橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」
第4回「井戸」
井戸 古今東西において異界の通路 狭くても周囲はアゴラ コミュニティのセンターポジション 戦後しばらくは日本でもそういう存在 “つぶすにつぶせぬ”共同井戸遺構は遺跡として都内にも多数現存 シーラカンスのような“生ける遺構”もあり
2021年10月15日
本郷四丁目 菊坂下の路地 い~っぱいあるこんな所 主人公になってみて妄想するあの明治文学の世界 I am z i z i i.と自覚

2023年12月20日
外苑西通り 右に並んで立つのは「内藤町大京町」バス停留所ポール 井戸を囲んだ人々の日々の営みは道路と“時代”に埋没 その遺跡 漕げばジャアッと水を吐くギッコンポンプの勇姿 呑まなかったけれど

2022年2月13日
住吉神社参道 あの赤い鳥居をくぐってすぐの左側 佃のなかの佃=THE TSUKUDA OF TSUKUDA

2024年6月14日
西巣鴨の盛雲寺勝手口 ぎっこん井戸はドレンが喪失しているが周囲は水の気がたっぷり 面した路地にはかつて細い川あり? 洗い場には密集した住まいのおかみさんたち? つい 漕いでみるのを忘れてしまった

2023年4月18日
東京日仏学院入口脇 とても小さな築土神社 史跡「掘兼の井」は現役井戸 「共同井戸として永い間生活に使われてきた。」と 人は水と生きてきた ここの町名は「市谷船河原町」 「船」?「河原」?その匂いも無いのに

2023年8月31日
代々木一丁目 崖下の路地は旧代々木川跡 蒸し暑さに冒されて妄想 赤錆のポンプ その前は鋳鉄のぎっこん井戸? その前は釣る瓶? 洗い場 そして井戸端会議 おかみさん連中の声 流れ落ちる水 ジョジョジョジョジョジョ

2023年1月8日
東京大学池之端門の門柱左脇 「弁慶鏡ケ井」現役 義経北帰行時に弁慶が発見とのこと ポンプ頻繁使用の様子ありあり 立札には「井戸を大切に使いましょう」 次回はペットボトル持参 汲んだ水でカップ麺

2024年8月22日
街灯の根元に非ず(きっと) 撤去不能のぎっこん井戸の台座の残骸(きっと) 有名なよみせ通りは愛染川=矢田川の暗渠 その支流のほとり 左の路地は支流の暗渠 おかみさんたちが取り囲んで井戸端会議 妄想

2023年5月20日
白玉稲荷神社 狭い境内の半分以上なのが六基の赤鳥居と井戸 井戸を祀る?(井戸のすぐ後ろは塀) 澄んだ手水鉢の水 鉢にこぼれた跡はあるが給水設備なし 鉢の底から湧水? 謎のまんまが楽しい

2024年10月15日
成子天神社 1年ぶり ハンドルが整備されていたので三柱鳥居の結界に立ち入って漕ぐ 重いし固い ほとばしる水 冷たい 南北と東西の参道の交点で水を汲む 楽しくなる 神社よりも前から道と井戸があったと妄想

2024年9月28日
雑司が谷三丁目 クランクまたクランクの超細路地の迷宮 その奥 残されている全身赤錆ポンプとその左の洗い場 日々の暮らしになくてはならなかった共同井戸 この辺りに棲んだ人々の残留思念が立ち込める

2024年9月21日
谷中1丁目 井戸 屋根付き! クランクと曲線の細路地が数多ある谷中 その迷宮に潜む光景のひとつ かつてどんな生活ドラマがあった? させられてしまう妄想 深遠・深淵の谷中

防災その他の目的で新たに掘った井戸だって異界(通路)の通路 災害対応コミュニティのセンターポジションになる存在 かな?
2024年8月29日
芸能神社(花園神社の境内社) 本殿脇にズンッと坐す 2019年に復活とのこと 手動なので災害時はきっと活躍 周りはビルがびっしり ほんの10m先の明治通りの下は副都心線 それでも地下水脈健在

2023年10月29日
千歳台 環八そば 笠森公園 ただ水を汲む快感 しばし 誰もいない秋の愚行

2024年9月13日
雑司が谷鬼子母神参道入口右脇「七曲り」(超細路地がクランクで延々の超密集住居街) その只中 「まちづくり井戸 七曲りの水」 真っ赤な詮! 水出ず! 豊島区立! 左1軒隣の木造アパート前にお取り潰しの赤錆ポンプと流し場

