ブログへのアクセスが急減する中(困った!)、今年も1月1日から一日も休むことなく毎日更新することができました。
読む人あってのブログです。ご愛読を心より感謝申し上げます。

もちろんスタッフだけではなし得ないことで作家、研究者、コレクターなど執筆者の皆さんのおかげです。
2019年にご寄稿いただいた皆さんを感謝をこめてご紹介いたします(五十音順、長いです)。

荒井由泰さん
201909勝山荒井由泰さん恩地孝四郎駒井哲郎などのコレクター、福井県勝山の荒井由泰さんは、アートフル勝山の会という愛好家グループを主宰し長年にわたり美術の普及運動に尽力されています。このブログにも長年にわたり寄稿されています。
今年も勝山にある磯崎新設計の個人住宅・中上邸イソザキホールを会場に「プリツカー賞受賞記念 磯崎新作品展」を主催・開催されました。
右端が荒井さん。中上邸の図面を見ているのは植田実先生と石山友美さんです。



飯沢耕太郎さん
20171108細江飯沢GT_08写真史のパイオニアである飯沢耕太郎さんのエッセイ「日本の写真家たち」英文版は海外に日本の写真家を紹介する目的で連載をお願いしてきましたが、16回で終了しました。
2017年11月8日「細江英公写真展」ギャラリートークにて。
飯沢耕太郎さん(左)と細江英公先生。


石原輝雄さん
石原輝雄マン・レイになってしまった人、京都の石原輝雄さんには今年も不定期連載「マルセル、きみは寂しそうだ。」の他に折に触れ重要な展覧会のレポートをお願いしました。
執筆、印刷、製本まですべてひとりでやる銀紙書房の出版活動もますます絶好調、次回の配本を心待ちにしています。


伊藤佳之さん
超現実主義の1937年東京国立近代美術館で開催された「福沢一郎展 このどうしようもない世界を笑いとばせ」(2019年3月12日- 5月26日)はシュルレアリスム絵画の紹介者という紋切り型のレッテルを貼られてきた福沢一郎の初期から晩年までの大作を展示することで、その実像を検証する重量級の展覧会でした。福沢一郎記念館の伊藤佳之さんにレビューを執筆していただきました。
今春2月みすず書房から刊行され大きな反響を呼んだ超現実主義の1937年 福沢一郎『シュールレアリズム』を読みなおす』 は伊藤さんたちが研究会を組織し福沢一郎の著書『シュールレアリズム』を2013年5月から4年間、12回にわたりすみから隅まで読みつくした記録です。


井戸沼紀美さん
お正月早々飛び込んできたジョナス・メカスさんの訃報に私たちは大きな衝撃を受けました。1983年にNYでお目にかかって以来、たくさんの作品を扱い、全国各地で展覧会や上映会を企画してきました。それらを通じて世間的には無名の映画監督にひかれる若者が次々と出てきました。
井戸沼さんもその一人、メカスさんを尋ねはるばるNYまで行き、インタビューまで敢行した突撃少女です。
20190322メカス展井戸沼さん井戸沼さんには追悼文を寄稿していただき、東京と京都で展覧会・上映会を企画していただきました。
上掲写真はスタジオ35分でのメカス展にて、井戸沼さん(左)とオーナーの酒航太さん


今村創平さん
05千葉工業大学建築学科教授の今村さんには今年は湯島の国立近現代建築資料館で開催された安藤忠雄展のレビューを執筆していただきました。記録的な入場者で「建築展」がもはや一部の建築関係者、学生だけではなく一般の人々にも広く認知された画期的な展示でした。
左の写真は2017年9月9日から2018年1月8日まで、ポンピドー・センター・メス(2010年完成、坂茂設計)で開催された「ジャパン-ネス Japan-ness 1945年以降の日本の建築と都市計画」展にて、後列左から三人目が今村さん。中央が企画者のフレデリック・ミゲルーさん。


植田実さん
IMG_0971_小すでに100回を超える執筆者である建築評論の植田実先生には今年もたくさんの原稿をご執筆いただきました。
毎月29日更新の連載「本との関係」と、随時更新の「美術展のおこぼれ」がともに植田実のエッセイとして掲載されています。
ブログより以前の植田実先生のエッセイはホームページでお読みになれます。
写真は今秋9月福井県勝山で開催された「磯崎新作品展」でのトークイベントにて。石山友美さんと植田先生。


