ときの忘れもの 今月のお勧め
■2005年12月22日(木)  お薦め作品〜根岸文子「Cayendo a sueno IV」
DSCF2582.JPG 400×495 84K作家名    根岸文子
作品名    Cayendo a sueno IV
制作年    2001年
技法     カンヴァスにアクリル
作品サイズ  27×22cm(3号)
サイン    カンヴァス裏にサインあり
作品の状態  良好

◆1970年東京生まれ。1993年女子美術大学絵画科版画コース卒業後、スペイン
に渡る。スペイン美術大学の版画工房で学ぶ。スペイン国内版画展で新人賞、
モハカ絵画奨学コース(スペイン)等を受ける。99,01,04年ときの忘れもので個
展。02年エガン画廊(マドリッド)で個展、またマドリッド国際アートフェアに
同画廊より出展、GENERASION2002グループ展に参加(カッハマドリッド)。

◆大学卒業後、単身スペインに渡り、油彩、版画の制作に打ち込んでいます。
ユーモアに溢れ、スペインの明るい風に吹かれるような作風が心地よいです
ね。一児の母になり、今後の展開がまた楽しみです。

■2005年12月16日(金)  展覧会のご紹介〜『黒の迷宮 −凝視の刻−』
grp1216184730.jpg 400×566 140K先日ときの忘れもので展覧会をいたしました日和崎尊夫の作品が出品される展覧会をご紹介させていただきます。

「黒の迷宮 −凝視の刻− 木下晋・小林敬生・日和崎尊夫」
会 期  2006年1月4日(水)〜2月5日(日)会期中無休
開館時間 午前9時30分〜午後5時(入館は4時30分まで)
会 場  石川県立美術館
コメント「20種もの鉛筆を駆使して人間を描く木下晋、微細な木口木版で独自の作風を展開する小林敬生と日和崎尊夫。黒線が織りなす細密の世界をご紹介します。」
先着8名様にご招待券を差し上げますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでメールでお申し込みください。
info@tokinowasuremono.com

■2005年12月14日(水)  お薦め作品〜戸張孤雁「創作版画と版画の作り方」
grp1214163405.JPG 300×479 35K作家名    戸張孤雁
作品名    「創作版画と版画の作り方」
制作年    1922年
出版社 版画社
挿入作品   木版 「玉乗り」1点 他に版ごとに分解したものが5点 
本のサイズ  21.5×13.5cm
作品の状態  ヤケ、シミ、ノド傷みあり。文字の訂正などの書き込みあり。


◆作品のワンポイント/戸張孤雁は、生涯独身(美しい恋人はいましたが)、
東京出身がたたって、いまだにこの優れた作家を顕彰する機関も美術館もな
い。もし孤雁が他の地方の出身だったら、美術館が放っとかないでしょう。回
顧展も愛知県美術館が開いたのみ。私が夢中で集めていた1970年代には、妹さ
んもご健在で、兄孤雁のことをいろいろ聞くことができました。また縁あって
一時、私の自宅に全版木を保管していました(現在は愛知県美術館の収蔵)。
この本は、戸張孤雁が創作版画を作るに当たっての態度に始まり、自作の「玉
乗り」を題材に色版の分解と摺りなど木版画の技法について解説しています。
その序に曰く「本書の内容は木版画に関した一般と、是まで商売人仲間が秘密
のようにして教えなかった材料製作者並びに販売店等を公開して研究者の便に
備えてあります。」

◆作家の紹介/戸張孤雁(とばり こがん)1882年東京日本橋生まれ。1901年
(明治34年)渡米し、苦学しつつアート・スチューデンツ・リーグなどで絵画
を学ぶ。荻原守衛(碌山)と知り合うが、1906年病のため帰国。荻原の影響で
彫刻への関心を深め、1910年太平洋画会研究所彫塑部に入り彫刻家となる。
1916年からは日本美術院彫刻部に出品し、翌年同人となる。また、1913年には
石井柏亭らと水彩画会を創立、1919年には創作版画協会に参加し版画制作を行
い、「タンスの前」「玉乗り」などの傑作を遺す。1927年46歳で歿。

■2005年12月10日(土)  お薦め作品〜O JUN「彼の紫斑」
grp1210131522.JPG 400×482 50K作家名    O JUN
作品名    彼の紫斑
制作年    1996年
技法      ドローイング
作品サイズ  60×44.5cm
額装サイズ  62.5×47cm
サイン     サインあり
作品の状態  良好

◆O JUN(おお じゅん)1956年東京生まれ。1982年東京芸術大学大学院美術研究科油絵専攻修士課程修了。1982年ギャラリー泰明で初個展。1984年スペイン、バルセロナに滞在、翌年帰国。1990年ドイツ、デュッセルドルフに渡航、94年帰国。1996年[撃墜王][秋水]他のリトグラフを制作。2000年横須賀・カスヤの森現代美術館で個展。2002年大阪・国立国際美術館で個展開催。2003年より東京造形大学絵画科非常勤講師。

◆「描く半歩手前」と称してパフォーマンスを行っていた時期もありましたが、現在はドローイング作品が中心で、それでも「タブローよりレアなドローイング」と言う彼の作品は、やはり「描く半歩手前」かもしれません。しかし、2000年6月ときの忘れもので[O Jun・舟越直木展]を開催したときには、その作品のもつスケール感と色彩の美し さに圧倒され、絵画の復興を実感しました。

■2005年12月01日(木)  お薦め作品〜秋山祐徳太子「O男爵」
grp1201140919.JPG 576×768 126K今回から「お薦め作品」と改題して、ときの忘れものの取り扱い作家の作品を順次ご紹介して参ります。そのリニューアル第1弾は、ユニークな人柄で知られる秋山祐徳大子さんのブリキのオブジェです。

作家名    秋山祐徳太子
作品名    O男爵
制作年    1993年
技法      ブリキのオブジェ
作品サイズ  7.3×7.3×27.5cm
サイン     台座の下にサインあり
作品の状態  良好

◆作家の紹介/秋山祐徳太子(あきやま ゆうとくたいし)1935年東京生ま
れ。60年武蔵野美術学校彫刻科卒業。65年岐阜アンデンパンダン・フェスティ
バルに自分自身を出品。ポップ・ハプニング(通俗行動)と称し、金太郎、グリ
コなど動くポップ・アートを始める。73年東京・ガレリア・グラフィカで初個
展。75,79年政治のポップ・アート化を目指し東京都知事選に立候補。86年パ
リ・ポンピドゥーセンター[前衛の日本展]に出品。94年伊東・池田20世紀美術
館で回顧展開催。

◆作品のワンポイント/97年一軒家ギャラリーだったときの忘れもので個展
[秋山祐徳太子 皇帝の散歩]を開き、庭の草むらにブリキ彫刻の皇帝たちを林
立させました。さ わやかな五月の風に吹かれて飄々として佇むブリキ彫刻
は、芸術なんて御大層なものじゃあないんだという祐徳太子さんの面目躍如と
したものでした。

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