2022年12月19日
香取神社(建立西暦665年) 拝殿右脇の「亀が井」 亀戸が「かめいど」なのは亀島と亀村と「亀の井戸」が混ざって長い年月で熟成した結果だそうだ 母が生まれ育った亀戸の隣の平井で自分は成長 今も何も知らぬ

2024年8月26日
池袋第三小学校 フェンスで校庭を切り込んで設置 道路直面 誰でも使える災害対策用手動井戸 ギッコンジャーギッコンジャーの音もなく出て来る大量の水 それでも汲むのが楽しい もう1回だけでやめる

・連載・橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年1月6日です。どうぞお楽しみに。
●本日のお勧め作品は吉田克朗です。
《Work "46"》
1975年
リトグラフ
イメージサイズ:44.8×29.3cm
シートサイズ :65.6×50.4cm
Ed.100
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「師走のプレゼントセール」
会期:2025年12月3日(火)~6日(金)

粟津潔、靉嘔、畦地梅太郎、舟越保武、五味太郎、吉原英雄、駒井哲郎、恩地孝四郎、元永定正、アンディ・ウォーホル、池田満寿夫、木村茂、戸村茂樹、関根伸夫、ハインリッヒ・フォーゲラー、磯崎新、アンドレ・ドラン、木村利三郎、フェルナン・レジェ、ジャン=エミール・ラブルール、光嶋裕介、海老原喜之助、他
全点額付き1万円~数万円、高くても10万円以下、会期中の特別価格については遠慮なくメールにてお問い合わせください。
●12月7日(土)は臨時休廊いたします。
◆「生誕90年 倉俣史朗展 Cahier」
会期=2024年12月13日(金)~12月28日(土) ※日・月・祝日休廊
ギャラリートーク:12月20日(金)17:00~18:30
講師:関康子(NPO法人建築思考プラットフォーム理事)、大澤勝彦(元ヤマギワ勤務、㈱唯アソシエイツ代表取締役)
※こちらからお申し込みください。
※参加費おひとり1,000円

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
第4回「井戸」
井戸 古今東西において異界の通路 狭くても周囲はアゴラ コミュニティのセンターポジション 戦後しばらくは日本でもそういう存在 “つぶすにつぶせぬ”共同井戸遺構は遺跡として都内にも多数現存 シーラカンスのような“生ける遺構”もあり
2021年10月15日
本郷四丁目 菊坂下の路地 い~っぱいあるこんな所 主人公になってみて妄想するあの明治文学の世界 I am z i z i i.と自覚

2023年12月20日
外苑西通り 右に並んで立つのは「内藤町大京町」バス停留所ポール 井戸を囲んだ人々の日々の営みは道路と“時代”に埋没 その遺跡 漕げばジャアッと水を吐くギッコンポンプの勇姿 呑まなかったけれど

2022年2月13日
住吉神社参道 あの赤い鳥居をくぐってすぐの左側 佃のなかの佃=THE TSUKUDA OF TSUKUDA

2024年6月14日
西巣鴨の盛雲寺勝手口 ぎっこん井戸はドレンが喪失しているが周囲は水の気がたっぷり 面した路地にはかつて細い川あり? 洗い場には密集した住まいのおかみさんたち? つい 漕いでみるのを忘れてしまった

2023年4月18日
東京日仏学院入口脇 とても小さな築土神社 史跡「掘兼の井」は現役井戸 「共同井戸として永い間生活に使われてきた。」と 人は水と生きてきた ここの町名は「市谷船河原町」 「船」?「河原」?その匂いも無いのに

2023年8月31日
代々木一丁目 崖下の路地は旧代々木川跡 蒸し暑さに冒されて妄想 赤錆のポンプ その前は鋳鉄のぎっこん井戸? その前は釣る瓶? 洗い場 そして井戸端会議 おかみさん連中の声 流れ落ちる水 ジョジョジョジョジョジョ

2023年1月8日
東京大学池之端門の門柱左脇 「弁慶鏡ケ井」現役 義経北帰行時に弁慶が発見とのこと ポンプ頻繁使用の様子ありあり 立札には「井戸を大切に使いましょう」 次回はペットボトル持参 汲んだ水でカップ麺

2024年8月22日
街灯の根元に非ず(きっと) 撤去不能のぎっこん井戸の台座の残骸(きっと) 有名なよみせ通りは愛染川=矢田川の暗渠 その支流のほとり 左の路地は支流の暗渠 おかみさんたちが取り囲んで井戸端会議 妄想

