「新春の特集展示:生きものたち~宮脇愛子、嶋田しづ、谷口靖、永井桃子」

会期:2019年1月29日(火)~2月2日(土)
新魔方陣


2019年の企画第一弾は2015年5月以来の「第27回 瑛九展」でした。
開廊以来、毎年のようにシリーズ企画として「瑛九展」を開催してきましたが2年も空いてしまったのは初めてのことでした。
思わぬ展開から3月のアートバーゼル香港2019に生前、没後を通じて初めての瑛九の個展で出展することになり、昨秋日本各地を駆け巡り瑛九の代表作を集めました。その壮行展ともいうべき今回の「第27回 瑛九展」、おかげさまで皆さんに好評で、初めてのバーゼル香港へスタッフ一同意気が揚がっております。展示の余韻にひたるひまもなく、直ちに壁面から下ろし、船積みの準備に入ります。

さて、明後日29日から短い期間ですが、「新春の特集展示:生きものたち~宮脇愛子、嶋田しづ、谷口靖、永井桃子」を開催します。
画廊コレクションから、世代もキャリアも異なる4人の作家の生命力あふれる作品を展示いたします。ぜひご高覧ください。

宮脇愛子 Miyawaki Aiko
宮脇愛子油彩 1959年宮脇愛子「Work」
1959年
油彩,大理石粉、ボード
24x33cm
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宮脇愛子略歴:1929年東京生まれ。1952年日本女子大学文学部史学科卒業。阿部展也、斎藤義重に師事。1957-66年欧米各地に滞在し、制作活動を行なう。真鍮、石、ガラスを用いた立体作品のほか油彩や墨絵を制作。代表的な彫刻作品《うつろひ》は、モンジュイック・オリンピック広場(バルセロナ)、ラ・デファンス(パリ)、奈義町現代美術館など世界各地にコレクションされている。1998年神奈川県立近代美術館で回顧展、国内外で多数開催。晩年は車椅子での不自由な闘病生活にもかかわらず創作意欲は衰えず、油彩や ドローイングを制作し続けた。2014年8月20日84歳で永逝。


嶋田しづ Shimada Shidu
shimada03嶋田しづ《ラ・ヴィ・コティディエンヌb》
1995年
リトグラフ
Image size: 34.0×50.0cm
Frame size: 89.0×71.0cm
Ed.60
Signed
*1枚のシートに2作品あり
上)《輝く太陽のもとで》
下)《プロムナード》
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嶋田しづ略歴:1923年樺太に生まれる。 1942年女子美術専門学校(現・女子美術大学)油彩科を卒業。早稲田大学では1945年まで文学部で東洋美術史を會津八一に師事する。 1958年から約20年間パリで制作を続け、自由な形態と豊かな色彩を用いた生命感あふれる作品を発表する。パリ滞在中に絵画・リトグラフ・エッチングの制作に励み、サロン・ド・メやサロン・ドートンヌ、コンパレイゾン、その他招待出品など、エコール・ド・パリや西欧画壇で活躍。1978年に帰国後は、湘南の海を眺望する神奈川県逗子市内にアトリエを構え、美術団体に属することなく個展を中心に作品を発表し現在も活躍を続けている。



谷口靖 Taniguchi Yasushi
谷口靖「雨過天青」谷口靖《雨過天青》
2018年
キャンバスにアクリル
60.8×50.3cm(F12号)
Signed
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谷口靖略歴:1975年福岡県北九州市生まれ。1996年創形美術学校 版画科卒業。
個展 1996年 ギャラリー130 (八幡) 1999年、 2004年
    2008年 なびす画廊 (銀座) 2010年、2014年、2016年
    2011年 黒埼井筒屋(八幡) ~2018年まで毎年
グループ展 1995年 Electronic Cafe Tokyo『一夜展』(渋谷)、1996年 日本版画協会展(上野) 、2011年 国際インパクトアート・フェスティバル(京都)、2012年 Franchement Art (ニース) 、 2013年 国展 版画部門 入選(六本木)2014年、2015年、2014年 Spectrum Art Fair (マイアミ) 、2015年 Ward-Nasse Gallery (ニューヨーク)、なびす画廊 三人展『五月のおくりもの』、2017年 ジラソーレ(門司)『East Meets west』、2018年 ギャラリーあずま(銀座)『コレカラノヒトタチ』、Safety Harbor Museum (フロリダ)『East Meets West』、国展 絵画部門 入選(六本木)
●作家の言葉
地中海の島々やフロリダといった海辺の風景をイメージしつつ、柑橘類や葡萄などの果実や植物をモチーフに、私が心で感じた心象風景をアクリル絵の具を使って表現しています。背景などに使われたゴールドは光に応じて変化し、違った表情を楽しめます。旅の残像のような、ある種の豊かさを表現できればと思っています。