大内直輝さん
20190627大内直輝トリミング05今年は菅井汲先生の生誕100周年でした。広島県廿日市市の海の見える杜美術館で「生誕100年記念 菅井汲 ‐あくなき挑戦者-」が開催され、担当学芸員の大内直輝先生にご執筆いただきました。
掲載作品は出品作《GROUP3》です。


王 聖美さん
201905王聖美今年から連載エッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」をスタートした(隔月、偶数月の18日)建築倉庫ミュージアムの王 聖美さんには建築のみならず、ご自分の感性に響いた展覧会を自由に論じて欲しいとお願いしています。期待に違わず、取り上げる展覧会も多彩で丁寧な取材に基づいたレビューは出色です。


大竹昭子さん
20190126瑛九展大竹斉藤植田実先生とともに長期連載の常連(既に90回を超えました)である大竹昭子さんのエッセイ「迷走写真館 一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新で、2020年も大竹さんの連載で始まります。
写真は1月に開催した「第27回瑛九展」にて、左から大竹さん、異端の駒井コレクターS氏、社長。

20190629一日だけの須賀敦子展00002書評やトークイベントの名手であり、小説も書く、著書多数の大竹さんは写真家としても活躍しています。昨秋、青いカバさんの主催で開催した写真展「一日だけの須賀敦子展」が大好評で、今年は盛岡と神戸でも開催されました。写真はMORIOKA第一画廊主催で開催された同展のトークイベントにて、末盛千枝子さん(左)と大竹さん。
来年は4月11日(土)に「一日だけのニューヨーク展」を開催予定です。大竹昭子さんの写真シリーズ「ニューヨーク1980」の展示と、青いカバさんがニューヨーク関連の書籍の販売を行います。当日夕刻にトークショーを予定ですが、ゲストはただいま鋭意検討中、乞うご期待。


大谷省吾さん
第28回カタログ表今年のメインイベントは何と言ってもアートバーゼル香港に初出展し、海外初の瑛九個展を開催できたことでした。日本人以外の客は瑛九のことは誰も知らない、それでも作品の力は大きいですね。おかげさまで望外の成功を収めることができました。海外の人に瑛九を知ってもらうためにカタログを制作し、東京国立近代美術館の大谷省吾さんに「Q Ei,Explorer of Light 瑛九ー光の探求者」を寄稿していただきました。


大藤敏行さん
20191002宮森敬子美術展「ある小説家の肖像」今秋9月から10月にかけて信州の軽井沢高原文庫で宮森敬子さんの個展が開催され、企画を担当された副館長の大藤敏行さんにレビューをご執筆いただきました。宮森さんはアメリカを拠点に制作する作家ですが、来年春にときの忘れものでも個展を開催する予定です。それに合わせて新春1月からブログでもエッセイを連載しますので、どうぞご期待ください。


大野 幸さん
大野幸磯崎新アトリエOBの大野幸さんはエジプトや中国などを往還する建築家であり、ヴァイオリニストでもあります。
青山時代から<ときの忘れもの・拾遺 ギャラリーコンサート>のプロデュースをお願いしており、毎回のプログラムに寄せる原稿をご執筆いただいています。


小国貴司さん
小国貴司駒込の名所となりつつあるBOOKS青いカバの店主小国貴司さんのエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
来年4月11日(土)に計画している「一日だけのニューヨーク展」は青いカバさんとの共催で、大竹昭子さんの写真シリーズ「ニューヨーク1980」の展示と、青いカバさんがニューヨーク関連の書籍の販売を行います。乞うご期待。


尾崎森平さん
DSC_0688今春4月京都の中村さん、宮城の尾崎さん、福井の谷川さんという若い3作家を選び「Tricolore2019―中村潤・尾崎森平・谷川桐子展」を開催しました。
尾崎森平さんは祖父、父がともに版画家という家で育ち、<自分の生まれ育った現代の東北の景色や生活の記憶、ステレオタイプ化された地方や田舎のイメージを引き合いに作品を>制作しています。その視点のユニークさと、なかなかの論客なので、今年からエッセイの連載をお願いしました。「長いこんにちは」は毎月25日の更新です。
写真は4月の同展にて、左から喜夛孝臣(練馬区立美術館)さん、中村潤さん、小清水漸さん、尾崎森平さん、社長、角張彰さん。