2023年5月20日
白玉稲荷神社 狭い境内の半分以上なのが六基の赤鳥居と井戸 井戸を祀る?(井戸のすぐ後ろは塀) 澄んだ手水鉢の水 鉢にこぼれた跡はあるが給水設備なし 鉢の底から湧水? 謎のまんまが楽しい

2024年10月15日
成子天神社 1年ぶり ハンドルが整備されていたので三柱鳥居の結界に立ち入って漕ぐ 重いし固い ほとばしる水 冷たい 南北と東西の参道の交点で水を汲む 楽しくなる 神社よりも前から道と井戸があったと妄想

2024年9月28日
雑司が谷三丁目 クランクまたクランクの超細路地の迷宮 その奥 残されている全身赤錆ポンプとその左の洗い場 日々の暮らしになくてはならなかった共同井戸 この辺りに棲んだ人々の残留思念が立ち込める

2024年9月21日
谷中1丁目 井戸 屋根付き! クランクと曲線の細路地が数多ある谷中 その迷宮に潜む光景のひとつ かつてどんな生活ドラマがあった? させられてしまう妄想 深遠・深淵の谷中

防災その他の目的で新たに掘った井戸だって異界(通路)の通路 災害対応コミュニティのセンターポジションになる存在 かな?
2024年8月29日
芸能神社(花園神社の境内社) 本殿脇にズンッと坐す 2019年に復活とのこと 手動なので災害時はきっと活躍 周りはビルがびっしり ほんの10m先の明治通りの下は副都心線 それでも地下水脈健在

2023年10月29日
千歳台 環八そば 笠森公園 ただ水を汲む快感 しばし 誰もいない秋の愚行

2024年9月13日
雑司が谷鬼子母神参道入口右脇「七曲り」(超細路地がクランクで延々の超密集住居街) その只中 「まちづくり井戸 七曲りの水」 真っ赤な詮! 水出ず! 豊島区立! 左1軒隣の木造アパート前にお取り潰しの赤錆ポンプと流し場

2022年12月19日
香取神社(建立西暦665年) 拝殿右脇の「亀が井」 亀戸が「かめいど」なのは亀島と亀村と「亀の井戸」が混ざって長い年月で熟成した結果だそうだ 母が生まれ育った亀戸の隣の平井で自分は成長 今も何も知らぬ

2024年8月26日
池袋第三小学校 フェンスで校庭を切り込んで設置 道路直面 誰でも使える災害対策用手動井戸 ギッコンジャーギッコンジャーの音もなく出て来る大量の水 それでも汲むのが楽しい もう1回だけでやめる

・連載・橋本凌一のフォトエッセイ「メモランダム東京百景」は毎月6日の更新です。次回更新は2025年1月6日です。どうぞお楽しみに。
●本日のお勧め作品は吉田克朗です。
《Work "46"》1975年
リトグラフ
イメージサイズ:44.8×29.3cm
シートサイズ :65.6×50.4cm
Ed.100
サインあり
作品の見積り請求、在庫確認はこちらから
※お問合せには、必ず「件名」「お名前」「連絡先(住所)」を明記してください。
◆「師走のプレゼントセール」
会期:2025年12月3日(火)~6日(金)

粟津潔、靉嘔、畦地梅太郎、舟越保武、五味太郎、吉原英雄、駒井哲郎、恩地孝四郎、元永定正、アンディ・ウォーホル、池田満寿夫、木村茂、戸村茂樹、関根伸夫、ハインリッヒ・フォーゲラー、磯崎新、アンドレ・ドラン、木村利三郎、フェルナン・レジェ、ジャン=エミール・ラブルール、光嶋裕介、海老原喜之助、他
全点額付き1万円~数万円、高くても10万円以下、会期中の特別価格については遠慮なくメールにてお問い合わせください。
●12月7日(土)は臨時休廊いたします。
◆「生誕90年 倉俣史朗展 Cahier」
会期=2024年12月13日(金)~12月28日(土) ※日・月・祝日休廊
ギャラリートーク:12月20日(金)17:00~18:30
講師:関康子(NPO法人建築思考プラットフォーム理事)、大澤勝彦(元ヤマギワ勤務、㈱唯アソシエイツ代表取締役)
※こちらからお申し込みください。
※参加費おひとり1,000円

●ときの忘れものの建築空間についてはWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。

〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS ときの忘れもの
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531
E-mail:info@tokinowasuremono.com
http://www.tokinowasuremono.com/
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。日・月・祝日は休廊。
JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
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