今から23年前の今日、木口木版画の第一人者だった日和崎尊夫先生(1941年7月31日~1992年4月29日)が亡くなりました。
50歳の早すぎる死でした。
亭主より4歳上で、しし座生まれ。
亭主はかに座なので、ちょっと相性は微妙(笑)。
それでも生前、3点の作品を作っていただきました。

先日の「具体の作家たち展」の会期中に高知から初めてのお客様がいらっしゃった。
浪越篤彦さんという画家で、苗字は「なお」とお読みするらしい。
ちょうど銀座のOギャラリーで個展を開催されており(3.30 -4.5)、青山まで足を運んで「日和崎尊夫展」の案内を置いてゆかれました。
生前の日和崎先生と親交があり、今回はご自分のアトリエを使い、未亡人の協力で遺作展を開くとのことでした。
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「光の刺星―日和崎尊夫展」
会期:5月3日[日]~5月17日[日]土日開催
会場:アトリエNAO
   〒780-0001 高知県高知市久礼野232-31
   Tel.090-4784-3751
時間:11:00~17:00

高知近辺の方、ぜひお出かけください。
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前述の通り、日和崎先生の生前、亭主は3点の木口木版のエディションをしていただきました。1978年のことですが、幸いそれらの作品の相当数が30年近く(売れずに)某所に眠っておりました。ひとえに亭主の失敗からきたことですが、某氏のご厚意でそれらの作品を2005年にときの忘れものの刊行物に挿入することができました。
従って下記のご紹介するのは、後刷りではなく、日和崎先生の生前に手がけられた作品です。
●『版画掌誌 第5号』のご紹介
版画掌誌5
『版画掌誌 第5号』
2005年11月刊行
特集1/ジョナス・メカス
フローズン・フィルム・フレームズ(静止した映画)と呼ぶ写真作品を紹介
テキスト:ジョナス・メカス、ランズベルギス
翻訳:木下哲夫
特集2/日和崎尊夫
1992年50歳の若さで死去した日和崎尊夫の遺した木口木版画の秀作を紹介
テキスト:谷川渥、日和崎尊夫

A版-A:限定15部
ジョナス・メカスの写真1点(「ジプシーの予言」)とシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計4点挿入

A版-B:限定20部
ジョナス・メカスの写真1点(「リキテンスタインのモデル」)とシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計4点挿入

B版:限定35部
ジョナス・メカスのシルクスクリーン1点(「わが街ニューヨークに捧げるラブ・レター」)+日和崎尊夫の木口木版2点(「たがねの花」、「殖」)、計3点挿入

日和崎尊夫挿入作品
版画掌誌5 日和崎尊夫「たがねの花」
日和崎尊夫
「たがねの花」
1978年
木口木版
雁皮鳥の子紙摺り+新鳥の子紙による裏打ち
摺り:五所菊雄
Image size: 7.2x11.2cm
Sheet size: 24.2x30.2cm
限定175部
自筆サインあり
※レゾネNo.384

版画掌誌5 日和崎尊夫「殖」
日和崎尊夫
「殖」
1972年原版制作(1978年摺り)
木口木版
雁皮鳥の子紙
摺り:五所菊雄
Image size: 7.8×8.5cm
Sheet size: 16.0×15.4cm
限定2,500部
摺り込みサインあり
※レゾネNo.337
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●『日和崎尊夫句集』のご紹介
日和崎尊夫句集オリジナル版画入り『日和崎尊夫句集 雅なる きみのちぶさに 芽はふきぬ』
2005年11月刊行
限定300部
112ページ
18.8x18.8cm
俳句・短詩50、挿画50点、略歴
テキスト:日和崎雅代
オリジナル木口木版画「鋼鉄の花」1点を挿入


挿入作品
026 レゾネ385 鋼鉄の花_日和崎尊夫
「鋼鉄の花」
1978年
木口木版
雁皮鳥の子紙
摺り:五所菊雄
Image size: 8.2x6.5cm
Sheet size: 16.0x15.1cm
限定2,500部
摺り込みサインあり
※レゾネNo.385

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ずいぶん前ですが、日和崎先生と生前お親しかった方からご連絡があり、自分ももう歳なので元気なうちに先生から直接頒けていただいた作品を整理することにしたと、40点ほどの作品を譲っていただきました。
さすがに代表作ばかりですが、中でも目玉は1972年の「海淵の薔薇」でした。
これで日和崎先生の展覧会ができると喜んだのですが、その後、この「海淵の薔薇」が行方不明になってしまいました。
狭い画廊の中はもちろん、倉庫から自宅まで、隅から隅までくまなく探したのですが杳としてわからない。
これには焦りました。大枚はたいて購入した40点もの日和崎作品、その中の最も重要な「海淵の薔薇」が欠けては展覧会は開けない。これじゃあ他の39点も売るに売れない。
君はいったいどこに消えたのか・・・・・
半分あきらめていたのですが、先日スタッフの秋葉があっさりと発掘(!)してくれました。いつも重要作品を保管している棚(もちろん亭主は幾度と無く探索していた)のど真ん中にありました。これは神隠しなのか、単に亭主の耄碌から来る不注意なのか。ますます自己嫌悪、自信喪失に陥っています。

●そんなわけで今日のお勧め作品は、日和崎尊夫の「海淵の薔薇」です。
20150429_hiwasaki_04_umihuti日和崎尊夫
「海淵の薔薇」
1972年
木口木版
イメージサイズ:32.3x18.3cm
Ed.30
自筆サインあり

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