川上典李子さん
716d35ae-s今年ときの忘れものが協力した展覧会はいくつかありますが、赤坂の21_21 DESIGN SIGHTで開催された「ユーモアてん。/SENSE OF HUMOR」にはディレクションを担当した浅葉克己さんの意向で瀧口修造が選ばれ、作品を提供しました。
同館のアソシエイトディレクターを務める川上典李子さんに展覧会の狙い、構成について寄稿していただきました。


木下哲夫さん
mekas中私たちの古い友人である木下さんがジェイムズ・E.B.ブレズリン著『マーク・ロスコ伝記』という分厚い本を翻訳されたので、同書について書いていただきました。
写真は2月9日追悼ジョナス・メカス上映会のトークにて、左から木下哲夫さん、飯村昭子さん、植田実先生。今年は1月にジョナス・メカスさんが、12月にペシャワール会の中村哲先生が亡くなられましたが、お二人と私たちの関わりは、木下さんの紹介がきっかけでした。


栗田秀法さん
20191218栗田秀法名古屋大学の栗田秀法先生には昨年埼玉県立近代美術館で開催された「版画の景色 現代版画センターの軌跡」展のレビューを「リア」という名古屋の雑誌に書かれたのがきっかけで知り合いました。
以来、現代版画についてのご指導をいただいています。

2-11 第2部 細江先生、栗田先生対談1280
2019年11月2日第2回久保貞次郎の会にて、細江英公先生と対談する栗田先生。


光嶋裕介さん
koshima_ginza_02今年も描く建築家・光嶋裕介さんは信州や銀座での個展など大活躍でした。ブログでは英文で安藤建築を紹介していただきました。
koshima_uchida22019年9月3日銀座蔦屋書店にて、内田樹さんと対談する光嶋さん。


小林美香さん
20121024小林美香、桑原規子長年にわたりブログで写真について論じていただいた小林美香さんですが、100回を機にひとまず連載を終了いたしました。
写真に関しては素人同然の私たちが何とか写真展を企画できたのも該博な知識と膨大な写真作品を見てこられた小林美香さんのご指導に負うところが大でした。いずれ別のテーマでの新連載を期待しています。
写真は2012年10月24日青山時代、「大竹昭子写真展―Gaze+Wonder/NY1980」にて、桑原規子さん(左)と小林美香さん。


小松崎拓男さん
小松崎拓男金沢美術工芸大学教授を退官された小松崎拓男先生に学生時代からの課題だったという松本竣介について連載していただくことになりました。「松本竣介研究ノート」は毎月3日の更新です。新年早々1月3日のブログをどうぞお読みください。


佐伯誠さん
1月23日ジョナス・メカスさんが亡くなられました。私たちにとっては1983年に日本にお招きして以来、最も敬愛する作家であり幾度も展覧会を開いてきました。多くの方々から追悼のメールをいただきましたが、1983年12月10日の原美術館でのトークに出席されていたという佐伯誠さんからの追悼文は心にしみるものでした(2019年2月17日ブログに掲載)。

坂山毅彦さん
d0a0e052-s坂山毅彦建築設計事務所を主宰する坂山さんは、2013年から代官山 蔦屋書店建築コンシェルジュに就任し2017年からは銀座 蔦屋書店建築コンシェルジュを努めています。
銀座の蔦屋書店で安藤忠雄展などが開催されてきたことは皆さんもよくご存知でしょう。坂山さんが企画された光嶋裕介展について寄稿していただきました。


笹沼俊樹さん
308著書『現代美術コレクションの楽しみ―商社マン・コレクターからのニューヨーク便り』で一躍注目を浴びた笹沼さんは、このブログでも「現代美術コレクターの独り言」を連載していただきましたが 第21回で中断したままでした。
今年2月に開催したジョエル・シャピロ展 に合わせて久しぶりに「プロフェッショナルの世界を見た」と題して二回にわたりシャピロを論じていただきました。


佐藤研吾さん
佐藤研吾昨年末ときの忘れもので初個展を開催した佐藤研吾さんですが、今年は各方面から引っ張りだこの大活躍でした。
福島県大玉村を拠点(地域おこし協力隊)に、インド、東京、福島を往還しながら、創作活動に取り組んでおり、いま最も注目を浴びている若手建築家です。
連載エッセイ大地について―インドから建築を考える―は早くも35回を数えますが、毎月7日の更新です。


