20数年ぶりに福岡に行き(社長は初めて)九州初のアートフェア「ART FAIR ASIA/FUKUOKA 2015」に参加しました。

会期:2015年9月4日(金)- 9月6日(日)
フェア会場:ソラリア西鉄ホテル 11階
出展参加したのは27画廊、こじんまりしたフェアでしたが、地元の実行委員会の方々をはじめ皆さん気持ちよい方ばかりで労わっていただき、老兵2人は無事5日間の滞在を終えて帰京しました。

中央の瑛九「手」をじっとご覧になっていた年配のご婦人曰く、
「絵はいいけれど値段が気に入らない。」
ごもっともで、今回のフェアではおそらく最も高額な価格でした。
でも、これも褒め言葉としてありがたく拝聴しました。

熊本がルーツ(移民の子としてアメリカに生まれ、3歳から18歳までを熊本で過ごす)の野田英夫を3点出品しました。

左から、松本竣介、瑛九。
鏡に映っているのは野田英夫2点。
右から、元永定正、瑛九(フォトデッサン)。
初老の紳士に、「竣介が出ているというのでやってきたが、来た甲斐があった」と言われたときはさすがに嬉しかったですね。

右は元永定正「いいせんいってる」、
左3点は磯崎新の「栖十二」より銅版手彩色3点。
今回九州に敬意を表して瑛九(宮崎出身)、野田英夫(熊本がルーツ)、磯崎新(大分出身)の作品を持っていったのですが、中では磯崎先生の知名度が抜群で驚きました。さすが九州!
ところが磯崎先生が建築家だということは100人が100人ご存知なのですが、その磯崎先生が版画をつくっていることはほとんどの方が知りませんでした。
まだまだ版元として私たちの努力が足りませんね。

何もしない(できない)亭主を尻目に社長は大奮闘。

現代版画センター時代の同僚、筑後画廊の貝田隆博さんに再会。
近くの飲み屋で一杯やりながら昔話で盛り上がったのですが、亭主も社長もすっかり忘れていたことが次から次へと貝田さんの口から出てきたので、しばし呆然・・・ 記憶というのはあてにならないとしみじみ感じた夜でした。

若い人たちの来場(特に女性)が多かったフェアでした。

山口から駆けつけてくれた田村さんにはすっかりお世話になりました。
福岡に長く暮らした田村さんからの紹介もあり、たくさんの方から挨拶され、いただいた名刺が30枚も。
「ブログ読んでます」と幾人もの方に言われました。
いつもアートフェアというと重量級のものを用意し、てんやわんやだったのですが、今回はご覧のとおり、番頭おだちの思いやりでコンパクトな出品内容、小さなダンボール箱五個の輸送は宅急便。フェア終了後の撤収は僅か40分で完了。
おかげで毎晩、おいしいお酒と魚を堪能した5日間でした。

気持ちよくフェアを終えた翌日は西日本シティ銀行(旧福岡相互銀行)本店をじっくり拝見。

博多駅前に建つ磯崎新先生の代表作の竣工は1972年、弱冠41歳のときの作品です。

笹沼俊樹さんのエッセイでもお馴染みのジョエル・シャピロの彫刻。


亭主が初めて来たのは竣工から間もない1975年、連れてきてくれたのは関根伸夫先生でした。

建物の周りをカメラ片手にひとまわり。



建物の内外には多数のアート作品が設置されています。これも1970年代としては画期的でした。






一階内部。



ヘンリー・ムーアの彫刻。

清水九兵衛の彫刻は壁にめり込んでいました、壮観!












駅ビルの8階には丸善の大書店があり、建築書の棚には「植田実」コーナーもありました。

駅ビルの8階から見た外観。
天才イソザキの力業をあらためて実感しました。
福岡で久しぶりにお目にかかれたお客様、来場者の皆さん、大枚はたいて作品をお買い上げいただいたお客様には心より御礼申し上げます。
初めてにもかかわらず、スムーズでフレンドリーな運営をされた実行委員会、終始お気遣いいただいた地元の画廊の皆さん、ほんとうにありがとうございました。
亭主も体調を崩すことなく、少し自信を回復した5日間でした。
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ご報告と御礼が遅くなりましたが、先週末、「内間安瑆展」が大盛況のうちに終了しました。
といっても亭主と社長は大混雑した週末は上掲の福岡のアートフェアに出張していたため、ご来場いただいた皆さんにはご挨拶もできずに失礼いたしました。
いつも暖かなコメントを書いてくださる林光一郎さんのブログより転載させていただきます。
<今夜は妻とときの忘れものに。現在開催中なのは内間安瑆展という沖縄出身の版画家の個展。恩地孝四郎に出会い抽象木版画を志し、40歳でニューヨークに渡って活動した人だそう。
展示されていたのはカラフルな作品からモノトーンの作品までさまざまで、木版の他にエッチングの作品も展示されていた。その中でも唸ったのはカラフルな木版の作品。色彩のバランスと版の面白さとが高いレベルで両立している。木版で両方を目指そうとするとふつうは版の模様と色のバランスが喧嘩したり、逆に版の面白さが潰れてしまったりするのに、どうしてこういう風な作品が作れるんだろう。まるで色の中を泳いでいるような、すばらしい体験をすることができた。>
Luv Pop TYO (Pop U NYC跡地)より
今回は久しぶりの展示だったこともあり内間先生のお知り合いの皆さんに多数お運びいただきました。亭主の知らなかった内間先生の貴重なエピソードもいくつか伺うことができました(たとえば早稲田の学生だった戦時中に内間先生はアメフトのチームに参加していた)。
林さんのような内間先生を直接はご存知ない若い世代の方の来場も多く、時代を超えて生きる作品のすばらしさをこれからも伝えていきたいとあらためて思った次第です。

