今年は難波田龍起先生(1905~1997)の23回忌でした。
1996年文化功労者として顕彰され、90歳を過ぎても大作に挑みお元気でしたが、ふとしたことで病に臥し、1997年11月8日92歳で亡くなられました。
お亡くなりになる少し前に病室に伺い、旧友瑛九のために制作していただいた最後の銅版画に震える手でサインをいただいたことは「難波田龍起先生の銅版画」と題して追悼文集『翔』に書いたことがあります。

19780918ギャラリーミキモト 難波田展オープニング 松永健一1978年9月18日
難波田龍起銅版画集『街と人』『海辺の詩』発表記念展オープニング

会場:銀座・ギャラリーミキモト
左から綿貫不二夫、松永伍一先生、難波田先生、夫人の澄江さん

難波田先生には現代版画センタ-時代から版画を多数制作していただき、1995年6月のときの忘れものの開廊記念展はじめ幾度も展覧会をしていただきました。
1995_06_05_03難波田龍起展
会期:1995年11月10日~11月19日
会場:青山・ときの忘れもの(一軒家時代)
左から難波田先生、綿貫令子、綿貫不二夫

あれから22年、何とか23回忌に間に合うよう、この一年半微力を尽くして取り組んできた『難波田龍起作品史 1928-1996 アトリエに遺された作品による』をようやく刊行することができました。

難波田作品史

『難波田龍起作品史 1928-1996 アトリエに遺された作品による』
四六判 上製 2巻構成 ケース入
作品篇:経文折り 作品図版カラー139面仕上げ
解説篇:総200頁 各作品解説平均400字 作品の詳細データを付す

発行:2019年9月30日
著者:小林俊介(山形大学教授)
編集:三上豊(和光大学教授)
デザイン:大串幸子
印刷:テンプリント
発行者:綿貫令子
発行所:ときの忘れもの/(有)ワタヌキ

難波田先生のアトリエにご遺族によつて大切に守られてきた139点の作品群がありました。
難波田作品を収蔵する美術館の学芸員や研究者たちもほとんどその存在を知りませんでした。
油彩を中心に、水彩、オブジェなど画家が生前自選した初期1928年から最晩年の1996年までが網羅された作品群が初めて明らかになります。
139点を散逸させず、詳細な記録を残すことをご遺族も望まれ、そのために難波田先生の評伝の著者であり難波田龍起研究の第一人者である小林俊介先生に全点にわたる詳細な解説文を執筆していただきました。
編集者として多くの美術書を手がけてこられた三上豊先生に監修と編集をお願いいたしました。
造本の隅々まで気を配っていただき、今までにない美術書が誕生したと自負しています。

個人コレクターに一括所蔵されたことを機に、記念として本書を制作しました。
少部数にして、一般流通には出ませんので書店では入手困難です。
ご遺族、所蔵家、協力者への献本ののち、残った僅かな部数を、難波田ファン、難波田研究者にお渡しできる方法を考えたのですが、
今回、刊行記念展を開催し、難波田先生の版画作品をお買い上げの方に本書を差し上げる機会を設けました。

『難波田龍起作品史 1928-1996 アトリエに遺された作品による』刊行記念展
会期:2019年11月29日[金]―12月28日[土] 11:00-19:00 ※日・月・祝日休廊
油彩、水彩、版画による刊行記念展を開催します。
なお、出品作品は同書収録のものではありません。
案内状画像
ギャラリートークのご案内
11月30日(土)16時より、難波田武男さんと三上豊さん(和光大学教授、本書編集者)を迎えてギャラリートーク「難波田龍起と遺された作品について」を開催します。
要予約:参加費1,000円
メールにてお申し込みください。
難波田ちらし表
画面をクリックすると拡大します。
難波田ちらし裏
詳細については遠慮なくお問い合わせください。

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難波田龍起 Tatsuoki NAMBATA
1905年北海道旭川生まれ。23年高村光太郎を知り生涯私淑する。27年早稲田大学中退。太平洋画会研究所、本郷絵画研究所に学ぶ。川島理一郎主宰の金曜会に入り、仲間と[フォルム]を結成。37年自由美術家協会の創立に参加。78年現代版画センターより銅版画集『街と人』『海辺の詩』を刊行。87年東京国立近代美術館で回顧展を開催。88年毎日芸術賞を受賞。96年文化功労者。97年永逝(享年92)。

「松本竣介と『雜記帳』」展図録のご案内
松本竣介と雑記帳2019年 ときの忘れもの刊
B5判 44ページ
テキスト:小松崎拓男
収録作家:松本竣介恩地孝四郎福沢一郎海老原喜之助難波田龍起鶴岡政男桂ゆき
価格:1,100円(税込)
梱包送料:250円

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●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
201911ときの忘れもの阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。