塩見允枝子さん
1499751274152東京藝術大学在学中から即興演奏やテープ音楽に取り組んでいた塩見さんは、1964年渡米しフルクサスに参加します。以来、郵便によるグローバルなイヴェント「スペイシャル・ポエム」のシリーズを開始します。
帰国後もジャンルを超えた活動を続けている塩見さんには、「スペイシャル・ポエム」と「フルックスアトラス」について執筆していただきました。フルクサスを知る上で重要な文献である塩見さんの著書はときの忘れもので扱っています。


杉山幸一郎さん
DSC_0960スイスのピーター・ズントーのアトリエに勤務する建築家杉山幸一郎さんの連載エッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」毎月10日の更新ですが、いまやときの忘れもののブログで一番の人気で毎回千人単位のアクセスがあります。各方面からも注目を集め、今年からはアーキテクチャーフォトでも隔月13日に連載エッセイを綴っています。
ときの忘れものはこの夏、杉山さんの初個展を計画しています


住田常生さん
bf428492-s高崎市美術館の住田常生さんには、ご自身が企画担当された「モダンデザインが結ぶ暮らしの夢」と、桐生大川美術館で開催された松本竣介展についてレビューを執筆していただきました。
住田さんが主任学芸員を務める高崎市美術館の一角には旧井上房一郎邸があり、レーモンドファンにとっては聖地のような場所、ときの忘れものでも昨年建築ツアーを組みました。


土渕信彦さん
201712忘年会柳土渕現代美術のコレクターであり、瀧口修造研究の第一人者である土渕信彦さんには今年も連載エッセイ「瀧口修造の本」(毎月23日の更新)のほかに、いくつもの展覧会レビューを執筆していただきました。
新春1月4日にもポーラ美術館で始まった《シュルレアリスムと美術 ダリ、エルンストと日本の「シュール」》展のレビューが掲載されます。
写真左が土渕さん、右は柳正彦さん。


トゥルーリ・オカモチェクさん
Trulie_Okamocekあるときは実直なサラリーマン、あるときはカードゲームの達人、そして今年1月に亡くなられたジョナス・メカスさんの若い友人でもある岡本さんは<ジョナスへの、ジョナスからの手紙のような展覧会>を企画されました。


富安玲子さん
7b0e62f7-s今年話題の展覧会「インポッシブル・アーキテクチャー」にときの忘れものは安藤忠雄先生の「中之島プロジェクト Ⅱ[アーバンエッグ]」を出品協力しています。
最初の会場だった埼玉県立近代美術館で同展を担当された富安玲子さんには<「不可能な建築」と称する展覧会の会場に流れる不思議な熱量>について書いていただきました。
同展は新潟、広島を巡回して新年早々、大阪の国立国際美術館でフィナーレを飾ります。


中尾美穂さん
20191102中尾美穂信州にあった池田満寿夫美術館で長年学芸員を務めた中尾美穂さんには幾つかの展覧会レビューとギャラリートークのレポートでお世話になりました。ライフワークともいえる池田満寿夫研究に期待しています。
写真は2019年11月2日久保貞次郎の会にて、左は中村惠一さん。


中村惠一さん
DSC_0961長年の研究成果をもとに連載した「新宿・落合に住んだ画家たち(中村式落合散歩)」が12回で終了した中村惠一さんですが、学生時代を過ごした北海道への愛が根底にある新たな連載美術・北の国からを開始しました。毎月22日の更新です。
現代版画センターのシンポジウムに学生時代から参加していたという中村惠一さんは私たちの古い顧客の一人ですが、今年も盛岡、軽井沢などへの旅をご一緒しました。
写真の右が中村さん、左はWEBマガジン「コラージ」を主宰発行する塩野哲也さん。


中村茉貴さん
中村茉貴瑛九研究を志す中村茉貴さんが全国の美術館をめぐるエッセイ「美術館に瑛九を観に行く」も26回を数えます。ブログ更新は不定期ですが、瑛九の作品を訪ねる旅を今後とも続けて欲しいと思っています。
写真中央が中村さん。


