意見書 公演中止で本当に良いのか
 コロナウィルス感染症対策による公演自粛の要請を受け、一演劇人として劇場公演の継続を望む意見表明をいたします。感染症の専門家と協議して考えられる対策を十全に施し、観客の理解を得ることを前提とした上で、予定される公演は実施されるべきと考えます。演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術です。スポーツイベントのように無観客で成り立つわけではありません。ひとたび劇場を閉鎖した場合、再開が困難になるおそれがあり、それは「演劇の死」を意味しかねません。もちろん、感染症が撲滅されるべきであることには何の異議申し立てするつもりはありません。けれども劇場閉鎖の悪しき前例をつくってはなりません。現在、この困難な状況でも懸命に上演を目指している演劇人に対して、「身勝手な芸術家たち」という風評が出回ることを危惧します。公演収入で生計をたてる多くの舞台関係者にも思いをいたしてください。劇場公演の中止は、考えうる限りの手を尽くした上での、最後の最後の苦渋の決断であるべきです。「いかなる困難な時期であっても、劇場は継続されねばなりません。」使い古された言葉ではありますが、ゆえに、劇場の真髄(しんずい)をついた言葉かと思います。

野田秀樹
(https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200301-00000018-asahi-soci)
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大相撲など無観客のスポーツイベントが続出する中、野田さんのおっしゃる「演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術」に深く同意します。
私たちの画廊が開く展覧会も「観客がいて初めて成り立」ちます。
感染という脅威はありますが、恐る恐る細心の注意を払いながら、「銀塩写真の魅力 Ⅵ」展は最終日14日まで開催できたらと考えています。
本日3月2日(月)は休廊日につき画廊は開いていません。明日は通常通り11時~19時まで開廊しています。

今回は、奈良原一高福原信三瑛九福田勝治風間健介アジェマン・レイの8人のゼラチン・シルバー・プリント15点を展示しています。
8人の中で、現存作家はただひとり、菅原一剛(b. 1960)先生です。
企画していた時点では奈良原一高先生がご健在でしたが、先月1月19日にご逝去されました。

本日は菅原一剛をご紹介します。
sugawara_14_stalheim06"Stalheim #6, Norway"
1992年 ゼラチンシルバープリント
イメージサイズ:50.8×40.6cm
シートサイズ :61.0×50.8cm
Ed.25  Signed
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菅原一剛はフランスにて写真家として活動を開始して以来、数多くの個展を開催してきました。
ときの忘れものでは、開廊早々の1995年11月に「菅原一剛、大野純一写真展(MORPHE '95企画)」を開催したのが最初でした。このときは大判のヌード写真を出品していただきました。2013年10月には個展「菅原一剛写真展―Blue」を開催しました。今回の出品作品はそのときのものです。
従来の写真表現を越え、多岐にわたり活動の領域を広げており、1996年に撮影監督を務めた映画「青い魚」は、ベルリン国際映画祭に正式招待作品として上映される。近年は、光の眩しさを写真にとらえる方法として、湿板写真などを探求し、写真の古典技法と最新のデジタル技法を組み合わせることで、今までにない新しい写真を作り出しています。
その成果は、下にご紹介する写真集『Daylight | Blue』に収められています。
仲世古佳伸さんのエッセイ「菅原一剛の写真/断章」(2013年10月18日ブログ)を合わせてお読みください。  

期間限定・写真集の販売
「銀塩写真の魅力 Ⅵ展」開催中の2月19日から3月14日までの特別販売書籍をご紹介します。
1)『Daylight | Blue』菅原一剛写真集
菅原一剛 写真集 “Daylight  Blue”外箱68ページ、33.2 x 26.2 cm
出版社:ビー・エヌ・エヌ新社
2013年
言語:日本語、英語
販売価格:6,600円(税込)
菅原一剛が写真家として活動した約28年の作品群を集約した、箱入り2冊(「Daylight」「Blue」)1セットの写真集です。
「Daylight」では2000年代に発表された「Amami」「Komorebi」そして「Tsugaru」を、「Blue」では1990年代に発表された菅原の代表作ともいえる「Norway」「Nara」などの作品を収録。菅原一剛の写真家としての軌跡がわかる、集大成的一冊です。

2)『魅惑のヴェネツィア』奈良原一高写真集
奈良原一高展~魅惑のヴェ ネツィア44ページ、29×31cm
1987年
出版社:PPS通信社
著者:奈良原一高、ジョルジユ・デ・マルキス、池田満寿夫、飯沢耕太郎、亀倉雄策 他
価格:3,163円(税込)
奈良原一高がヴェネツィアの夕方から夜にかけての様子を中心に撮影。ヴェネツィアの華やかな装飾を身に着けた人々、夜の静かな街の姿などをとらえた幻想的なカラー写真、モノクロ写真を収録しています。

3)『写真の巨匠アジェ展―ユトリロ,藤田嗣治,マン・レイも魅せられた消えゆくパリの記録』
アジェ展84ページ、29×31cm
1991年
出版社:PPS通信社
価格:2,613円(税込)
アジェの貴重なヴィンテージ・プリント152点をもとに東京(1991年4月25日ー5月14日)と大阪(1992年1月10日-1月22日)で開催された展覧会にあわせて発行されました。

4)『写真の世紀展 写真家が見た20世紀』
写真の世紀展160ページ、30cm×23cm
2000年
出版社:PPS通信社
執筆者:平木収監修
価格:2,750円(税込)
ウジェーヌ・アジェ、ジャック=アンリ・ラルティーグ、アルフレッド・スティーグリッツ他 図版200点を収録。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2015年08月14日|ワゴン・リの夜は更けて~藤江和子作品集
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銀塩写真の魅力 Ⅵ展
会期:2020年2月19日(水)~3月14日(土)※日・月・祝日休廊
出品:奈良原一高福原信三瑛九福田勝治風間健介菅原一剛アジェマン・レイ
銀塩写真~DM表

●ときの忘れものは青山から〒113-0021 東京都文京区本駒込5丁目4の1 LAS CASAS に移転しました。
阿部勤設計の新しい空間はWEBマガジン<コラージ2017年12月号18~24頁>に特集されています。JR及び南北線の駒込駅南口から約8分です。
TEL: 03-6902-9530、FAX: 03-6902-9531 
E-mail:info@tokinowasuremono.com 
営業時間=火曜~土曜の平日11時~19時。*日・月・祝日は休廊。