会期:2015年9月4日(金)- 9月6日(日)
フェア会場:ソラリア西鉄ホテル 11階
出展参加したのは27画廊、こじんまりしたフェアでしたが、地元の実行委員会の方々をはじめ皆さん気持ちよい方ばかりで労わっていただき、老兵2人は無事5日間の滞在を終えて帰京しました。

中央の瑛九「手」をじっとご覧になっていた年配のご婦人曰く、
「絵はいいけれど値段が気に入らない。」
ごもっともで、今回のフェアではおそらく最も高額な価格でした。
でも、これも褒め言葉としてありがたく拝聴しました。

熊本がルーツ(移民の子としてアメリカに生まれ、3歳から18歳までを熊本で過ごす)の野田英夫を3点出品しました。

左から、松本竣介、瑛九。
鏡に映っているのは野田英夫2点。
右から、元永定正、瑛九(フォトデッサン)。
初老の紳士に、「竣介が出ているというのでやってきたが、来た甲斐があった」と言われたときはさすがに嬉しかったですね。

右は元永定正「いいせんいってる」、
左3点は磯崎新の「栖十二」より銅版手彩色3点。
今回九州に敬意を表して瑛九(宮崎出身)、野田英夫(熊本がルーツ)、磯崎新(大分出身)の作品を持っていったのですが、中では磯崎先生の知名度が抜群で驚きました。さすが九州!
ところが磯崎先生が建築家だということは100人が100人ご存知なのですが、その磯崎先生が版画をつくっていることはほとんどの方が知りませんでした。
まだまだ版元として私たちの努力が足りませんね。

何もしない(できない)亭主を尻目に社長は大奮闘。

現代版画センター時代の同僚、筑後画廊の貝田隆博さんに再会。
近くの飲み屋で一杯やりながら昔話で盛り上がったのですが、亭主も社長もすっかり忘れていたことが次から次へと貝田さんの口から出てきたので、しばし呆然・・・ 記憶というのはあてにならないとしみじみ感じた夜でした。

若い人たちの来場(特に女性)が多かったフェアでした。

山口から駆けつけてくれた田村さんにはすっかりお世話になりました。
福岡に長く暮らした田村さんからの紹介もあり、たくさんの方から挨拶され、いただいた名刺が30枚も。
「ブログ読んでます」と幾人もの方に言われました。
いつもアートフェアというと重量級のものを用意し、てんやわんやだったのですが、今回はご覧のとおり、番頭おだちの思いやりでコンパクトな出品内容、小さなダンボール箱五個の輸送は宅急便。フェア終了後の撤収は僅か40分で完了。
おかげで毎晩、おいしいお酒と魚を堪能した5日間でした。

気持ちよくフェアを終えた翌日は西日本シティ銀行(旧福岡相互銀行)本店をじっくり拝見。

博多駅前に建つ磯崎新先生の代表作の竣工は1972年、弱冠41歳のときの作品です。

笹沼俊樹さんのエッセイでもお馴染みのジョエル・シャピロの彫刻。


亭主が初めて来たのは竣工から間もない1975年、連れてきてくれたのは関根伸夫先生でした。

建物の周りをカメラ片手にひとまわり。



建物の内外には多数のアート作品が設置されています。これも1970年代としては画期的でした。






一階内部。



ヘンリー・ムーアの彫刻。

清水九兵衛の彫刻は壁にめり込んでいました、壮観!












駅ビルの8階には丸善の大書店があり、建築書の棚には「植田実」コーナーもありました。

駅ビルの8階から見た外観。
天才イソザキの力業をあらためて実感しました。
福岡で久しぶりにお目にかかれたお客様、来場者の皆さん、大枚はたいて作品をお買い上げいただいたお客様には心より御礼申し上げます。
初めてにもかかわらず、スムーズでフレンドリーな運営をされた実行委員会、終始お気遣いいただいた地元の画廊の皆さん、ほんとうにありがとうございました。
亭主も体調を崩すことなく、少し自信を回復した5日間でした。
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ご報告と御礼が遅くなりましたが、先週末、「内間安瑆展」が大盛況のうちに終了しました。
といっても亭主と社長は大混雑した週末は上掲の福岡のアートフェアに出張していたため、ご来場いただいた皆さんにはご挨拶もできずに失礼いたしました。
いつも暖かなコメントを書いてくださる林光一郎さんのブログより転載させていただきます。
<今夜は妻とときの忘れものに。現在開催中なのは内間安瑆展という沖縄出身の版画家の個展。恩地孝四郎に出会い抽象木版画を志し、40歳でニューヨークに渡って活動した人だそう。
展示されていたのはカラフルな作品からモノトーンの作品までさまざまで、木版の他にエッチングの作品も展示されていた。その中でも唸ったのはカラフルな木版の作品。色彩のバランスと版の面白さとが高いレベルで両立している。木版で両方を目指そうとするとふつうは版の模様と色のバランスが喧嘩したり、逆に版の面白さが潰れてしまったりするのに、どうしてこういう風な作品が作れるんだろう。まるで色の中を泳いでいるような、すばらしい体験をすることができた。>
Luv Pop TYO (Pop U NYC跡地)より
今回は久しぶりの展示だったこともあり内間先生のお知り合いの皆さんに多数お運びいただきました。亭主の知らなかった内間先生の貴重なエピソードもいくつか伺うことができました(たとえば早稲田の学生だった戦時中に内間先生はアメフトのチームに参加していた)。
林さんのような内間先生を直接はご存知ない若い世代の方の来場も多く、時代を超えて生きる作品のすばらしさをこれからも伝えていきたいとあらためて思った次第です。
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