永井桃子 Nagai Momoko
nagai0505-004永井桃子
「光途 - 日の方向 3」
2005年
油彩・キャンバス
80.5×100.0cm(F40号)
Signed
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永井桃子略歴:2000年女子美術大学大学院美術研究科美術専攻修了。
1992年東北電力「夢見る子供童話賞」絵本部門大賞受賞(絵本『ウサギの畑』出版/講談社)。1999、2000年シェル現代美術賞展、2001年トーキョーワンダーウォール展(ワンダーウォール賞)、2006年損保ジャパン美術財団選抜奨励展、2010年Korea International Art Fair 2010、Daegu Art Fair 2010(韓国 / ときの忘れものブース)、2017年「吾輩の猫展」(佐藤美術館)などに出品。
主な個展2000年スカイドアアートプレイス青山、2001,04,05,06年ときの忘れもの、2012,15年夢の庭画廊(上田市)など。 2014年より清里のカフェ、アン・グーテ・ア・ラ・カンパーニュに作品を常設展示。その他、絵本(私家版)『小瓶とカメ』、『どんぐり蝶』、『森のABC』などを制作。
●作家の言葉
油彩による絵画作品のほか、水彩や木版画の制作を行っています。作品制作の際に意識しているのは、感覚や、直接感情に訴えかけてくる絵の持つ存在感のようなものです。伝えたいことをモチーフなどによって説明する絵画ではなく、何か気になるというか、ひっかかるもの、解答は書かれていないけれども感じる、伝わる作品ができればと考えています。視覚に入ったときに作品に鑑賞者が無意識に語りかけてしまうような、存在感のある作品を描きたいと考えています。
異質なものを日常に持ち込むという側面もある絵。美術館では意識的に絵の持つ不思議な存在感と出会うことができますが、絵を自宅の壁に掛けるだけでも、部屋の空気は変わり、絵と生活することで、意識せずとも対話が繰り返されるのではないかと思います。動物を描いたものであれば目があうとか、表情を見て感情移入するなど分かりやすい形で関係性を持つかもしれません。絵を描きながら画家も作品と向き合いますが、作品は描かれながら作者自身にも常に語りかけています。作者にとってはこの過程が重要ですが、完成された後も手を離れるまでアトリエの壁に掛けられた作品との対話は続きます。
技法的な面では、何層も絵の具を重ね、時間をかけて完成させる油彩に対して、水彩や木版では線や面を生かした、より直感的な表現を行っています。特に版画では本という形式が重要なテーマで、ここ数年は木版画で挿絵を描き、私家版として数冊の絵本を作りました。絵画は置かれた空間を体験することを前提として描きますが、絵本はページごとに進んでいく小さな経験だと考えています。本には一つの完結した世界があり、その世界を作ることは絵の画面を構築してゆく作業とはまた別の喜びがあります。
絵本は場面によって変化する絵の連なりで、そこでは読者と物語の時間は曖昧に存在しますが、連続した絵という点で興味を持っているのがアニメーションで、こちらは作者が決めた時間の中で絵が進み、音楽と合わせることで視覚と聴覚の両方に働きかけられる表現手法の一つとして、今のところ公開はしていませんが様々な試作を行っています。
来年には美術館の広いスペースで個展をさせて頂くことになり、油彩の大きな作品なども出品予定ですので、ご覧いただけましたら幸いです。
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本日(27日)と明日(28日)は休廊です。

「第27回瑛九展 」は1月26日に終了しましたが、3月末のアートバーゼル香港2019に「瑛九展」で初出展します。
・瑛九の資料・カタログ等については1月11日ブログ「瑛九を知るために」をご参照ください。
・現在、各地の美術館で瑛九作品が展示されています。
埼玉県立近代美術館:「特別展示:瑛九の部屋」で120号の大作「田園」を公開、他に40点以上の油彩、フォトデッサン、版画他を展示(4月14日まで)。
横浜美術館:「コレクション展『リズム、反響、ノイズ』」で「フォート・デッサン作品集 眠りの理由」(1936年)より6点を展示(3月24日まで)。
宮崎県立美術館<瑛九 -宮崎にて>で120号の大作「田園 B」などを展示(4月7日まで)。

ジョナス・メカスさんが1月23日亡くなられました。
2005年10月メカス追悼の心をこめてジョナス・メカス上映会を開催します。
会期:2019年2月5日[火]―2月9日[土]
代表作「リトアニアへの旅の追憶」は毎日上映するほか、「ショート・フィルム・ワークス」、「営倉」、「ロスト・ロスト・ロスト」、「ウォルデン」の4本を日替わりで上映します。
上映時間他、詳しくはホームページをご覧ください。
2月9日17時よりのトーク「メカスさんを語る」(要予約、ゲスト:飯村昭子さん、木下哲夫さん)は既に満席となり受付を終了しました。


●東京神田神保町の文房堂ギャラリーで「版画のコア core2」展が開催されています(~2月2日[土])、会期中無休)。ときの忘れものは日和崎尊夫を出品協力しています。

●ときの忘れもののブログは年中無休です。昨年ご寄稿いただいた方は全部で51人。年末12月30日のブログで全員をご紹介しました。

●2019年のときの忘れもののラインナップはまだ流動的ですが、昨2018年に開催した企画展、協力展覧会、建築ツアー、ギャラリーコンサートなどは年末12月31日のブログで回顧しました。

●ときの忘れものは〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。阿部勤設計の新しい空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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