今年は現代版画センター創立からちょうど50年となります。
1974年~1985年の10年ちょっとの活動期間でしたが、日本初の本格的な「会員制による現代版画の共同版元」を目指して、80数人の作家による770点余のエディションを発表しました。
(*埼玉県立近代美術館で2018年1月16日~3月25日に開催された「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展の記録をご参照ください)
ある作家を選び、会員たちの出資により集中的にまとまった作品群をエディションし、全国各地で同時開催的に展覧会をするという方式は1975年の「島州一・関根伸夫クロスカントリー7500km」全国展が最初でした。
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関根伸夫先生(1942年9月19日 - 2019年5月13日没)はそのときから亭主の師匠として、また現代版画センターのブレーンとして私たちを支えてくれました。

2019年05月19日|追悼 関根伸夫先生

翌1975年、渡仏以来三度目の帰国をした菅井汲先生(1919年3月13日 - 1996年5月14日没)を口説くことを勧めてくれたのは関根伸夫先生でした。
パレスホテルに滞在していた菅井先生に会い、日本での版画制作を依頼し、「スクランブル」「シグナル」「ポートレート」の連作を含む28種類の新作(版画、立体マルチプル、タペストリー)を一挙に制作し、「菅井汲全国展」を開催しました。
あれから半世紀近くたちますが、お二人の命日が一日違いというのも何か因縁を感じます。
1976年9月菅井汲全国展カタログ表


1976年9月菅井汲全国展カタログ裏


先日ご紹介したジム・ダインとともに、
5月15日(水)に「一日だけの特集展示/ジム・ダイン、関根伸夫、菅井汲」を開催します。
魔法陣21200
5月9日ブログ・森下泰輔「ジム・ダインに関する覚書」をご参照ください。


◆ときの忘れものは「内間安瑆展 Forest Byobu」を開催します。
会期:2024年5月17日(金)~6月1日(土)
11:00-19:00 *日・月・祝日休廊
Uchima Ansei Exhibition 案内状_表面_1280内間安瑆 (1921-2000)はアメリカで生まれ、1940年に早稲田大学に留学、建築を学びますが、戦後恩地孝四郎らの創作版画に刺激され木版画を制作します。浮世絵の伝統技法を深化させ「色面織り」と呼ぶ独自の技法を確立し、45度摺にも及ぶ〈Forest Byobu〉連作を生み出しました。
鮮やかな色彩のハーモニー、微妙なぼかしが入った色面が幾重にも重なる複雑な構成をしており、多色にもかかわらず画面全体には静かな気品が漂います。代表作〈Forest Byobu〉連作を中心に、木版、油彩、銅版など26点をご覧いただきます。出品全作品の詳細は5月12日ブログに掲載しました。価格リストご希望の方は「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記の上、遠慮なくお知らせください。
早稲田大学會津八一記念博物館で5月13日~7月15日「ニューヨークを舞台にした日本人アーティストたち」展が開催され内間安瑆作品も展示されます。
内間表紙1200『内間安瑆 Forest Byobu』展図録
発行:ときの忘れもの
発行日:2024年5月17日
サイズ他:25.7×18.2cm、カラー/モノクロ38P
図版:内間安瑆作品26点
テキスト執筆:
長谷見雄二(早稲田大学名誉教授)
水沢勉(美術史家・美術評論家)
比嘉良治(N.Y.ロングアイランド大学名誉教授)
編集:Curio Editors Studio
デザイン:柴田卓
価格:会期中のみの特別価格1,100円(税込)+送料250円
会期終了後は1,650円(税込)での販売となります。

取り扱い作家たちの展覧会情報(5月ー6月)は5月1日ブログに掲載しました。
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ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。