西山純子さん
682592ca-sリニューアルのため昨日から長期休館に入った(2020年7月まで)千葉市美術館は町田市立国際版画美術館と並び現代版画、創作版画、新版画の意欲的な企画を連発してきました。それらを企画担当されてきた同館学芸員の西山純子さんに、3月に町田市立国際版画美術館で僅か一ヶ月という短い会期で開催された「パリに生きた銅版画家 長谷川潔展 ーはるかなる精神の高みへ ー」のレビューを書いていただきました。
私たちは常に古典に学ぶ姿勢を持ちたい、長谷川潔の名作群に深く感銘を受けたのは私たちだけではないでしょう。地味ですが好企画でした。
写真は、2016年2月12日青山時代の「恩地孝四郎展」のギャラリー・トークにて、西山さんと亭主。


野口琢郎さん
20190526野口さん夫婦今年めでたく結婚された箔画家の野口琢郎さんは、ときの忘れものの海外戦略の重要なメインアーティストです。
長期連載となったエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。


橋本啓子さん
201903AF東京橋本啓子昨秋開催の「倉俣史朗 小展示」の大きな反響はあらためて倉俣先生の業績の偉大さを痛感しましたが、数少ない倉俣研究者の近畿大学の橋本啓子さんに長期連載をお願いしています。エッセイ「倉俣史朗の宇宙」の連載は当分は奇数月の12日に更新します。
写真は2019年3月アートフェア東京2019にて、中央が橋本さん。


花田佳明さん
20181108日土小学校神戸芸工大は副社長・尾立麗子の母校ですが(彼女は新卒でときの忘れものに入社しました)、恩師の一人花田佳明さんは愛媛県八幡浜にある日土小学校の保存運動に故・鈴木博之先生たちと長年取り組んでこられました。ときの忘れもののブログで5月から始まったのが「建築家・松村正恒研究と日土小学校の保存再生をめぐる個人的小史」です。大連載になるのは花田先生が日土小学校の保存再生にかけてきた思いを知る私たちは承知していましたが、何しろ一回の文字量と写真の数が膨大でして、ついにブログ担当のIが悲鳴をあげました(笑)。「先生、これじゃあ多すぎて誰も読みません!」 毎月14日の更新ですが、12月分は職権で半分に分割し、後編は1月14日に掲載することになりました。
しかしこの熱意あったからこそ、日土小学校は解体を免れ現役小学校として国の重要文化財の指定を受けるにいたりました。今も子供たちが毎日通い、年数回の見学会には全国から多数の見学者が訪れています。
ちょうどいま、谷口吉生設計の葛西臨海水族園(1987年 毎日芸術賞受賞)が都の無茶苦茶な計画で取り壊しの危機にあります。日本建築学会が緊急シンポジウムを開き、反対の声をあげていますが、世界に誇る名建築をなぜにこうもやすやすと壊そうとするのか、役人は何を考えているのでしょうか。
写真は、日土小学校にて、左端が花田佳明さん。


原茂さん
20190115せいほう石山芳賀写真の企画展に取り組んできた私たちに常に的確なアドバイスを寄せてくれたコレクターの原茂さんですが、一大決意をして長年集めた写真のコレクションを手放されました。7月に開催した「H氏写真コレクション展」に連動して、ブログに全9回にわたり連載した「自身のコレクションの作品紹介」は読む人を圧倒しました。まさに鬼気迫るというのはこういう文章を言うのでしょう。いつ、どこで、いくらで、その作品を購入したか。作家への尊敬溢れるコレクションについて克明な記録を自らつけていなければこういう文章は書けません。自分史であり、日本の写真(市場)史の重要な文献であると、亭主は確信する次第です。こういう文章をときの忘れもののブログに掲載できたことを誇りに思います。
写真は2019年1月銀座・ギャラリーせいほうの「石山修武展」にて。右が原さん、左は石山修武先生。


松本綾子さん
4b00e447-sお恥ずかしいことですが、©3331 Arts Chiyodaの二階に写真ギャラリーがあることを全く知りませんでした。1月のジョナス・メカスさんの死去を受けて各地で追悼の展覧会が開催されましたが、nap gallery では随分以前からメカスさんの展覧会を計画されていたようです。ときの忘れものが協力した『ジョナスメカス、高橋恭司 Chibacrome / type-c [ The manners of Photography #5 ]』は3月に開催され、ディレクターの松本綾子さんに寄稿していただきました。


