第4回 Art Road 77 アートフェア（5.12-6.10）
コウル（鏡）展 Mirror Mirror – ガーナアート釜山(3.7-3.31)
ファラン美術祭 COEX (2.22-26)
2011 ソンムルジョン－Gift展－ソンムルオークション カンナム（江南）
DOORS HOTEL ART FAIR – インペリアルパレス IYAP2011
スペクタクルの社会、インターアリア・アート・カンパニー
Cutting Edge 13th, ソウルオークション
幸福が満ちた絵展- シャーロット広場 ヨンドゥンポ ロッテ百貨店、
ソウルオークション
Andy WarholとK-POP, Manoffin Gallery
Cerebration展― チェ・ヨンロク、ハ・ミョンウン 二人展
マノフィン（チャンドン店）
2010 マノフィン新進作家公募選定展―マノフィン（パンポ店）
東邦の妖怪たち77
ハイソウルアートフェア展－ソウル市創作空間フェスティバル
（ヨウィドハンガン市民公園）
ソンシン45周年記念展―インサアートセンター
On the Bounce – Space 15th
2009 ソンナム国際インキュベイティングアートショー
（ソンナムアートセンター）
ファン展―外食文化マーケティング 「なじみの鶏の足」（アンサン）
ソンシン絵画展―駐中 韓国文化院 北京
2008 ソンシン ナンウナンウォン展― ノアムギャラリー
ホボドゥルル delicate & soft展－ギャラリーインデコ
その他 団体展多数
・受賞
2010 マノフィン（ミスターピザ主催、ガーナアートギャラリー進行）
新進作家公募 優秀賞
2011 ギャラリードール選定作家
・作品所蔵
ミスターピザ パンベ社屋 “MIPIHAUS”
ハ・ミョンウン
「MINI series」
2011年
Foamex acrylic
22.0x15.0x3.1cm サインあり
税込36,750円
ハ・ミョンウン
「MINI series」
2011年
Foamex acrylic
22.0x15.0x3.1cm サインあり
税込36,750円
ハ・ミョンウン
「LICHTENSTEIN」
2010年
ミクストメディア
120.0x19.0x8.5cmサインあり
税込131,250円
ハ・ミョンウン
「Andy Warhol」
2011年 Mixed media
120.0x19.0x8.5cm サインあり
税込131,250円
ハ・ミョンウン
「Gradation yellow brush」
2012年 Mixed media
61.0x70.0cm サインあり
税込150,150円
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは2012年11月2日[金]―11月10日[土]「ハ・ミョンウン(河明殷）展」を開催します（会期中無休）。
ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホルなど誰もが知っている20世紀を代表するポップアートを、再解釈・再構築して自らの作品に昇華させるハ・ミョンウン。近年ではアジア最大のアートフェア「KIAF」に出品するなど活動の幅を広げ、今後の活躍が期待される韓国の若手作家です。本展では約20点を展示します。
11月2日（金）17時より、来日する作家を囲んでオープニングを開催いたします。是非ご参加ください。ハ・ミョンウンさんは2日（金）と3日（土）に在廊します。
綿貫令子（ときの忘れもの）
ときの忘れものでは1995年の開廊以来、主に日本の現代美術の作家を扱うとともに、ジョナス・メカス、トリシャ・ブラウンなど海外の作家も日本にお招きして企画展を開催してきました。
しかし、アジアの作家には今まで縁がありませんでした。
近くて遠い存在だった隣国韓国のハ・ミョンウンさんを知ったきっかけは、昨2011年9月ソウルで開催されたＫＩＡＦ/11（Korea International Art Fair）に出展したことでした。
アジア有数のアートフェアには韓国はじめアジア各地からの来場者も多く、会期中たくさんの出会いがありました。
会場となったＣＯＥＸの近くにインターアリアというアートスペースがあり、ちょうどそこで韓国の若い作家たちのグループ展が開催されていました。
インターアリアは民間企業によるメセナ活動の一環らしいのですが、長い不況にあえぐ日本から見ると羨ましいようなスペースと大勢のスタッフがいて、積極的に韓国やアジアの若いアーティストたちの展覧会を企画しています。
その展覧会にハ・ミョンウンさんが出品していたのでした。
ロイ・リキテンスタインやアンディ・ウォーホルなど1960～70年代にアメリカ現代美術の洗礼を受けた私たち世代にとっては、一目でそれとわかるイメージを使ったオブジェが展示されていました。
いまや懐かしささえ覚える「現代の古典」ともいうべきマスターピースのイメージを分解し、その断片をスライスして再構築した小気味良い立体作品に一目で惹きつけられました。
直ぐにキューレターの人にこの作家のことを尋ねると、まだ若い女性だというではありませんか。キューレターＫＩＭさんの助力で、ハ・ミョンウンさんに翌日お会いすることができました。
