平嶋彰彦写真展— 東京ラビリンス」は11月28日をもって終了しました。作品をお買い求めいただいた皆様、ご来廊くださった皆様、誠にありがとうございました。
平嶋彰彦さんの初めての写真ポートフォリオは、作者の平嶋彰彦さん、監修者の大竹昭子先生、プリンターの比田井一良さんと何度も打合せを行ない、1年半かけてようやく完成しました。
森山大道先生にはパンフレットにご寄稿いただき、パンフレットとたとう表紙デザインは間村俊一さん、たとう表紙は刷り師の石田了一さんにシルクスクリーンで刷っていただくという、豪華メンバーで制作しました。
今後は国内はもちろん海外のアートフェアなどでもご紹介していきたいと思います。

また、銀座のギャラリーせいほうさんにて開催された「倉俣史朗展ーShiro Kuramata Cahie 刊行記念」も11月28日に終了しました。ひろびろとした会場に版画20点とミスブランチなどのオブジェの名作が並び、刊行記念に相応しい素晴らしい展示となりました。全国から多くの方にお越しいただき、感謝申し上げます。ありがとうございました。

同じく銀座で、倉俣史朗カイエ1集の展覧会が始まりました。
Shiro Kuramata Cahier~倉俣史朗が愛した覚えがき
⽇程:2020年12⽉1⽇(⽕)~2021年1⽉4⽇(⽉)
場所:銀座 蔦屋書店内 アートウォールギャラリー(スターバックス内)
⼊場:無料
お問い合わせ:03-3575-7755
主催:銀座 蔦屋書店
協⼒:ときの忘れもの
※営業時間は店舗WEBサイトをご確認ください。
アート本をたくさん取り揃えているところですので、是非お出かけください。

◆コロナウイルスに始まり、コロナウイルス禍で終わるこの一年ですが、2020年ときの忘れものの最後の企画は「オディロン・ルドン展ー『聖アントワーヌの誘惑』」です(予約制/WEB展)。
会期=2020年12月11日(金)ー12月26日(土)*日・月・祝日休廊
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※アポイント制にてご来廊いただける日時は、火曜~土曜の平日11:00~19:00となります。
※観覧をご希望の方は事前にメールまたは電話にてご予約ください。

今年は、オディロン・ルドンの生誕180年にあたります。
ルドンを敬愛した駒井哲郎先生の生誕100年の記念すべき年でもあります。
版画史に屹立する二人の展覧会を数年前から計画し、作品の蒐集に全力を挙げてきました。
駒井哲郎先生の「生誕100年 駒井哲郎展 Part.1 若き日の作家とパトロン」はおかげさまで美術史的にも重要なコレクション群を展示することができました。
今回はルドン生涯の代表作であり、ルドンがあらゆる色彩の中で最も本質的な色とした黒一色で制作された幻想的な連作『聖アントワーヌの誘惑』第3集(1933年版)全22点を展示いたします。
私たちが扱った作品の中でも最もコンディションがよく、刷りの完璧な作品群をぜひご覧ください。
オディロン・ルドン展-『聖アントワーヌの誘惑』WEB展覧会動画
映像制作:WebマガジンColla:J 塩野哲也

扉を含め24葉のリトグラフからなる初版は、1896年にパリで50部刊行されました。
本展出品の『聖アントワーヌの誘惑』第3集第2版は、2020年12月13日ブログ掲載の山上紀子先生の論考によれば、画商アンブロワーズ・ヴォラールの企画で、ブランシャールとクロが刷りを担当し、1909年末には完成していました。1896年の初版に収められた石版画のうち22点と、新たに制作された素描をもとにジョルジュ・オベールが制作した木炭画15点をあわせた最大の版画集となり、表紙にはヴォラールの名が入れられています。ヴォラールは扉に1933年と刊行年を入れていますが、実際に出版されたのは1938年です。

オディロン・ルドン展ー『聖アントワーヌの誘惑』の出品作品のご紹介

6〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《VII. …そして彼は乾いた起伏のある平原を見わける》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:24.5×19.9cm
Ed.220
レゾネ No. 140

14〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《II. 聖アントワーヌ:助けたまえ 神よ!》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:21.8×13.2cm
Ed.220
レゾネ No. 135

16〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XXI. …精霊のようなものをしばしば天空に見た》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:26.5×18.3cm
Ed.220
レゾネ No. 154

38〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《IV. わが口づけは汝の心にとろける果実の味…汝はわれをさげずむ。さよなら!》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:20.0×16.3cm
Ed.220
レゾネ No. 137

62〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《III. いたるところに玄武岩の柱がならぶ…光は穹窿から差しこむ》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:24.3×19.0cm
Ed.220
レゾネ No. 136

88〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《VI. 物かげで 人々が彼等を諫めるほかの人々に囲まれて 泣いたり祈ったりしている》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:26.2×21.6cm
Ed.220
レゾネ No. 139

89〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《V. 花が散り 怪しい蛇の頭が現われる》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:26.0×20.0cm
Ed.220
レゾネ No. 138

94〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《IX. …私は孤独のうちに沈んだ 私は私のうしろの木に住んでいた》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:29.8×22.6cm
Ed.220
レゾネ No. 142

98〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《X. エレーヌ(エンノイア)》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:9.4×8.5cm
Ed.220
レゾネ No. 143

122〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XI. いきなり三人の女神が現れる》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:26.7×16.2cm
Ed.220
レゾネ No. 144

130〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XII. 叡知は私のものだ 私は仏陀になった》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:31.6×21.7cm
Ed.220
レゾネ No. 145

136〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XIV. オアンネス:私は混沌のなかの最初の意識として物質を固まらせ形をきめるために深淵の中から現れた》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:28.0×21.8cm
Ed.220
レゾネ No. 147

138〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XV. ここによき女神がいる イデ山脈のイデ山に》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:14.8×12.8cm
Ed.220
レゾネ No. 148

146〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XVI. 私は常に偉大なるイシスである 何人も私のヴェールを持ち上げた者はいない わが生かせる果実は太陽である》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:28.2×21.0cm
Ed.220
レゾネ No. 149

158〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XVII. 彼は奈落の底へまっさかさまに落ちる》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:28.0×21.0cm
Ed.220
レゾネ No. 150

176〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XVIII. アントワーヌ:これらすべてのものの目的は何だろう? 悪魔:目的なんぞありはしない!》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:31.1×25.0cm
Ed.220
レゾネ No. 151

185〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XIX. 老女:何を恐れるのか? 広く暗い穴だ! それは多分からっぽだろう?》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:16.3×10.8cm
Ed.220
レゾネ No. 152

190〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XX. 死:おまえを救えるのは私だ 抱き合おう》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:30.3×21.3cm
Ed.220
レゾネ No. 153

192〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XXIII. オケアノスにはさまざまな人々が住んでいる》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:31.0×23.6cm
Ed.220
レゾネ No. 156

194〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XIII. そして頭を持たない目が軟体動物のようにただよっていた》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:31.2×22.5cm
Ed.220
レゾネ No. 146

198〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XXII. …革袋のように丸い海の動物》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:22.5×19.5cm
Ed.220
レゾネ No. 155

202〈聖アントワーヌの誘惑 第三集〉より
《XXIV. ついに陽が昇った…そして太陽の円光の中にイエス・キリストの顔が輝く》
1896年(1933年版)
リトグラフ
イメージサイズ:26.3×20.3cm
Ed.220
レゾネ No. 157

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*『聖アントワーヌの誘惑』は、ギュスターヴ・フローベールの文学作品。着想から30年近い歳月をかけて1874年に刊行されました。紀元3世紀の聖者アントワーヌが、テーベの山頂の庵で一夜にして古今東西の様々な宗教・神話の神々や魑魅魍魎の幻覚を経験した後、生命の始原を垣間見、やがて昇り始めた朝日のなかにキリストの顔を見出すまでを絵巻物のように綴っていく幻想的な作品で、対話劇のかたちをとった散文詩のような形式で書かれています。
ルドンは『聖アントワーヌの誘惑』を題材に42点(表紙を含む)のリトグラフを制作しました。幻覚を見るような魔的な世界を、自身「あらゆる色彩の中で最も本質的な色」とした黒一色で表現したルドンの代表作として知られています。
1888年に 第一集(全10点 限定60部)、翌1889年に 第二集(全6点 限定60部)を制作、 第三集 は1896年の初版(全24点 限定50部)と1933年版(全22点 限定220部、刊行は1938年)の2種類のエディションがあります。

11月28日ブログで新連載・塩見允枝子のエッセイ「フルクサスの回想」が始まりました。合わせて連載記念の特別頒布会を開催しています。
Water Music 青ラベル、白ラベル塩見允枝子先生には11月から2021年4月までの6回にわたりエッセイをご執筆いただきます。塩見允枝子のエッセイ「フルクサスの回想」は毎月28日掲載です。
連載に合わせて作品も特別頒布させていただきます。お気軽にお問い合わせください。

●ドキュメンタリー叢書創刊 #01『ジョナス・メカス論集 映像詩人の全貌』が刊行されました。
『ジョナス・メカス論集 映像詩人の全貌』小執筆:ジョナス・メカス、井戸沼紀美、吉増剛造、井上春生、飯村隆彦、飯村昭子、正津勉、綿貫不二夫、原將人、木下哲夫、髙嶺剛、金子遊、石原海、村山匡一郎、越後谷卓司、菊井崇史、佐々木友輔、吉田悠樹彦、齊藤路蘭、井上二郎、川野太郎、柴垣萌子、若林良
*ときの忘れもので扱っています。メール・fax等でお申し込みください。

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
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