柳正彦さん
クリストと柳正彦15歳の柳少年とめぐり合ったのは亭主が28歳のときでした。中学生でギャラリーに出入りする早熟な天才コレクターは大学卒業後、渡米してクリスト&ジャンヌ=クロードのスタッフとして活躍し、いまは湯島でアート・ショップ Store Front を主宰しています。該博な知識と長年NYで鍛えた経験をもとに執筆する連載エッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は毎月20日の更新です。
写真はクリストと柳正彦さん(右)


山口啓介さん
2e98713e-sお正月に神田神保町の文房堂ギャラリーで開催された「版画のコア core 2」展にときの忘れものは出品協力しました。アーティスト・イニシアティブで企画された同展の中心メンバーである山口啓介さんに「版画のコア core2」展に至るまで、と題して寄稿していただきました。
画像は山口啓介《人体測定図 1》木版拓摺 サイズ可変 2008年


山下裕二さん
20190609山下裕二、葉栗、長崎美術評論家でこの方ほどこまめにギャラリーの展覧会を見て回っている人はいないのではないでしょうか。
ご自分の目で実物を見て評価し、判断する。その眼力のユニークさと卓抜な評論はどなたも認めるところでしょう。
12月にアメリカ・マイアミのアートフェアで海外初の葉栗剛先生の個展を開催しました。山下さんには同展カタログに「葉栗剛--ドメスティックな木彫をとりもどす」をご寄稿いただきました。
写真はときの忘れものにて、左から、長崎美希さん、葉栗剛さん、山下裕二さん。


吉岡知子さん
吉岡知子今年2019年8月3日~11月24日まで世田谷美術館2階展示室で、画期的な小展覧会が開催されました。おそらく史上初の駒井哲郎先生のモノタイプだけで構成された展覧会です。前期、後期と二回にわけて展示された色彩豊かな駒井作品に感激したのは亭主だけではないでしょう。
東京都現代美術館、世田谷美術館と並び、良質な駒井コレクションを所蔵する埼玉県立近代美術館の吉岡知子さんに「福原義春コレクション 花開く色彩―駒井哲郎のモノタイプ」の展示に寄せてを寄稿していただきました。

以上、荒井由泰さんから吉岡知子さんまで執筆者の皆さんには心より御礼申し上げます。

●現在、テーマ別に月一回、または隔月でエッセイを連載しているのは以下の皆さんです。
大竹昭子のエッセイ「迷走写真館~一枚の写真に目を凝らす」は毎月1日の更新です。
小松崎拓男のエッセイ「松本竣介研究ノート」は毎月3日の更新です。
小国貴司のエッセイ「かけだし本屋・駒込日記」は毎月5日の更新です。
佐藤研吾のエッセイ「大地について―インドから建築を考える―」は毎月7日の更新です。
杉山幸一郎のエッセイ「幸せにみちたくうかんを求めて」は毎月10日の更新です。
橋本啓子のエッセイ「倉俣史朗の宇宙」は隔月・奇数月12日の更新です。
花田佳明のエッセイ「建築家・松村正恒研究と日土小学校の保存再生をめぐる個人的小史」は毎月14日の更新です。
野口琢郎のエッセイ「京都西陣から」は毎月15日の更新です。
王聖美のエッセイ「気の向くままに展覧会逍遥」は隔月・偶数月18日の更新です。
柳正彦のエッセイ「アートと本、アートの本、アートな本、の話し」は隔月・偶数月20日の更新です。
中村惠一のエッセイ「美術・北の国から」は毎月22日の更新です。
土渕信彦のエッセイ「瀧口修造の本」は毎月23日の更新です。
尾崎森平のエッセイ「長いこんにちは」は毎月25日の更新です。
スタッフSの海外ネットサーフィンは毎月26日の更新です。
植田実のエッセイ「本との関係」は毎月29日の更新です。

来年もよろしくお願いいたします。

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◎昨日読まれたブログ(archive)/2006年10月12日|「<宿り>と産婆術/石山修武展」田村健~コレクターの声第8回
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●年末年始ご案内
ただいまときの忘れものは冬季休廊中です。2019年12月29日(日)~2020年1月6日(月)まで
新年の営業は1月7日(火)からです。
ブログは年中無休、毎日更新しますのでお楽しみください。