新鮮な驚きを感じたのは、ハさんの創作の動機、きっかけでした。
かつてポップアートに憧れ影響を受けた私たちが勝手に想像していたのとは異なり、それは意表をつくものでした。
ハさんは何年か前、韓国の汚職事件に関連してポップアートの巨匠たちの絵画作品が賄賂に使われたことに触発されて、オマージュでもパロディでもなく、「賄賂にもなり得る（それだけの金銭的価値が付加された）」マスターピースを素材に独自の解釈を加えて制作をはじめたということでした。
言葉の壁でハさんとのコミニュケーションには苦労しましたが、キムさんや通訳のアンさんのおかげで、ときの忘れものでの個展が実現の運びとなりました。お二人には心より感謝いたします。（わたぬきれいこ）
■ハ・ミョンウン略歴
하 명 은 河明殷 Ha, Myoung Eun (1980 生)
ソンシン女子大学 美術大学 西洋画科 卒業
ソンシン女子大学 一般大学院 西洋画科 卒業
・個展
2012 A master piece of painting ギャラリーときの忘れもの、東京
2011 A master piece BRUSH, ガーナアート・ビル ギャラリー （6.24-7.21）
A master piece:オル, 顔を通して真実を述べる偽者、ギャラリードール（4.15-5.1）
2009 A master piece of painting Preznt展－ギャラリーS101, (9.7-13)
Gallery Hyun (サムチョンドン) (11.1-30)
・グループ展
2012 釜山ホテルアートフェア、ヘウンデ
第4回 Art Road 77 アートフェア（5.12-6.10）
コウル（鏡）展 Mirror Mirror – ガーナアート釜山(3.7-3.31)
ファラン美術祭 COEX (2.22-26)
2011 ソンムルジョン－Gift展－ソンムルオークション カンナム（江南）
DOORS HOTEL ART FAIR – インペリアルパレス IYAP2011
スペクタクルの社会、インターアリア・アート・カンパニー
Cutting Edge 13th, ソウルオークション
幸福が満ちた絵展- シャーロット広場 ヨンドゥンポ ロッテ百貨店、
ソウルオークション
Andy WarholとK-POP, Manoffin Gallery
Cerebration展― チェ・ヨンロク、ハ・ミョンウン 二人展
マノフィン（チャンドン店）
2010 マノフィン新進作家公募選定展―マノフィン（パンポ店）
東邦の妖怪たち77
ハイソウルアートフェア展－ソウル市創作空間フェスティバル
（ヨウィドハンガン市民公園）
ソンシン45周年記念展―インサアートセンター
On the Bounce – Space 15th
2009 ソンナム国際インキュベイティングアートショー
（ソンナムアートセンター）
ファン展―外食文化マーケティング 「なじみの鶏の足」（アンサン）
ソンシン絵画展―駐中 韓国文化院 北京
2008 ソンシン ナンウナンウォン展― ノアムギャラリー
ホボドゥルル delicate & soft展－ギャラリーインデコ
その他 団体展多数
・受賞
2010 マノフィン（ミスターピザ主催、ガーナアートギャラリー進行）
新進作家公募 優秀賞
2011 ギャラリードール選定作家
・作品所蔵
ミスターピザ パンベ社屋 “MIPIHAUS”
ハ・ミョンウン「MINI series」
2011年
Foamex acrylic
22.0x15.0x3.1cm サインあり
税込36,750円
ハ・ミョンウン「MINI series」
2011年
Foamex acrylic
22.0x15.0x3.1cm サインあり
税込36,750円
ハ・ミョンウン
「LICHTENSTEIN」
2010年
ミクストメディア
120.0x19.0x8.5cmサインあり
税込131,250円
ハ・ミョンウン
「Andy Warhol」
2011年 Mixed media
120.0x19.0x8.5cm サインあり
税込131,250円
ハ・ミョンウン「Gradation yellow brush」
2012年 Mixed media
61.0x70.0cm サインあり
税込150,150円
こちらの作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
◆ときの忘れものは2012年11月2日[金]―11月10日[土]「ハ・ミョンウン(河明殷）展」を開催します（会期中無休）。
ロイ・リキテンスタイン、アンディ・ウォーホルなど誰もが知っている20世紀を代表するポップアートを、再解釈・再構築して自らの作品に昇華させるハ・ミョンウン。近年ではアジア最大のアートフェア「KIAF」に出品するなど活動の幅を広げ、今後の活躍が期待される韓国の若手作家です。本展では約20点を展示します。
11月2日（金）17時より、来日する作家を囲んでオープニングを開催いたします。是非ご参加ください。ハ・ミョンウンさんは2日（金）と3日（土）に在廊します。
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